地方自治法改悪粉砕を 狙いは自治体と労働者の戦争動員だ

週刊『前進』04頁(3347号02面02)(2024/06/03)


地方自治法改悪粉砕を
 狙いは自治体と労働者の戦争動員だ


 衆議院は5月末に地方自治法改悪案を可決し、参議院に送った。しかし日米安保を中国侵略戦争同盟に転換し、地方自治の解体と国家総動員体制づくりへ突進する岸田政権への怒りはいよいよ噴き出している。死の淵に立つのは岸田の側だ。朝日新聞は先週2回にわたって社説で改悪法案の「撤回」に言及し、さらに審議打ち切りに抗議した。戦争国会を直撃する6・9反戦大デモで自治法改悪案を実力粉砕し廃案に追い込もう。沖縄闘争の高揚を引き継ぎ、残り1週間を徹底的に闘って都心の大デモを実現しよう。

自衛隊が区役所を統制下に置く演習

 すでに全国の自治体で自治法改悪を先取りする恐るべき事態が進行している。自衛隊員募集のための住民名簿提供だけではない。自衛隊の部隊が「防災」を口実に戦闘服で市・区役所庁舎に入って業務の連携を確認したり、「対テロ・住民保護」を掲げて公共施設を制圧する軍民一体の演習が始まっているのだ。
 本紙既報の通り、3月11日、陸上自衛隊練馬駐屯地(東京都練馬区)の部隊が練馬・板橋・北区の各区役所に入り、区職員が屋上で駐屯地と交信する連携確認を行った。5月20日には同部隊が千代田・中央・港・品川・大田区の各区役所に立ち入る演習を行った。自衛隊による都心制圧・治安出動演習であるとともに、区役所庁舎を統制下に置き自治体労働者を戦時動員しようとする意図は明白だ。横須賀市内で2月に行われた演習では模擬銃を構えた自衛官や自動小銃で武装した警官が主会場の市立体育会館周辺を制圧。多数の自治体・医療・運輸労働者が動員された。
 自由法曹団は3月11日、自治法改悪に反対する声明で、自治体への統制強化の恐れとして、出動する自衛隊のために通行路を空ける措置や武力攻撃に備えて施設・住戸に防護措置を施す措置、自治体職員を市役所に配置させてミサイル攻撃に備える措置を講じるよう指示することなどが可能になることを挙げた。今まさに目の前で演習として進行している事態だ。自治法改悪が全国の自治体をいわば「住民のための自治体」から、国の戦争遂行の下部機関に根本から変える攻撃であることは明らかだ。

戦争動員に二度と協力しない闘いを

 自治体労働者にとっては「二度と赤紙(召集令状)を配らない」戦後の誓いの根幹を覆す事態だ。
 しかし自治労本部は5月27、28日の中央委員会で法改悪に反対方針を打ち出すことすら否定した。何のための労働組合なのか! 産業報国会へ急速に転落する連合・自治労本部を倒し、戦争絶対反対で闘う労働組合をよみがえらせよう。この力が戦争国家化を阻む。6・9大デモで自治法改悪を阻止・粉砕しよう。

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