5・25広島市民集会 戦時下の反戦運動弾圧許さない 集会での主な発言(要旨)

週刊『前進』04頁(3347号03面01)(2024/06/03)


5・25広島市民集会
 戦時下の反戦運動弾圧許さない
 集会での主な発言(要旨)

(写真 150人が結集し、世界戦争へ向けた8・6ヒロシマ暴処法弾圧を絶対に粉砕しようと決意を固めた【5月25日 広島市】)

●高山俊吉さん(弁護士/8・6ヒロシマ弾圧を許さない会呼びかけ人)

 権力が全体重をかけて戦争に反対する行動を弾圧してきた。それが8・6ヒロシマ暴処法弾圧の本質です。大坂正明さんの裁判の主任検察官が今年の4月1日をもって広島に赴任した。この人事に弾圧への彼らの意気込みが見える。
 南西諸島の状況は戦時下そのものです。アメリカの中国に対する戦争挑発はすさまじい。そしてアメリカこそが、ガザへのジェノサイドの中心です。その中で闘いが全世界化し、反戦運動も大きく高まっている。
 今から15年前、法政大学の学生に暴処法弾圧がかけられ、それは無罪になった。広島の弁護士会は広島市平和推進基本条例などに何度も反対の声明を出している。志を一つにして、みんなで勝ちましょう。

●端野真さん(8・6ヒロシマ暴処法弾圧裁判弁護団・主任弁護士)

 勾留理由開示公判をやるにあたって、私も暴処法がどういうものか調べました。元々、治安維持法とセットで制定されたもので、本来であれば戦後に日本国憲法のもとで廃止されるべきものだった。暴処法のそもそもの性格はしっかり述べて闘っていかなければいけないし、暴処法を前提としても絶対に無罪を勝ち取りたいと思っています。
 5人の方は全員、広島拘置所に勾留されています。大変な状況だけど、それぞれ目標をもって学習活動などに取り組まれています。長い闘いになると思いますがよろしくお願いします。

●中島健さん(反戦被爆者の会/8・6ヒロシマ大行動共同代表)

 元々、8月6日を「祈りの日」と求めたのは、朝鮮戦争反対の闘いを禁圧しようとした1950年の米占領軍です。広島市平和推進基本条例は「8月6日は世界平和の樹立の礎」とし、被爆者が平和のために身をささげたかのように言っている。これでは平和記念式典は「第2の靖国」です。
 被爆者に沈黙を強いる「厳粛な8月6日」攻撃を許すことはできません。被爆者の悔しさと怒りにふさわしい闘いの日としなければなりません。再びの戦争国家化を、被爆地ヒロシマから粉砕していくために共に闘いたいと思います。

●武谷新吾さん(全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部副委員長)

 この反戦運動弾圧を厳しく糾弾します。この弾圧は、反戦運動が広がったことへの弾圧だと思います。この集会の前にも関西から来た仲間で広島拘置所に激励行動をしてきました。無実は間違いないし、無罪判決をとれると思います。
 まだ5人を奪還できていないのは大きな課題です。「抗議行動をするから保釈しない」と権力は言っているそうです。連日連夜どんどん行動をして、そんなことを言わせないようにしていきましょう。「この弾圧は失敗だった」と権力に言わせましょう。

●冨山玲子さん(高槻医療福祉労働組合委員長/冨山小太郎さん家族)

 2月28日朝の7時に大勢の公安警察が自宅に来ました。夫の小太郎には最後に一言、「がんばってこい」と送り出しました。そして組合で共にかちとろうとしていた春闘ストライキを絶対に成功させてやろうと必死に闘い、ストライキは大成功しました。
 1カ月くらいはがむしゃらにがんばったのですけど、子育てしながら仕事も組合活動もやって疲弊してしまいました。いっしょに闘う仲間が私の生活支援をしてくれて、活動を続けることができています。職場の仲間も晩ご飯のおかずを作ってきてくれたりとか、支えてくれています。
 私と夫は、イラク・アフガニスタン戦争をきっかけに別々の場所で反戦運動に携わるようになりました。世界戦争が始まろうとしている中での弾圧に、屈するわけにはいきません。8・6暴処法弾圧を1日も早く粉砕しましょう。

