5・28クレオ集会に集まろう 再びの中国侵略を許すな 今度こそ戦争阻む決起を 裁判員制度はいらない!大運動呼びかけ人/改憲・戦争阻止!大行進呼びかけ人/弁護士 高山俊吉さん

週刊『前進』04頁(3344号04面02)(2024/05/13)


5・28クレオ集会に集まろう
 再びの中国侵略を許すな
 今度こそ戦争阻む決起を
 裁判員制度はいらない!大運動呼びかけ人/改憲・戦争阻止!大行進呼びかけ人/弁護士 高山俊吉さん


 権力の頂点に立つ最高裁と法務省が裁判員裁判を「市民感覚の反映」と言い募ってから20年ほどが経過します。多くの労働者・市民は、その後に深刻化した戦争情勢を通して制度の本質は戦争国策に国民を動員する「現代の赤紙」であると理解しました。
 ウクライナ戦争に続いてイスラエルのガザ地区攻撃が始まり、7カ月も続いています。太平洋戦争、朝鮮戦争、ベトナム戦争と、幼少期から青年期にかけて私の意識の奥底に重く横たわっていた「戦争」が鬼の形相を見せて炸裂しました。
 岡真理さんは、命を賭した正義の抵抗者たちに「憎しみの連鎖を断て」と言うのは人倫の果ての暴挙を正当化するものと断じます。思いを同じくする仲間とともに東京のイスラエル大使館への抗議行動に参加した私は、大量殺戮(さつりく)者の番犬機動隊と衝突してその思いをあらためて深くしました。
 この国がウクライナ戦争に参戦当事国として名を連ね、イスラエルに連帯を表明した理由は何か。
 台湾有事を挙げて国民に「戦う覚悟」を求める、南西諸島を軍事要塞化する、地方自治法改悪に手をつける、在日米軍と自衛隊の指揮統制の連携を決定的に強める、腐臭を放つ醜悪自民党の総裁が首相在任中の改憲を叫ぶ。この国の政府は、ウクライナやイスラエルとの軍事協働に続く戦略目標に再びの中国侵略を置き、照準をそこに合わせた本格的な戦争準備態勢に入ったためだと考えます。
 2014年にJR東海会長(当時)の葛西敬之は、「そろそろどこかで戦争が起きてくれないと日本経済は立ちゆかなくなる」と発言しました。葛西は安倍晋三の知友であり、首相の私的諮問機関である安保法制懇談会の構成員でした。
 思い返せば、朝鮮戦争もベトナム戦争も法外な特需でこの国の大資本の利益を画歴史的に増やした戦争でした。戦争は、大量の弾薬兵器消耗、軍需物資の供与、破壊した社会資源の再構築、制圧した自然資源の奪取、対象国の政治経済支配による利権確保をもたらします。発言は、戦争がいかに「もうかる商売」かを熟知した者が端なくももらした本音でした。以来10年に及ぶ経済力のさらなる劣化を経て、この国の政府と大資本は今や自ら戦争の導火線に火をつける以外に体制延命の方途がないところに追い込まれたのです。
 「平和という言葉はいつも悲惨なる現実隠す白雪のごと」(朝日歌壇2月11日付)。「平和」とか「防衛・自衛」という言葉ほど危険な潜在的欺瞞(ぎまん)語はありません。「東洋平和」「自存自衛」をうたって2千万を超えるアジアの民衆を殺戮したのは日本の軍隊です。私たちには、例える言葉もない深い反省をもって今度という今度こそこの国の侵略戦争を阻止する歴史的責任があります。
 注意を要するのは、「反戦」を戦争一般の否定語として使うのは正しくないということです。戦闘の相手国に「撃ち方やめ」と言うのは自国の攻撃行動への屈服を求める「好戦運動」になり得ます。侵略戦争を開始した自国政府や侵略をもくろむ自国政府に「侵略戦争の準備をするな」「侵略戦争を直ちにやめよ」と要求することが、そしてそれだけが本当の反戦です。
 私も参加した昨年8月6日のヒロシマ反戦反核集会に関係して3月、検察は参加者5人を暴力行為等処罰法違反で起訴しました。これは、『はだしのゲン』を学習教材から削除した教育委員会、職員研修に「教育勅語」を引用した広島市長、8・6デモの規制要求請願を採択した市議会などと一体になって反戦運動を敵視する一大暴挙でした。
 侵略戦争を企てる者と、さかしらな欺瞞反戦を言う者に満腔の怒りをたたきつけよう! その思いが世界に広がることに深い確信を持とう! 私たちはいかなる絶望にも同調しない!

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今こそ、この戦争を見よ!
改憲を阻もう!
赤紙裁判員制度廃止5・28集会
5月28日(火)午後6時開場、6時30分開会
弁護士会館2階講堂クレオ
(東京メトロ丸の内線霞ケ関駅B1出口すぐ)
■講演 岡真理さん(早稲田大学文学学術院教授)
  「戦争さえなければよいのか/ガザのジェノ
  サイドと私たち」
■特別報告 沖縄と8・6広島弾圧の現場から
共催 憲法と人権の日弁連をめざす会
   裁判員制度はいらない!大運動

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