7・15東京集会―8・6広島へ 原発推進し世界核戦争に突き進む帝国主義を倒せ

週刊『前進』04頁(3351号03面01)(2024/07/01)


7・15東京集会―8・6広島へ
 原発推進し世界核戦争に突き進む帝国主義を倒せ


 8・6ヒロシマ―8・9ナガサキの闘いが迫っている。米日帝国主義による中国侵略戦争は人類を破滅に導く核戦争として準備されている。核戦争を許さない巨大な反戦デモをつくり出す時だ。岸田政権と広島市が手を組んで、8・6広島暴処法弾圧に手を染め、原爆ドーム前・平和公園を封鎖し、反戦反核闘争つぶしに躍起になっている。8月6日朝、原爆ドーム前に集まり、核戦争を阻止する1千人のデモをかちとろう。反原発の闘いは反戦反核の闘いと一つだ。7・15反戦反核デモ&東京集会に集まろう。

日米が「原発3倍化」宣言

 4・10日米首脳会談は、岸田が米帝の「グローバル・パートナー」として名乗りを上げ、中国侵略戦争を具体的に構え琉球弧のミサイル要塞(ようさい)化、米軍艦船の日本での整備、米軍と自衛隊の司令部一体化などを決めると同時に、二国間の「政治的見解及び日米間の更なる協力活動の計画の概観を提示する」ファクトシートを採択した。18㌻に及ぶ内容のうち4㌻を割いてエネルギー問題を論じ、「日米両国は、2050年までに世界全体の原子力発電容量を3倍にするというCOP28(国連気候変動会議)への誓約」をあらためて確認し、「岸田総理大臣による原子炉再稼働計画を称賛する」「A/SMR(革新/小型モジュール原発)を導入するための二国間及び多数国間の共同取組に関する、両国の継続的なパートナーシップを確認する」と書き込んだ。
 さらに「日米両国はまた、ロシア産原料を使用しない濃縮ウラン生産能力への官民投資を促進することを決意する」と述べた。もともと戦後の米帝の世界支配は、巨大な軍事力とりわけ核兵器の独占と、ウラン採掘・輸入ルートから、製錬・濃縮技術、核兵器開発を包括した核ブロックとして形成されてきた。米帝の歴史的没落と中国侵略戦争の決断=世界戦争・核戦争危機のなかで、ロシア・中国を排したサプライチェーン(供給網)の構築を強め、核技術をめぐるさらなる日米の連携強化・具体化を打ち出したのだ。
 2012年当時、日帝・民主党政権は、米ホワイトハウス幹部から「脱原発を目指すなら、核燃サイクルから撤退することだ」と迫られ、「30年代までに原発ゼロ」を盛り込んだ新戦略の閣議決定を見送った。1979年のスリーマイル島の事故と電力自由化で原子力産業を衰退させる米国が「(日本に)原子力の技術維持・開発を肩代わりさせるという意図もある」(資源エネルギー庁長官経験者)と言われている。
 まさに核による世界支配をかけた「原発3倍化」であり、核燃サイクルと核技術こそが日米パートナーシップの重要な柱になっているのだ。プルトニウムをあくまで保有したいがために原発廃止を霧消させた民主党政権の態度は、核と原発は帝国主義者にとっては同じ問題であり、核武装政策とフクシマの怒りの圧殺は切っても切れない関係にあることを示している。

