戦時体制づくり進めるJR 廃線強行し労組解体狙う 7・14国鉄集会で反撃に立とう

週刊『前進』04頁(3351号02面01)(2024/07/01)


戦時体制づくり進めるJR
 廃線強行し労組解体狙う
 7・14国鉄集会で反撃に立とう


 国鉄闘争全国運動が呼びかける7・14集会は、階級的労働運動をよみがえらせる重要な闘いだ。戦時下での労働組合の基本的な任務は、反戦闘争を貫き、戦争動員に職場から総力で立ち向かうことにある。JR資本は労働者支配を戦時型に大転換する攻撃の先頭に立っている。国鉄分割・民営化以来、改憲を阻み続けてきた国鉄闘争を軸に、戦争を絶対に阻止し、戦争動員を打ち砕く労働者階級の総決起をつくり出そう。7・14国鉄集会に大結集しよう。

地方の交通全面切り捨て

 JRはローカル線廃止の攻撃をさらに強めている。芸備線の廃線に向けた「再構築協議会」の第1回幹事会が5月16日、非公開で開かれた。住民や労働組合を排除した密室の協議で、国土交通省とJR西日本は地元自治体に廃線をのませようと必死になっている。
 JR西日本は、芸備線に接続する木次(きすき)線についても廃線協議を沿線自治体に申し入れた。
 JR東日本も久留里線を突破口に全面的な廃線を狙っている。吾妻(あがつま)線も廃線協議の対象にされた。2022年8月の豪雨で不通となった米坂線の復旧は意図的に怠って廃線を狙い、同様に不通となった津軽線については、沿線自治体に廃線を受け入れさせた。
 先行して廃線が強行された北海道では、根室線の富良野―新得間が3月末に廃止された。JR北海道は、「当社単独では維持困難」とした8線区の存続について、3年以内に結論を出すことを改めて確認した。
 これに呼応し、廃線を具体化するため国交省に設けられた「地域の公共交通リ・デザイン実現会議」は、5月17日に「とりまとめ」を発表した。そこでは鉄道の廃止や地域からの路線バスの撤退は当然の前提にされている。その条件下で子どもや高齢者の交通手段を維持するために、スクールバスや介護施設への送迎用の車両、さらには郵便局の集配用車両も一般の利用に開放すべきだと、同会議は言う。国はもはや地方の面倒は見ないから、地方は自己責任で何とかしろということだ。国力の一切を戦争に集中し、地方の住民には「欲しがりません、勝つまでは」を押し付けてきたのだ。
 他方で、軍事輸送に必要な路線はどんなに赤字でも残す。防衛省とJR貨物は、中国侵略戦争のために九州と南西諸島に兵士や武器を送り込む計画を具体的に立てている。だからこそ、戦争に役立たない線区は全面的に廃止する攻撃が、急加速しているのだ。
 だがそれは労働者住民の激しい怒りを引き起こす。自治体首長を屈服させれば住民も諦めるという支配階級の思惑は、もはや通用しない。根底的な反撃がついに始まろうとしている。

スト絶滅し産業報国会化

 JRは、職場を戦時型に転換する攻撃でも最先頭に立っている。経団連が1月に出した「労使自治を軸とした労働法制に関する提言」は、JR東日本が始めた「労組なき社会」化を全社会に広げようとする企てだ。同提言は、資本と1企業1人の「社員代表」との「合意」で、全労働者の労働条件を決めてしまえと主張する。そのモデルはJR東日本が御用組合も解体してつくった「社友会」だ。
 JR東日本会長の深澤祐二は、「日本の労働法制は、労働組合をメーンに作られている」から「社友会の活動はなかなか苦労している」と述べた上で、「労組なき社会」化に踏み込んだ同社を「前人未到の地を歩んでいる」と自賛した。
 ここから、労働組合がないことを前提にした労働法制への抜本改悪を求める経団連の提言が出てきたのだ。社友会は労働組合ではないから団結権もストライキ権もない。資本による支配介入や不当労働行為という概念もない。社友会による職場支配は、産業報国会による翼賛体制と同じだ。

人口減少の危機が絶望的攻撃に

 これらの攻撃の根底には、労働力を再生産できなくなった資本主義の末期的な危機がある。人口減少は国鉄分割・民営化以来の新自由主義が社会を徹底的に破壊したことにより引き起こされた。この危機を資本主義は戦争で突破する以外にないが、それは危機をさらに深めるものになる。
 人口減少国では戦場に赴く兵士は絶対的に不足する。戦争にとって必要不可欠となる軍需生産の急拡大は、労働力不足に拍車をかけ、消費物資を高騰させる。この矛盾に締め上げられて、資本と岸田政権は24春闘で「賃上げ」を絶叫した。従来の延長では戦時への転換はできないからだ。戦争と戦時経済化に応じて労働力を再配置し、強労働させる攻撃が、「円滑な労働移動」「生産性向上」の名で行われようとしている。労働者にいくつもの仕事を掛け持ちさせるJRの「業務融合化」も、その先端にあったのだ。
 職場や産業で進む戦時体制づくりの先頭にJRが立っている。JR職場が再び激突点にせりあがった。この決戦に勝ち切る陣形を7・14国鉄集会で整えよう。7~8月反戦闘争を総力で闘い、11・3労働者集会6千人結集へ攻め上ろう。
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