十亀弘史の革命コラム-18- 沖縄の軍事監獄化阻止を

週刊『前進』04頁(3349号04面03)(2024/06/17)


十亀弘史の革命コラム-18-
 沖縄の軍事監獄化阻止を

 1917年8月に、レーニンが次のように書いています。帝国主義戦争下で「国家による勤労大衆にたいする法外な抑圧は、ますます法外なものになっている。先進諸国は----その銃後のことを言うのだが----労働者にとって軍事監獄に変わりつつある」(『国家と革命』第1版序文)。これは第1次世界大戦下での指摘ですが、現在の日本の国家も、戦争とその準備のために、労働者民衆に「法外な抑圧」を加え、とりわけ沖縄を「軍事監獄」に変えようとしています。
 「軍事監獄」は言い過ぎではありません。例えば、清水早子さんが、宮古島に広がる「戦争の姿」を鋭く告発しています。また、影山あさ子・藤本幸久監督が、この5月20日に完成させた「琉球弧を戦場にするな」というドキュメント映像で、マスコミが伝えない、沖縄における「日米の軍事的一体化」の現状を鮮やかに暴露しています。
 16年に与那国島に陸上自衛隊の駐屯地がつくられてから、南西諸島に次々とミサイル基地や弾薬庫などが建設され、自衛隊や米軍の、そして日米共同の軍事訓練が間断なく続けられています。異様な重量感を持った迷彩色の戦争車両が連なって公道を走り、パラシュート降下訓練ではさとうきび畑に武装した米兵がばらばらと降り立っています。それらは全て、中国への侵略戦争を見据えての切迫感をもった戦争準備に外なりません。
 これに対して、それぞれの現地で住民が激しく抵抗しています。影山さんたちの映像にも、清水早子さんの鮮烈な抗議の声が何度も響き渡っています。岸田政権はそれらの抵抗をつぶそうと、常時の監視を強め、機動隊が闘う人々を排除しています。戦争と弾圧を一体化させた軍事監獄化です。
 私は参加できませんでしたが、今年の5・15沖縄闘争の3日間、とくに辺野古の座り込みで土砂搬入を実力阻止した闘いは、まさにこの軍事監獄化を正面から打ち砕く強烈な反撃となったと思います。
 レーニンは、最初の引用箇所のすぐ次の行に書いています。「長引いている戦争の前代未聞の恐ろしさと惨禍は、大衆の状態をたえがたいものにし、彼らの憤激を強めている。国際プロレタリア革命は、明らかに成長している」。この一文も今の世界情勢に、そのままぴたりと当てはまります。沖縄闘争はガザの虐殺を許さない闘いとも強く結びつき、世界革命の強固な一環をなしています。
(そがめ・ひろふみ)
2024.6.17

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