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獄中の5人のメッセージ

■冨山小太郎さん

 広島市が、8月6日の原爆ドーム前広場の入場規制をしたのは許しがたいことですね。国家権力による反戦運動への露骨な介入であることは、誰が見ても明らかです。
 僕の取り調べ警察官であった上森が「警察はずっと前から広場を規制しろと言ってきた。広島市も今回の逮捕で対応するだろう」とうれしそうに言っていました。政治的意図を平然と言い放ち、それを誇らしげに語っていることに違和感すら感じない公安警察の姿は、すでに戦前の特高と何ら変わりません。ちなみに、この上森は飯山陽という右翼カルト・中東「研究者」のファンでした。さもありなん! 団結して闘いましょう。

■高田暁典さん

 核と戦争の問題の根本には資本主義の最高の発展段階としての帝国主義の問題があります。資本主義を打倒することで核と戦争をなくすことができるので、労働者階級の存在と闘いが決定的な役割を果たすこと、パレスチナの労働組合の呼びかけが世界中の労働者人民の決起を促しているように、帝国主義の世界支配、抑圧、侵略戦争を打ち破る闘いにおいても、労働者階級の闘いが決定的であることをはっきりさせることです。
 市民のスーパーパワーの中に労働者階級の存在と闘いが座れば、「ジェノサイド・ジョー」の世界戦略に打撃を与え、「核抑止論者」どもを打倒して、真に核と戦争をなくしていくことができるでしょう。

■西納岳史さん

 5月5日の激励行動、本当にありがとうございました。留置所の房の中でもはっきり聞こえました。比較的窓に近い部屋だったのでクリアに聞こえ、それぞれの「声の主」のことを想いながら聞きました。仲間がすぐそこまで来てくれていることを知り、勇気づけられました。
 起訴後も留置所での勾留が続き、拘置所も自分にとっては未知の体験である中で、ともすれば単調に、時間が早く経過するよう日々を過ごすような状況になっています。毎週の差し入れや激励行動、機関紙での闘いの報告が心の支えになっています。引き続き、団結してがんばっていきましょう。

■古郡陸さん

 沖縄―南西諸島が軍事要塞(ようさい)化されつつあります。軍隊は住民を守らない----これが沖縄戦の血の教訓です。沖縄を戦場にさせない! そうした闘いを沖縄―本土で巻き起こし、実現する力を私たちはつかんできたはずです。今年こそは沖縄現地に行こうと準備していた中で起訴されました。悔しい気持ちもありますが、自らを鍛えることもみなさんの実践と連帯することなのだと思いますので、がんばります。
 戦争が激しくなっている中で8・6広島弾圧が仕掛けられました。戦争やめろと訴える行動自体を罪とする、とんでもない政治弾圧です。しかしそれは、昨年のG7サミット粉砕闘争、8・6ヒロシマのデモなどがウクライナ戦争継続と対中戦争で利益をむさぼろうとする戦争屋どもに打撃を与えたことを示すものです。私たちの闘いは帝国主義の支配を崩す力を持っています。獄にぶち込まれても完黙・非転向を貫くあり方は、団結破壊、闘争沈静化という敵のもくろみを打ち砕いています。戦時弾圧を許さない闘いは、私たちの団結と運動をさらに強くするでしょう。みなさんの激励行動の声は、拘置所内にも届いています。私もみなさんの闘いに応えたい。弾圧を敵の墓穴に!

■松木誉明さん

 私たちは昨年8月6日、軍事費2倍化、敵基地攻撃能力を保有して中国侵略戦争に突き進み、G7の核を肯定する岸田首相の平和記念式典出席を弾劾しました。怒りの声は岸田首相を直撃しました。大打撃を受けた岸田は、右翼の妨害をはねかえしたスクラムを「広島市職員に暴行した」とでっち上げ、暴処法弾圧に出てきました。
 絶対に許さない。岸田を打倒する大反戦闘争をたたきつけてやりましょう。暴処法は治安維持法とともに、戦前、労働運動や農民運動を弾圧した治安弾圧法です。戦後も生き残り、国鉄5・27臨時大会弾圧、法大弾圧にもかけられましたが、共に無罪で勝利しています。今回も絶対に無罪で勝利しましょう!

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