渋谷―新宿大反戦デモを 米兵の少女暴行事件弾劾 沖縄の怒り共にし安保粉砕へ

週刊『前進』04頁(3351号01面01)(2024/07/01)


渋谷―新宿大反戦デモを
 米兵の少女暴行事件弾劾
 沖縄の怒り共にし安保粉砕へ


 6月23日の沖縄全戦没者追悼式で会場内外から岸田に怒号がたたきつけられたその翌々日の25日、米軍嘉手納基地所属の空軍兵士が昨年12月に沖縄県内に住む16歳未満の少女に性的暴行を加えた容疑で、那覇地検に起訴されていたことが発覚した。日本政府・外務省は起訴を把握しながら約3カ月にわたり事件の隠蔽(いんぺい)を図り、沖縄県側にも伝えていなかった。基地があるがゆえに幾度となく繰り返される凶悪犯罪の数々に、沖縄の怒りは臨界点を超えている。この怒りを心から共にし、本土―沖縄が一体となった反戦反基地闘争、米日の中国侵略戦争―世界戦争を阻む安保・沖縄闘争の巨大な爆発をかちとろう!

事件隠蔽した岸田許すな

 報道によると、米国籍の空軍兵長ブレノン・ワシントン(25)は、沖縄本島中部の公園で初対面の少女に声をかけ、車に乗せて誘拐し、基地外の自宅へ連れ込んで性的暴行を加えたとしてわいせつ目的誘拐と不同意性交の罪で今年3月27日付で起訴された。6月25日に同事件の初公判の期日が確定したことでマスコミが事件を把握し、26日付で報道、同日に嘉手納基地の第18航空団司令官のエバンス准将が事件を県に伝えた。米軍と日本政府は起訴から3カ月も事件を隠してきたのだ。5月沖縄県議選への影響を避けるための岸田政権によるあからさまな隠蔽であり、断じて許すことはできない。また被告の空軍兵長はすでに保釈されて米軍の保護下にあることも明らかになった。今回のような凶悪な性暴力事件で早期保釈は異例であり、これについても県民の怒りの声が噴出している。
 さらに、3月の起訴時には外務省の岡野正敬事務次官が駐日米大使エマニュエルと面会し、事件への「抗議」を伝えていたこともわかった。イスラエルの国籍も保有する生粋のシオニストであり、沖縄の基地負担についての見解を報道陣に問われた際には「負担ではなく責任だ。〔沖縄には〕自由で開かれたインド太平洋を守るための役目、責任がある」などと傲然(ごうぜん)と言い放ったエマニュエルは、3月の時点で米兵の凶悪犯罪の事実を把握しながら、5月には素知らぬ顔で石垣島・与那国島を米軍機で訪問し、自衛隊基地の視察などを行っていたのである。この恥知らずな卑劣漢こそが、ガザで人民虐殺を続けるイスラエル軍を賛美しながら、沖縄をはじめ日本全土を戦場化する中国侵略戦争の旗振り役を最先頭で担っているのだ。
 米軍人・軍属とその家族による犯罪は、沖縄が本土に「復帰」した1972年から2023年までの51年間で、沖縄県警が把握しただけでも6235件、そのうち殺人や強盗、強姦(ごうかん)などの凶悪犯罪は586件に上る。しかもこれは警察が事件として扱った件数にすぎず、米軍犯罪全体の「氷山の一角」だ。米軍当局はこうした事件が表沙汰になるたびに「綱紀粛正に努める」などと繰り返すが、人間の命も尊厳も何ら顧みない帝国主義戦争のための基地と軍隊、その駐留を保障する日米安保・地位協定がある限り、米軍犯罪は少しも減らないばかりか、米日帝国主義の中国侵略戦争への本格的突入下でますます激増しようとしているのだ。
 いま求められていることは、沖縄の怒りと固く連帯して、本土の労働者階級人民が安保・沖縄闘争に決起することだ。中国侵略戦争に向けた日米安保の「アップグレード」を進める岸田を巨万の反戦決起で打倒しよう。7・6渋谷―7・9新宿デモに立ち上がろう!

