イスラエルがラファ検問所占拠 地上侵攻・大虐殺の強行許すな

週刊『前進』04頁(3344号02面03)(2024/05/13)


イスラエルがラファ検問所占拠
 地上侵攻・大虐殺の強行許すな


 パレスチナ自治区ガザで大虐殺を続けるイスラエルは5月7日、ガザとエジプトの境界にあるラファ検問所を占拠した。7カ月に及ぶ大虐殺の中で避難生活を強いられているパレスチナ人民の生命線を絶ち、約150万人が避難する南部ラファへの地上侵攻に今にも踏み切ろうとしているのだ。ラファ東部の住民への避難勧告からわずか1日で検問所の占拠を強行したイスラエルの狙いが、ラファにパレスチナ人民を閉じ込め皆殺しにすることにあるのは明白だ。

停戦要求一蹴し虐殺戦争を継続

 ネタニヤフは「(停戦)交渉が成立してもしなくても完全勝利を遂げるためラファに入る」と主張し、5日にはハマスが求めるガザでの戦闘終結やイスラエル軍の撤退について「受け入れるつもりはない」とする声明を発表した。ガラント国防相は7日、「ハマスの戦闘員が壊滅するか、ハマスが捕虜の1人を引き渡すまでラファでの作戦を続ける」と宣言した。
 ラファでは5日夜から6日未明にかけて少なくとも26人が虐殺されるなど、連日の空爆で死傷者が出続けている。8日には、ガザ東部ゼイトゥーン地区の集合住宅を爆撃し、7人を虐殺した。ネタニヤフの言う「完全勝利」とは、地球上からパレスチナ人民を一掃し、地図上から「パレスチナ」を抹消するということ=ジェノサイドにほかならない。

あくまで兵器の提供続ける米帝

 ラファ侵攻をめぐり、ブリンケン米国務長官は4月29日に「市民が傷つかないことを保証する計画がなければ支持できない」と注文をつけたが、同時に「イスラエルはハマスに対して非常に寛大な提案をしている。ガザの人々と停戦の間に立ちはだかっているのはハマスだけ」と事態をまったく転倒させて描き、大虐殺を続けるイスラエルを全面擁護してハマスに全責任を転嫁した。5月4日には、米政府がカタールに対し、ハマスが停戦に合意しなければカタールに拠点を置くハマスの政治指導部を追放するよう要求した。
 だが6日、ハマスはカタールとエジプトによる停戦の提案に合意したと発表、これに対しイスラエルの戦時内閣は「イスラエルの要求の核心的部分を満たすにはほど遠い」とし、ラファでの軍事作戦を継続することを宣言した。「停戦交渉」すら破壊して一方的に虐殺戦争を続けているのがイスラエルの側であることは今や明白だ。それにもかかわらず、バイデンは7日、米ホロコースト記念博物館の年次追悼式典で「イスラエルの存在・安全に対する私の献身は揺るがない」と演説し、イスラエル全面擁護をあらためて明言したのだ。
 パレスチナ人弁護士のラジ・スラーニさんは「ガザに降り注いでいる爆弾の多くは、米国から供給されたもの」「米国が何を言おうと、どんな外交的なスピーチをしようと関係ありません。国連安全保障理事会で停戦をめぐる決議に4回拒否権を行使し、さらに武器提供も続けているのです。彼らには、民間人が殺害されることを防ぐ意思がないのです」と激しく弾劾している(5月7日付朝日新聞)。
 パレスチナ人民からの訴えに応え、連帯闘争を全力で拡大しよう。イスラエルの虐殺を支える帝国主義の打倒へ、反戦闘争のさらなる爆発をかちとろう。

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