ガザ虐殺やめろパレスチナ解放を 全米で学生が大学占拠

週刊『前進』04頁(3343号03面01)(2024/05/06)


ガザ虐殺やめろパレスチナ解放を
 全米で学生が大学占拠

(写真 テキサス大学オースティン校では、占拠闘争に参加した学生たちが固くスクラムを組んで団結し、警官隊に立ち向かった【4月29日 オースティン市】)

(写真 コロンビア大学のキャンパスに設営されたガザ連帯キャンプ。横断幕には「あなたがこれを読んでいる間にも、ガザは血を流している」の文字【4月22日 ニューヨーク市】)


 全米で、ガザ大虐殺抗議・パレスチナ連帯を掲げる学生の闘いが拡大している。ベトナム反戦闘争をはるかに超える速度と規模だ。コロンビア大、ニューヨーク大やハーバード大、カリフォルニア大などで、2週間で1千人を超える逮捕や重武装した警官隊の暴行、大学当局による処分に一歩も引かず、陸続と学生が立ち上がっている。アメリカ帝国主義を打倒し、帝国主義の世界支配を覆すまでやむことのない闘いの始まりだ。
 「これ以上、授業料を大量虐殺に使うな」「爆弾で金もうけをするな」「私たちの世代でパレスチナ解放を」----イスラエル系企業に投資した大学基金の引き揚げを求める学生たちを突き動かすのは、イスラエルと共にジェノサイドを続ける米帝への根源的な怒りだ。そしてパレスチナ人民の不屈の闘いへの感動であり、自分たちも絶対に屈せず、連帯するという決意だ。10代・20代の学生たちは、パレスチナ人民の抑圧と虐殺の上に成り立つ「日常」を生きることを拒絶し、自らの解放もかけて闘いに立ち上がっている。闘いの爆発に圧倒されたバイデンは恥知らずにも「反ユダヤ主義的なデモ」と「パレスチナの人々に起きていることを理解しない人々」の双方を非難すると述べたが、学生・青年の怒りは他でもない「ジェノサイド・ジョー」=バイデン自身に向けられている。
 闘いの突破口を開いたニューヨーク市のコロンビア大では、4月17日から数百人の学生がイスラエルによるジェノサイド反対・ガザ連帯を掲げて構内の芝生を占拠。テントを張ってガザ連帯キャンプとした。

大量逮捕・処分をはね返し決起

 コロンビア大は特にシオニスト勢力が強く、多くの理事や教授がイスラエルの軍需産業などと結びついている。この敵の拠点から闘いが火を噴いたのだ。イスラエルの有力紙ハアレツは26日、「イスラエルはアメリカの大学を失った」と報じた。
 大学当局は18日、ついに警官隊を構内に突入させて108人を「建造物侵入」で逮捕させる暴挙に出た。さらに学生を停学処分にして大学や寮から排除した。だがこれは、むしろ新たに多くの学生が闘いに合流する結果を生んだ。30日には再び警官隊がホールを占拠していた学生ら約50人を拘束したが、この闘いの圧殺は絶対に不可能だ。
 10・7のガザ蜂起直後に各地の大学で開始されたパレスチナ連帯デモに対して、シオニスト勢力は暴力的に敵対し、参加者の個人情報をさらして「就職できなくなるぞ」と脅した。連邦議会もジェノサイド反対の闘いを「テロリズム」だと非難し、ハーバード大の学長は学生への弾圧が手ぬるいとして解任された。「左派」「若者の味方」と持ち上げられていた民主党内のバーニー・サンダースらのグループも大半が「ハマス非難」「イスラエルの自衛権」を叫んだ。
 だが、学生の闘いはさらに拡大し、多くの教職員も連帯して立ち上がった。ニューヨーク大では、学生が設営したキャンプを警察から守るために教員が人間の盾となった。警察は教員を全員逮捕したが、闘いはますます拡大している。

パレスチナ労組が連帯行動訴え

 カリフォルニア大デービス校、コーネル大などでは、全学生の投票で、永続的停戦、エルビット・システムズやボーイングなどの軍需産業に対する投資ボイコットなどを求める決議案が可決された。
 闘いは全世界に波及している。パリ政治学院やソルボンヌ大学でも占拠闘争が闘われ、ベルリンではイスラエルへの武器輸出停止を求めて国会前にキャンプが設営された。カナダやオーストラリアでも同様の闘争が始まっている。何よりパレスチナの人々への大きな激励となっている。
 アメリカの学生・労働者人民は半世紀に及ぶ大反動を食い破り、1960年代をはるかに超える階級闘争を切り開いた。停学・退学だけでなく狙撃兵や騎馬警官隊の弾圧に対しても命をかけて闘う姿に共感し、ますます多くの学生・労働者が決起している。革命情勢が、ついに帝国主義のど真ん中に現れたのだ。
 支配の危機に震えたバイデンは4月29日に停戦・和平交渉を打ち出さざるをえなくなったが、動揺しつつもイスラエルへの軍事支援を拡大している。どれだけ孤立しようとも、米帝にイスラエルを守る以外の選択肢はない。中東石油地帯を暴力的に抑え込む以外に自らの世界支配を維持できないからだ。パレスチナ解放闘争は、アメリカ革命―世界革命と不可分一体だ。
 こうした中で、5・1メーデーと15日の「ナクバ」(アラビア語で「大破局」。1948年5月14日のイスラエル「建国」に伴うパレスチナ人民への民族浄化)の日を前に、ガザ地区のパレスチナ労働組合総連合が全世界の労働組合に向けて呼びかけを発した。「ナクバは現在進行形の事態だ」とし、「パレスチナ人民への暴力への加担を拒否し、イスラエルの軍事占領とパレスチナ人労働者からの搾取を可能にする商取引や貿易の流れを断ち切る」闘いへの決起を訴えるものだ。職場やキャンパスから、この呼びかけに応える闘いを組織しよう。
 学生の闘いは帝国主義の世界支配を覆す力を持っている。何よりも、イスラエルを支援する岸田政権打倒の闘いの爆発こそがパレスチナ人民の決起に応え虐殺を終わらせる道だ。

このエントリーをはてなブックマークに追加