世界戦争阻む大反戦闘争を 7・6渋谷―7・9新宿デモへ 岸田のNATO会議出席許すな

週刊『前進』04頁(3350号01面01)(2024/06/24)


世界戦争阻む大反戦闘争を
 7・6渋谷―7・9新宿デモへ
 岸田のNATO会議出席許すな


 国会で改悪入管法、改悪地方自治法など戦時立法を立て続けに成立させた岸田は、7月9日から行われる北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席し、ウクライナ戦争のさらなる継続・拡大、イスラエルによるパレスチナ自治区ガザでの虐殺戦争への加担、そして中国侵略戦争―世界戦争の策動を本格的に加速しようとしている。核戦争となることが確実な第3次世界大戦を、「始まる前に」絶対に阻止しなければならない。全学連と青年労働者を先頭に7・6渋谷―7・9新宿反戦デモに立とう。戦争を阻む階級的労働運動の大発展へ、7・14国鉄闘争全国集会の成功をかちとろう。8・6広島―8・9長崎闘争へ攻め上ろう!

G7、中国標的に戦争会議

 6月13~15日にイタリアで行われた主要7カ国首脳会議(G7サミット)は、昨年に続いてウクライナ・ゼレンスキーも参加し、ウクライナ戦争の全面的な拡大と中国侵略戦争―世界戦争を推し進める戦争会議となった(関連記事3面)。
 サミットでは、米欧日がウクライナ戦争に伴い凍結していたロシアの中央銀行などの資産約3千億㌦(約47兆円)をウクライナ支援に「活用」するための新たな基金の創設が合意された。米英などが借款の形で基金に資金を拠出してウクライナを支援するが、ウクライナに返済義務はなく、凍結資産から生じる運用収益を返済に回すというのだ。バイデンは500億㌦(7兆8千億円)を基金に拠出する意向を表明し、「今後10年にわたりウクライナの安全を確保する」との2国間協定をウクライナとの間で締結した。
 G7首脳声明は、ロシアはウクライナの損害を「賠償しなければならない」と明記し、ロシアが撤退し賠償を行うまで資産の凍結を続ける方針も確認した。今回のロシア凍結資産の「活用」は、G7がロシアを「敗戦国」として戦争賠償の取り立てを開始したに等しい。これに対し、ロシアは「必ず報復する」(ザハロワ外務省情報局長)と激しく反発した。
 さらに重大なことは、ロシアの事実上の「共犯者」として中国を名指しし、軍民両用資材のロシアへの移転停止を要求したことだ。加えて中国の金融機関を主な標的として、ロシアの軍需物資調達に関わっているとみられる金融機関はG7の金融ネットワークから締め出すことを打ち出し、ロシアを支援する国には「深刻な代償を支払わせる」と首脳声明に明記した。
 さらに、電気自動車(EV)製造で中国が多額の補助金や税優遇により「過剰生産を行っている」とやり玉に挙げ、「G7すべての国にとっての懸念事項である」と非難した。米帝をはじめとしたG7は、中国を世界経済を脅かす存在として大々的にキャンペーンし、関税の引き上げなどの対抗措置を強め、国際的な包囲網を築き上げようと必死になっているのだ。
 イタリアG7サミットを転換点に、米欧日帝国主義はロシア・中国との全面戦争―世界戦争に全人民を引きずり込もうとしている。これを絶対に許さず、中国侵略戦争阻止の反戦闘争のさらなる爆発をつくり出さなければならない。

