能登半島地震から半年進まぬ復旧 被災地切り捨て許すな
能登半島地震から半年進まぬ復旧
被災地切り捨て許すな
今年1月1日に発生した能登半島地震から半年が経過した今、改めて革共同北陸地方委員会から能登半島地震被災地への支援カンパの呼びかけが発せられました。ぜひご協力をよろしくお願いします。(編集局)
「コスト」語り支援を放棄
能登半島地震被災地へのご支援ありがとうございます。全国からの被災地支援カンパは、能登の同志を始め被災した仲間への大きな力になっています。
能登半島地震から半年が過ぎました。被災地では崩壊した家屋が道路を塞いでいた部分がようやく撤去されてきましたが、6月3日の震度5強の地震で新たに倒壊した家屋が道路を塞ぐなど、復旧には程遠い状況です。石川県内では5月26日時点で公費解体が完了したのは346棟で申請数のわずか2%に過ぎず、崩壊した家屋がいまだにそのままです。能登半島は2007年3月と23年5月にも震度6強の地震に見舞われ、多大な被害を受けていました。ようやく家屋を再建した人も多くが今回の地震で再び被害を受け、再建は困難を極めています。
しかし、国は財政破綻(はたん)のなかで大軍拡に突き進み、被災地に回す金はないとばかりに、財務省が「今後の復旧・復興にあたっては、維持管理コストを念頭に置き......集約的なまちづくりやインフラ整備の在り方も含めて、十分な検討が必要」と打ち出しました。過疎地のインフラ復旧に金を使うのは無駄だから地区ごと移転しろということで、被災地から怒りの声が噴出しています。そもそも震災被害をここまで大きくしたのは地方切り捨ての国策であり、とりわけ能登北部で起こっていた群発地震に対する無策です。
国は1985年に10年の時限立法として「半島振興法」を制定、延長を繰り返しています。しかし、「半島振興」どころか国鉄分割・民営化を突破口に新自由主義政策が激しく進み、地方は切り捨てられていきました。能登地方でも鉄道は88年に第3セクター化が始まり、その後、穴水より先は廃線にされました。学校の統廃合が進み、病院や診療所の数も減少し過疎化が進みました。一方では原発や産業廃棄物処分場の建設が住民の反対のなか強行されています。
76年発表の珠洲(すず)原発計画は、今回の震源の真上が予定地でしたが住民の反対で2003年に凍結。1967年計画発表の志賀原発は反対運動で大幅に遅れ、93年に運転を開始しました。今回の地震発生時は運転停止中でしたが施設・敷地が被害を受け、避難計画も全く実行できないことが明らかになりました。しかし運転再開を強行しようとしています。
こうした政策のもとで過疎化・高齢化が進んでいた能登地方では、自分たちが作った野菜を分かち合ったりする地域の共同体的あり方が生活を支えてきました。震災直後は支援が遅れる中でこうしたあり方が大きな力になりました。しかし避難生活が長引くなか、2次避難や仮設入居などでバラバラの場所へ避難することで、支え合ってきた関係が破壊されました。多くの被災者が生活の糧を失っており、仮設住宅に入居できても光熱費や食費の負担に耐えられず避難所へ戻る人もいます。公費解体や支援金の資格を得るための調査を多くの人が申請せざるを得ない状況です。
怒り集め岸田政権打倒へ
このように困難に直面している被災者に対し、行政は「支援の効率化」「自立を促す」として避難所や飲料水・食料の配給など様々な支援策を縮小しています。国は「大規模災害」を口実に地方自治法を改悪し、戦争国家化を強権的に推し進め、地方切り捨てを強めようとしています。こうした政策により、住家の被害認定や避難所での生活、仮設入居をめぐって被災者内部の分断すら引き起こされています。こうした将来への不安や長引く避難生活でのストレス、避難先での介護体制の不備などで命を落とす人も多く出ており、災害関連死の認定は52人(申請は200人超)、死者数は6月18日時点で282人となりました。これから豪雨や猛暑の季節になります。生きるための怒りが高まってくるのはこれからです。
震災は終わっていません。復旧もまだまだです。にもかかわらず国は、戦争と軍拡、原発増設のために被災者の命や生活を見捨て、復興どころか地方切り捨てをさらに進めていこうとしています。
こうした政策を推し進める岸田政権を怒りをもって打ち倒すため、被災者との団結をつくり出していくために、震災半年目になる7月1日の金沢駅前スタンディング行動を成功させ、反戦闘争と一体となった能登支援の大衆的な行動をつくり出し、強めていきます。さらなる支援カンパをお願いします。
〔革共同北陸地方委員会〕
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