核燃サイクル推進許すな

 岸田政権が昨年の原子力基本法改悪で原子力政策の推進を「国の責務」とし、60年超の老朽原発再稼働など原発・核燃サイクルを激しく加速させたのは、こうした日米安保同盟の転換と完全に一体である。軌を一にして司法は、各地の避難者訴訟などで「国の責任なし」とする反動判決を連発し、放射能汚染水を海に流し、避難者を強制執行で住宅から追い出し、老朽化による不具合が続発しようとも、原発を次々と再稼働させようとしている。今回のエネルギー基本計画の改定では、廃炉にした分だけ別の原発の増設を可能にし、増設ラッシュを狙う。
 そして、原発事故の犯罪者たる東京電力が、ついに柏崎刈羽原発の再稼働を宣言、新燃料の装塡(そうてん)を4月に完了した。それに伴い使用済み核燃料を青森・むつ中間貯蔵施設へ搬出することを狙っている。核燃料の搬入をもって、むつ中間貯蔵施設は「試験操業」を完了、本格稼働は7~9月と言われる。高速増殖炉もんじゅ廃炉や六ケ所再処理工場の26度目の完工延期などで破綻を深める核燃サイクルだが、中間貯蔵施設の本格稼働は、あらためて核燃サイクルを推進する岸田政権の踏み込みにほかならない。
 6月13日には、福島第一原発で働く労働者が心肺停止で死亡した。東電は「作業に起因した可能性は低い」などと責任を否定するが、防護服やマスクで厳重に覆われた原発労働者は、放射能の恐怖と熱中症で防護服の中に嘔吐(おうと)しながら働いている。死者が出ない方がおかしい職場環境だ。18日には福島第一原発6号機の使用済み核燃料プールの電源が遮断され、10時間にわたり冷却がストップする大事故も起きている。どれだけ死者が出ようが原子力政策を全力で推進する----これが岸田政権の本性だ。原発再稼働、核燃サイクル推進を絶対に許してはならない。

今こそ声上げ行動する時

 岸田政権打倒の最大の焦点は8・6ヒロシマだ。ヒロシマは暴処法弾圧に屈するのか。それとも反戦反核の声を世界に轟(とどろ)かせるのか。私たちの行動にすべてがかかっている。
 「あきらかに、《世界に知られているヒロシマ、ナガサキは、原爆の威力についてであり、原爆の被害の人間的悲惨についてでは》ない」(大江健三郎『ヒロシマ・ノート』)
 帝国主義とスターリン主義の戦後世界体制は、焼け野原の中から嵐のように巻き起こった世界中の民族解放闘争と戦後革命を圧殺して初めて成立したが、核の脅威なしには成り立たず、ヒロシマ・ナガサキこそその出発点であった。核はまさに労働者階級にこそ向けられた「威力」であり続けてきた。2014年に米オバマ大統領(当時)が、「ノルマンディー上陸作戦」70周年記念式典で原爆投下の映像に拍手をしたように、支配階級にとって8・6ヒロシマ、8・9ナガサキとは、まさに世界支配の「威力」たる核兵器を賛美する日なのである。最末期帝国主義は、最後の延命策たる新自由主義と共に音を立てて崩壊し、世界支配の維持・再編をかけた世界戦争を開始している。今、帝国主義者たちが再び核の「威力」を求めて「ガザを長崎・広島のように」と言い放ち、パレスチナ人民を虐殺し続けるイスラエルを招き、8・6を迎えようとする時、私たちは日常を過ごしていていいのだろうか。この暴挙に対し、立ち上がらなければならない。
 「『オイッ』と肩をたたいたら、ざらざらと戦友はくずれおちました」「いのちびろいした、とよろこんでいた人たちが、からだのあちこちに斑点が出たり頭の毛がぞっくりぬけ落ちたりして、だんだん死んでゆきました」(丸木位里・赤松俊子『ピカドン』)
 原爆の「威力」とは、人間的意味においては阿鼻叫喚(あびきょうかん)の地獄だった。「戦後79年」と言われる年月は、被爆者にとっては家族・親戚や友人を失いながら、内部被曝と健康被害の不安を抱え続ける時間である。ビキニ、チェルノブイリ、フクシマ----もうたくさんだ!
 「広島出身」の岸田首相が原発を一気に再稼働させ、中国へ原爆を投下しようと全速力で突き進んでいる。今ほど「ヒロシマ・ナガサキをくり返すな」と声を上げるべき時はない。被爆者を先頭としたこの誓いを行動へ、中国侵略戦争を構えるバイデン・岸田の打倒へ全力で立ち上がろう。一人ひとりが今人生をかけて行動に立ち上がれば、政治危機にある岸田政権を倒すことは可能だ。核による世界支配か、その世界的打倒か。暴処法弾圧が暴いたのは、このヒロシマをめぐる激突である。核戦争を止める歴史的な8・6ヒロシマへ、猛然と組織化に打って出よう。
〔吉井宗〕

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平和公園封鎖許すな 8・6原爆ドーム前へ!
7・15反戦反核デモ&東京集会
 7月15日(月)午後5時 デモ(高円寺中央公園)
 午後6時30分 集会(セシオン杉並3階)
 主催 改憲・戦争阻止!大行進 東京
   すべての原発いますぐなくそう全国会議(NAZEN)東京

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