戦争のための「永住権はく奪」 入管法改悪絶対阻止を

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週刊『前進』04頁(3348号01面02)(2024/06/10)


戦争のための「永住権はく奪」
 入管法改悪絶対阻止を

(写真 「難民排除の改悪入管法施行阻止!」「永住権剥奪は戦争のためだ!」「中国侵略戦争を許さないぞ!」と訴えてデモ行進。沿道の外国人たちが声援を寄せた【6月3日 東京・数寄屋橋交差点】)


 6月3日夜、入管法改悪阻止を訴えて入管法と民族差別を撃つ全国実行委員会が緊急のデモを呼びかけた。難民を排除する改悪入管法が10日に全面施行されるのに加えて「永住権剝奪(はくだつ)」についての規定を盛り込んだ改悪案の審議も参議院で進んでいる。悪天候にもかかわらず学生や仕事帰りの労働者を先頭に70人が結集。霞が関―銀座の街に「入管法改悪を許さないぞ!」「永住権剝奪は戦争のためだ!」「国際連帯で戦争を止めよう!」のシュプレヒコールを響かせた。
 日比谷公園・霞門での打ち合わせでは、司会を務めた全国実の学生が、入管法改悪の狙いは、地方自治法改悪と同様に中国侵略戦争に向けた戦時体制の構築にあることを明確にした。そして、戦後革命の先頭に立ち、身をもって日本帝国主義の戦争犯罪を告発してきた在日朝鮮人・中国人を「永住権剝奪」の脅しで日帝に服従させようとする攻撃を弾劾。「分断を許さず、当事者とつながる闘いを」と訴え、戦争国会と対決する6・9大反戦デモへの結集を呼びかけた。
 続いて「牛久入管収容所問題を考える会」の田中喜美子さんが、牛久入管での長期収容者の状況を報告。「被収容者と団結し、国際連帯にかけて改悪入管法をぶっとばそう」とアピールした。一般合同労組さいたまユニオンの新井拓書記長は「岸田が中国戦争に突進する中で不可欠の柱をなすのが入管だ」とし、外国籍の組合員一家が仮放免では生きていけないために帰国を余儀なくされたこと、埼玉でクルド人へのヘイト攻撃が激化していることを怒りを込めて語った。
 デモ出発時には雨も小ぶりになり、学生を先頭とした勢いのある隊列が銀座を進み、沿道からの注目を集めた。デモ終了後、東京労組交流センターの小泉義秀さんが「入管法改悪攻撃と闘い、中国侵略戦争に突き進む岸田政権を倒そう」と訴えた。

在日中国人が国会で条項削除を要求

 すでに入管法改悪案は衆院を通過し、参院での成立が切迫している。あくまで「移民は認めない」と強調する岸田政権が進める「育成就労制度」は、外国人労働者を日本の労働力不足を補う労働力として扱う極悪の制度だ。まさに戦前戦中の強制連行・強制労働さながらの戦時労働力政策だ。
 さらに納税滞納や軽微な入管法違反での永住権取り消し拡大こそ、中国侵略戦争に向かう中で在日中国人が反戦闘争に立ち上がることを阻止しようとする予防反革命弾圧そのものだ。
 5月14日、在日華僑団体が連名で、永住権取り消し条項は「『永住者』の生活、人権を脅かす重大事案」であるとして是正を求める声明を発した。30日、参院法務委員会に参考人として出席した横浜華僑総会顧問の曽徳深さんは、「私は84年永住している」「条項の削除を強く求める」と訴えた。
 入管法改悪を許さない闘いは日本の労働者階級の正面課題であり、国際連帯をかけた大闘争だ。岸田政権打倒へ大反戦闘争を巻き起こそう!

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