戦争阻む階級的大反撃を

 6月21日に実質閉会した通常国会では、重要経済安保情報保護・活用法、次期戦闘機開発の国際共同機関(GIGO=ジャイゴ)設置のための条約、政府が農家に罰則付きで増産などを求められるようにする食料供給困難事態対策法、自衛隊統合作戦司令部創設を柱とする自衛隊法改悪、国に地方自治体への「指示権」を与える地方自治法改悪、在日外国人の永住権剝奪(はくだつ)を拡大する入管法改悪など、戦時法が次々と成立した。岸田は野党の屈服・協力に助けられながら、これらの中国侵略戦争遂行のための国家大改造攻撃を凶暴に推し進めているが、労働者階級人民からなんの承認も支持も得られず、そればかりか激しい怒りの的になっている。闘いはこれからだ。
 6月末には、日米韓の陸・海・空・サイバーなどの複数領域での新たな共同訓練「フリーダムエッジ」が始まった。これに参加するため、22日に米原子力空母「セオドア・ルーズベルト」が韓国の釜山港に初めて寄港した。続いて7月8日には日本とフィリピンの外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)が予定されており、これまでオブザーバーとして参加していた米フィリピン合同軍事演習「バリカタン」に自衛隊が本格参加することが確認されようとしている。さらに岸田は9日から米ワシントンで行われる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席し、日米の「指揮統制の連携強化」をさらに具体化させようとしている。7月下旬にはフランス・ドイツ・スペイン空軍との合同演習を日本(茨城・百里基地と北海道・千歳基地)で行うことも発表した。
 日本帝国主義の延命をかけた戦争として、岸田は米バイデンと共に中国侵略戦争に突き進んでいるのだ。二度と戦争をさせないと誓った日本労働者階級の渾身(こんしん)の大反撃を、今こそたたきつけよう。

弾圧粉砕し闘い広げよう

 世界戦争情勢はますます激化・拡大している。
 イスラエル軍によるパレスチナ自治区ガザでのジェノサイドが続く中、イスラエル・ネタニヤフ首相はあくまでもこの虐殺戦争を継続しながら、レバノンの「ヒズボラ」との戦争に突入する構えも見せている。このイスラエルとそれを背後で支える米欧日帝国主義に対して、全世界で抗議闘争はますます激しく燃え広がっている。
 また6月13~15日のイタリア・プーリアでの主要7カ国首脳会議(G7サミット)を受け、欧州連合(EU)は24日、ロシアの液化天然ガス(LNG)などを標的に追加制裁を科すと発表した。中国に対しても電気自動車(EV)や半導体などを対象に米欧諸国の関税引き上げが次々と行われようとしている。
 帝国主義の延命をかけた中国侵略戦争―世界戦争の過程が全面的に始まり、中国・ロシアもこれに軍事的に対抗して世界戦争の過程をますます促進している中で、反帝国主義・反スターリン主義プロレタリア世界革命に向かって国際反戦闘争の巨大な爆発をかちとる以外に、この世界戦争の歯車をぶち壊すことはできない。その鍵を握っているのは日本における闘いだ。
 岸田政権は国会で戦時立法を強行しつつ、労働者階級人民の反戦闘争を国家暴力でたたきつぶそうと必死になっている。8・6広島暴処法弾圧と髙田暁典同志への再逮捕、全国金属機械労組港合同昌一金属支部への組織破壊攻撃、さらに「首都防衛」を掲げる小池百合子を先兵とした東京都知事選(関連記事3面)などがそうだ。これら一切を打ち破り、青年・学生を先頭に反戦闘争を拡大しよう。沖縄闘争を闘った大坂正明同志へのでっち上げ有罪判決を粉砕し、必ず奪還しよう。7・14国鉄闘争全国集会の成功をかちとり、反戦を貫く階級的労働運動のさらなる大発展へ意気高く闘おう!

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