中国侵略戦争同盟粉砕を 4・28安保・沖縄闘争へ 岸田打倒の怒りのデモに立とう

週刊『前進』04頁(3340号01面01)(2024/04/15)


中国侵略戦争同盟粉砕を
 4・28安保・沖縄闘争へ
 岸田打倒の怒りのデモに立とう


 4月8~14日に岸田が国賓扱いで訪米し、10日に米大統領バイデンと首脳会談、翌11日に米議会の上下両院合同会議での演説と初の日米比3カ国首脳会談を行った。今回の訪米は、米日帝国主義による中国侵略戦争―世界戦争に向かっての決定的跳躍台であり、日米安保の中国侵略戦争遂行同盟への大転換を図る歴史的大攻撃だ。南西諸島をはじめ日本全土を戦場化する米日帝の戦争策動を断じて許すことはできない。4・28沖縄デー闘争、5・15沖縄闘争に総決起しよう!

日米同盟の根本的大転換

 10日の日米首脳会談を経て公表された共同声明は、その冒頭で「3年間を経て、日米同盟は前例のない高みに到達した」「わずか数年前には不可能と思われたような方法で、われわれの共同での能力を強化するために勇気ある措置を講じたためである」としてバイデン・岸田両政権の戦争政策を自画自賛し、対中国を念頭に日米関係を「グローバル・パートナー」と新たに位置づけた。続いて、この「パートナーシップ」の中核に位置するものこそ「日米安保条約に基づく2国間の防衛・安保協力であり、これはかつてなく強固だ」と確認。そして「南西諸島を含む地域における同盟の戦力態勢の最適化が進展していることを歓迎する」として、南西諸島の戦場化を前提とした戦争準備を進めてきたことを全面的に肯定し、今後もこれを推進することを宣言した。
 こうした確認の上で、共同声明では「いくつかの新しい戦略的イニシアチブ」と称する内容が打ち出されているが、それはまさに「1960年安保改定以来64年ぶりの日米安保同盟の最大のアップグレード」(英紙フィナンシャル・タイムズ)にほかならないものだ(3面に関連論文)。
 その最大の核心は「日米の指揮統制枠組みの見直し」と称して、在日米軍司令部(東京・横田基地)のもとでの米軍・自衛隊の統合運用への移行を確認したことである。24年度中に自衛隊の「統合作戦司令部」が創設されることに対応し、在日米軍司令部の機能と権限を強化、即応的に日米共同作戦を遂行できる指揮系統をつくり出すとともに、限りなく米軍・自衛隊の指揮系統を一体化するというものだ。今回の会談を経て、5月末の日米外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)でその具体策が協議される見通しとなった。
 米国際戦略問題研究所(CSIS)が4日に発表した「2024年の日米同盟----統合された同盟に向けて」と題する報告書(第6次アーミテージ・ナイレポート)では、中国との対決を念頭に「かつては軍事調整の正式なメカニズムがなくても同盟は効果を発揮できたが、今日ではそれはできない」として、「常設の統合2国間計画調整事務所の設立」を求め、「日本の常設統合司令部と在日米軍作戦司令部は、緊急事態時の切れ目ない連携を確保するために同じ場所に配置されるべき」と提言する。今回の日米会談で合意された「指揮統制枠組みの見直し」の内容は完全にこれに合致したものだ。
 日米政府は、米海兵隊の対中国の作戦=「遠征前進基地作戦(EABO)」を日米共同で遂行するための計画原案を完成させ、今年2月の日米共同統合図上演習「キーン・エッジ」で中国を初めて「仮想敵国」として明示した。米日帝はすでに中国侵略戦争を実行するための態勢を「詰める」段階に入っているのだ。

