宮古島から見える戦争 ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会 清水早子さんが講演
週刊『前進』04頁(3347号04面02)(2024/06/03)
宮古島から見える戦争
ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会
清水早子さんが講演
講演に立った清水さんは冒頭、「獄中の大坂さんも文字起こししたもの(講演内容)を読みたいそうですのでちょっとプレッシャーです」「星野さんのパンフレットを繰り返し読みながら、本当に国家によって殺されたのだと憤りを抑えることができませんでした」と大坂さん、星野さんへの思いを語った。「2015年に宮古島に陸自ミサイル基地を造ると告知され基地建設反対闘争が始まりました。大坂さんが不当逮捕された2017年に私たちは現場で基地建設工事反対運動を開始。そして2019年、星野さんが獄中で殺された年に宮古島のミサイル基地は運用が始まりました。宮古島の現状、その背景にどのような国の思惑があるのか、防衛戦略などを見ていこうと思います」と講演を始めた。
「宮古島は北緯24度にあるサンゴ礁の島です。平坦で山も川もない。川がないので生活排水も流れ出ませんので、サンゴ礁が美しく発達しています」と紹介した後、航空写真を映し出し、そこに展開する軍事関連施設や基地を次々と示しながら解説を進めた。中国の船が通るたびにNHKニュースになる宮古海峡。海上自衛隊は配備されていないが、海上保安部が海自の後方支援=軍事的行動をすると報道されている。
島の中央部にある野原(のばる)岳には航空自衛隊のレーダー基地があり、17年にはFPS7というものすごい電磁波を出す最新鋭レーダーにバージョンアップされた。その至近距離の所に今回、陸自ミサイル基地が建設されている。この基地と基地の間に50軒余りが暮らす野原集落がある。地域の祈りの場である御嶽(うたき)が基地の中に取り込まれ、埋めないと約束した泉も埋められた。その後に起こった陸自第8師団のヘリ墜落も島民は「御嶽のたたり」だと言っている。
清水さんが用意した200枚もの写真やデータが映し出したのは、恐るべき戦争準備の実態、監視・弾圧の強化、そして不屈に闘う島民の姿だった。
「宮古島には戦時中3万人の日本兵がいたため17カ所の慰安所が判明しています。私たちは少女たちの母国語で記念碑を建てました。地上戦こそありませんでしたが、飢餓の島になりました。マラリアになっても医薬品もなく、骨と皮になって死んだ島民、兵士が毎日焼かれていたという記録があります」と語った清水さんは、「沖縄に近づく戦争の姿が見えたでしょうか。戦争を止めるための行動を、民主主義も人権も平和も闘い取らなければならない時代に来ています」と結んだ。