「沖縄はすでに戦時下」 神奈川・埼玉 清水早子さんが講演
「沖縄はすでに戦時下」
神奈川・埼玉
清水早子さんが講演
横浜市内で5月6日、改憲・戦争阻止!大行進神奈川が「沖縄と神奈川を結ぶ連帯の集い」を開催し、114人の仲間が集まった。「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」の清水早子さんが「宮古島での戦争準備に抗して―進む琉球弧の軍事要塞化―」と題して講演した。参加者は清水さんの「『新たな戦前』の生々しい現実どころか『沖縄はすでに戦時下』」という危機感と怒りあふれる訴えに聞き入り、沖縄と連帯し戦争阻止・基地撤去に立ち上がる決意を固めた。
清水さんは200枚の画像を使って基地化が宮古島全島で進んでいることを訴えた。住民はすでに戦場の中で生活しているという。
うそをついて鉱山跡地に建設を強行し、居住地域から200㍍しか離れていない3棟目の弾薬庫を建設中の陸上自衛隊保良(ぼら)訓練場が注目されているが、中部の千代田の宮古島駐屯地にはすでに地対艦ミサイル部隊、地対空ミサイル部隊が配備され、12式ミサイルの長射程化で中国本土まで射程に入る。
平良(ひらら)港はミサイル弾薬が搬入された民間港だが、米軍と海上自衛隊艦船の寄港が狙われている。伊良部長山港は石垣島と並んで海上保安庁の一大基地として最新鋭の巡視船が配備され、釣魚島(尖閣諸島)周辺の緊張を逆に高めている。さらに東岸の高野漁港周辺、下地島の渡口の浜などが米軍と陸自の上陸訓練場とされようとしている。下地島空港の軍事利用も攻防となっている。
陸自宮古島駐屯地には、音速の5倍で飛翔(ひしょう)し変則軌道を滑空する超音速滑空弾の2030年代の配備が狙われ、この超音速滑空弾を誘導する追跡管制局も建設されている。主管制局は神戸、常陸太田に置かれ、追跡管制局として恩納村、さらに種子島、久米島、宮古島、石垣島の離島に建設されている。
宮古島駐屯地は「神が下りる場所」とされる御嶽(うたき)を取り囲む形で建設され、これ自体が地域文化を冒涜(ぼうとく)するものだ。しかもこの御嶽の真ん前に、昨年4月の宮古島沖ヘリ墜落事故で死亡した10人の隊員を追悼して「黒鷹の勇士」と刻んだ慰霊碑まで設置している。
清水さんは、遠征前進基地作戦(EABO)の本質、「憲法で交戦権を認めるべき」と主張する糸数健一与那国町長の暴言、日米安保すら逸脱する沖縄本島北部訓練場での米軍訓練へのオランダ軍参加、さらに昨年5月の広島サミット反対デモと8・6広島集会への弾圧などに対する全面的な政治暴露と一体で琉球弧の軍事要塞化の現実を位置付け、その背景も含めて非常によく伝わる鮮明なお話をされた。
清水さんの「未来を失わないために、声を上げ、戦争を止める行動を」「民主主義・人権・平和は今、闘いとらなければならない」という訴えを、参加者全体の共通の決意にした。
さいたま市で反戦集会とデモを開催
5月5日、改憲・戦争阻止!大行進埼玉は4回目となる反戦デモを60人の参加で行った。今回は沖縄の「ミサイル基地いらない宮古島住民連絡会」の清水早子さんの講演を中心とした「沖縄とともに闘う埼玉反戦集会」とデモだ。
大行進埼玉の呼びかけ人でさいたまユニオン委員長の田畑典保さんの訴えに続いて、清水さんから戦場化・軍事要塞化が進む宮古島を始めとした琉球弧の現状と、それに反撃する闘いの報告を受けた。参加者から宮古島の闘いと連帯する決意と、無実の大坂正明さんを奪還する闘い、8・6広島暴処法弾圧を粉砕し5人の仲間を取り戻す訴えがされた。
春闘ストライキに立って組織拡大を勝ち取った動労連帯高崎、教育労働者、そして青年労働者からは5・15沖縄闘争に参加する決意が表明され、まとめで反戦・反基地闘争と岸田政権打倒の6・9全国集会・デモが訴えられた。
デモは連休中の多くの市民の注目を集めた。埼玉には陸自の司令部のある朝霞駐屯地と大宮駐屯地、空自入間基地がある。戦争を止めるため、沖縄の闘いと連帯して行動することを全体で決意した。