戦争遂行体制へ全面突入

 共同声明は、岸田政権が22年12月に安保3文書を改定し「反撃能力」と称する他国への攻撃手段の保有、軍事費の国内総生産(GDP)比2%への増額、自衛隊統合司令部の新設を進めていることを「歓迎」し、これらの取り組みは「日米の防衛関係をかつてないレベルに引き上げ、日米安保協力の新しい時代を切り開くこととなる」と確認。これを踏まえ、会談では「防衛装備品の共同生産体制の強化」「米軍大型艦船の日本での補修」「米軍による自衛隊施設および民間空港・港湾の利用促進」「宇宙開発・ミサイル防衛網構築での協力」「人工知能(AI)、量子、脱炭素(クリーンエネルギー)などの諸分野での連携強化」「半導体の開発および供給網の強化」など多岐にわたる新たな合意が行われた。
 さらに共同声明では、「台湾海峡の平和と安定の重要性」に再び言及し、「尖閣諸島」(釣魚島)への日米安保条約第5条の適用を再確認。そして「中国による力または威圧による一方的な現状変更の試み」と名指しで中国を非難し、日米同盟を軸に米英豪3カ国の軍事協力枠組み(AUKUS=オーカス)との連携や日米韓3カ国軍事協力を進めることを宣言した。また、沖縄・辺野古への米軍新基地建設を「普天間飛行場の継続的な使用を回避するための唯一の解決策」などと称してあくまでも強行することを確認した。
 さらに、米帝主導の対ロシア戦争を「ロシアのウクライナに対する残酷な侵略戦争」と一方的に非難したほか、「ハマス等によるテロ攻撃を改めて断固として非難し、国際法に従って自国及び自国民を守るイスラエルの権利を改めて確認する」として、イスラエルのガザ虐殺を「自衛権」の名で擁護した。事のついでとばかりに「ガザ地区の危機的な人道状況に深い懸念を表明する」などと付け足しながら!
 岸田は、こうした内容の訪米を「外交成果」と言いながら裏金問題も完全に居直り、地方自治法改悪や経済安保情報保護法案(9日に衆院通過)、食料安保関連法案、自衛隊の「統合司令部」「統合司令官」設置のための防衛省設置法改悪案(4日に審議入り)など、すべての反動政策を貫徹しようとしているのだ。

実力決起で戦争を阻め!

 バイデンと岸田は「日米同盟がインド太平洋地域の平和、安全及び繁栄の礎」などと称するが、ウクライナ戦争の激化・泥沼化、イスラエルによるガザ虐殺と中東での戦火の拡大、そして中国侵略戦争―世界戦争情勢のすべてを引き起こしている元凶は、アメリカをはじめとする帝国主義の危機にほかならない。帝国主義の政治・軍事・経済の全面にわたる危機と崩壊こそが2度の世界戦争を引き起こし、今また中国やロシアの反人民的な軍事的対抗をも餌食にしながら、3度目の世界戦争・核戦争を引き起こそうとしているのだ。
 この世界戦争を止められるのは、自国政府の戦争政策を実力で阻む労働者階級の国際的に団結した闘いだ。パレスチナ連帯闘争に立ち上がる中東・全世界の人民、中国侵略戦争に向けた軍事拠点化の攻撃と体を張って闘う沖縄の労働者人民と固く団結し、安保・沖縄闘争の巨大な爆発をかちとろう。
 8・6広島暴処法弾圧で不当逮捕・勾留されている5人の仲間の即時釈放へ、8・6ヒロシマ大行動実行委員会が呼びかける署名を広げ、大救援運動をつくりだそう。1971年11・14沖縄返還協定批准阻止の渋谷暴動闘争を闘い、「懲役20年」のでっち上げ極悪判決と不屈に闘う無実の大坂正明さん、迎賓館・横田爆取でっち上げ弾圧と闘う須賀武敏さんを絶対に取り戻そう。
 全国金属機械労組港合同・昌一金属支部つぶしを狙う民事再生法適用=倒産攻撃を絶対に許さず、闘う労働組合を守り抜こう。11月労働者集会を呼びかける3労組を中心に戦時下のストライキ・実力闘争を拡大しよう。青年労働者、新入生をはじめとする学生を先頭に、4~6月決戦に総決起しよう。改憲・戦争阻止!大行進が呼びかける4・28沖縄デー渋谷反戦デモに大結集し、「復帰」52年5・15沖縄現地闘争を闘おう!

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