米「台湾海峡を地獄絵に」

 日本帝国主義・岸田は、サミットで「今日のウクライナは明日の東アジアかもしれない」と繰り返し主張し、ロシア凍結資産活用基金への参画やウクライナ支援・協力に関する2国間文書への署名(NATO加盟国以外では日本が初)などを行った。また、中国国内企業を含めたロシアへの軍事転用可能物資提供に関与した疑いのある団体に新たな制裁を科す方針を表明し、G7の対中国制裁強化の旗振り役となった。
 岸田はこれに続き、7月9~11日に米ワシントンで行われるNATO首脳会議に出席し、28日には都内で日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)、翌29日には日米豪印(クアッド)外相会合を開催、日米安保同盟の「アップグレード」を図り、中国侵略戦争を日帝自身の戦争として遂行しようとしている。
 他方で、米インド太平洋軍司令官のパパロは6月10日付米紙ワシントン・ポストのインタビューに答え、「中国が台湾に侵攻した」場合の初期対応について「多数の機密装備を使い、台湾海峡を数千の無人兵器による地獄絵図(ヘルスケープ)にしたい」と語った。しかもパパロは、この「地獄絵図」とはあくまでも最初の1カ月間で中国軍に大損害を与えた場面にすぎず、この「時間稼ぎ」の間に態勢を整えた米軍の本格的な作戦が始まることをも示唆した。
 現実の戦争では、「地獄絵図」が台湾海峡洋上にとどまらず沖縄・九州―日本全土に広がることは不可避だ。しかも、米日帝国主義による中国侵略戦争は、人類を破滅へ導く巨大な核戦争として準備されている。NATO事務総長・ストルテンベルグはロシアや中国からの脅威の高まりを踏まえ、「核兵器を保管庫から出して配備する方向で協議している」(6月17日付英紙テレグラフ)と語った。さらに日米2プラス2では、4月の日米首脳会談で確認した米軍核戦力による「拡大抑止」が議論され、中距離ミサイルの日本やフィリピンへの配備をはじめ具体的な準備が進められようとしているのだ。
 今まさに、米帝を基軸とする帝国主義の延命とその世界支配の維持のために、核を使うことすらも辞さず、日帝を動員しNATO諸国をも引き込んだ中国侵略戦争が全面的に開始されようとしている。危機を深める中国スターリン主義も自らの延命をかけてこれに軍事的対抗を強め、世界戦争=核戦争の過程を促進している。帝国主義打倒、スターリン主義打倒のプロレタリア世界革命以外に人類の生きる道はない。

戦争阻止する労働運動を

 こうした中で、岸田政権は「国力」のすべてを戦争に集中させる国家改造攻撃を激しく推し進めている。その先頭に立っているのがJR東日本だ。JRは国家構想実現会議や経団連経営労働政策委員会など政財界の中心に座り、廃線化を焦点にした地方丸ごと切り捨て攻撃を推し進めている。
 動労千葉を先頭とする国鉄闘争は、日帝の戦争国家化を阻止する最先端の闘いだ。また民事再生法を使った港合同昌一金属支部に対する組織破壊攻撃は、「低生産性企業の淘汰(とうた)」などと言って中小企業の大規模整理を強行しようとする岸田政権との最大の激突点となっている。さらに日帝国家権力・京都地検は、労働争議の解決金の受け取りを「恐喝」とでっち上げて関西生コン支部組合員を不当逮捕した事件で、6月17日に湯川裕司委員長らに「懲役10年」の重刑を求刑した。絶対に許すことはできない。戦時下の労組破壊攻撃を粉砕し、関西生コン支部、港合同、動労千葉の3労組を軸に戦争を阻止する階級的労働運動の大発展をつくりだそう。
 政権崩壊の危機にあえぐ岸田の延命を支えているのは、中国侵略戦争と対決できない既成の野党勢力や連合中央の屈服と協力だ。16日の沖縄県議選は、玉城デニー知事を支持する県政与党=「オール沖縄」が議席の過半数を割る大敗となった。投票率は過去最低。「『辺野古』よりも自民党派閥の裏金問題」(14日付朝日新聞)などという態度で、戦争情勢にも米軍・自衛隊の配備強化にも対決しない勢力が、沖縄の怒りを結集できないのは当然だ。
 今こそ青年・学生を先頭に荒々しい実力闘争を復権させ、反戦デモとストライキをさらに拡大しよう。7・6渋谷―7・9新宿反戦デモに続き、7・14国鉄闘争全国集会の成功をかちとろう。今夏8・6広島―8・9長崎反戦反核闘争に全国から大結集しよう!

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