焦点 東京都知事選 「首都防衛」掲げ戦争あおる小池
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東京都知事選
「首都防衛」掲げ戦争あおる小池
6月20日に告示された東京都知事選(7月7日投開票)で、現職の小池百合子は「首都防衛」を掲げ、岸田政権と一体で戦時体制づくりを進めようとしている。
「防災」口実に戦争訓練
小池は今回の選挙で「少子高齢化対策、経済活性化、防災」を大きな柱とする「東京大改革3・0」を掲げる。選挙の出発式では「世界一の都市・東京を確立する。キーワードは『首都防衛』。都民の命と暮らしを守り、経済を発展させていく」と語った。
公約の目玉である「防災・防衛」では、「ミサイル攻撃に備えた地下シェルターの整備」を大きく打ち出した。すでに都内ではこの間、小池都政のもとで戦争訓練が繰り返し行われている。自衛隊の部隊が「防災」を口実に戦闘服で区役所庁舎に入ったり、「対テロ・住民保護」を掲げて公共施設を制圧したりする軍民一体の演習が始まっているのだ。
今年1月には中野区で陸上自衛隊の実動訓練を柱に、警視庁、消防庁、中野区と都の職員、住民も動員する「ミサイル避難訓練」が強行された。小池も現場に登場し、北朝鮮による弾道ミサイル発射など「深刻かつ重大な脅威」にさらされていると排外主義をあおり立てた。3月には練馬区で陸自隊員が市街地行進を行い、5月には自衛隊統合作戦司令部の発足を見越した「自衛隊統合防災演習」なる戦争訓練が強行されている。
6月19日の地方自治法改悪で「国民の安全に重大な影響を与える事態」に際して政府が自治体に指示=命令する権限が大幅に拡大された。こうした中で、まさに地方自治体の戦争動員の旗振り役を買って出ているのが小池だ。「首都防衛」は、米日帝国主義が中国侵略戦争へと突入する中、首都・東京をその戦争司令部として全面的につくり変えるということだ。
だが、小池は「稼ぐ東京」を掲げて地域を破壊してきた張本人だ。コロナ禍のただ中の2022年7月1日には、多くの医療労働者・患者の反対の声を押しつぶして都立8病院・公社6病院の地方独立行政法人化=民営化を強行した。公共医療を切り捨て戦時医療への転換を進めてきた小池に「命と暮らしを守る」「少子高齢化対策」を語る資格などない。
虐殺の歴史の抹殺狙う
小池の本性は何よりも、1923年の関東大震災時に起きた朝鮮人・中国人大虐殺に対する態度にはっきりと表れている。小池は都知事就任の2年目から7年連続で、歴代都知事が行ってきた朝鮮人犠牲者追悼式典への追悼文送付を拒否し続けてきた。「犠牲となったすべての方々に哀悼の意を表して」いるからだと言うが、日帝が再びの侵略戦争に進む中で、狙いが虐殺の歴史の否定・抹殺にあることは明らかだ。これは朝鮮学校への補助金凍結、朝鮮高校の無償化適用除外とも一体の攻撃だ。
そもそも小池は札付きの極右だ。衆院議員時代に「日本会議」系議員連盟である「日本会議国会議員懇談会」の副幹事長や副会長を歴任してきたが、卑劣にもそのことを公式サイトのプロフィールには一切明記していない。しかし小池の正体はすでに労働者人民に見抜かれ、あらゆる人々の怒りの的となっている。だが、「小池か蓮舫か」などというところに労働者階級の選ぶべき道はない。反戦闘争の爆発と一体で、戦争動員を拒否する階級的労働運動を首都・東京でよみがえらせ、岸田政権もろとも小池都政を打倒しよう。