日米首脳会談粉砕 中国侵略戦争同盟を許すな 4・9渋谷‒28沖縄デー闘争へ

週刊『前進』04頁(3339号01面01)(2024/04/08)


日米首脳会談粉砕
 中国侵略戦争同盟を許すな
 4・9渋谷‒28沖縄デー闘争へ


 日本帝国主義・岸田政権による中国侵略戦争―世界戦争への本格的参戦が、今や一線を越えて進もうとしている。4月10日の日米首脳会談は、日米安保同盟を新たな中国侵略戦争同盟へと大転換させ、沖縄をはじめ日本の社会全体を戦争に向かってつくりかえようとする歴史的な戦争会談になろうとしている。日米首脳会談粉砕!4・9渋谷デモから4・28沖縄デー闘争を全力で闘いぬき、岸田打倒・中国侵略戦争阻止の安保・沖縄闘争の爆発をかちとろう。8・6広島暴処法弾圧との闘いは、被爆者を先頭に、日帝の中国侵略戦争―世界戦争参戦と新たな核戦争を許すのか否かをかけた歴史的闘いである。戦時下の弾圧を打ち破り、反戦闘争のさらなる拡大と5人の即時奪還をかちとろう!

対中戦争突入体制を構築

 日米首脳会談では、①米軍・自衛隊の「指揮統制」の連携強化、②在日米軍司令部の機能強化、③防衛装備品の日米共同生産体制の強化、④先端技術や半導体供給での連携、⑤米軍大型艦船(第7艦隊所属の空母、ミサイル駆逐艦など)の大規模な補修を日本企業が国内で行うことなどが協議され、共同声明に盛り込まれる見通しとなった。
 日米の指揮統制の連携強化について、岸田は国会で「自衛隊と米軍はそれぞれ独立した指揮系統に従って行動する。日米一体で軍事介入することにはならない」と答弁するが、実際には「(自衛隊は)米軍の圧倒的な監視・偵察能力、装備に頼らざるを得ず、独立した指揮系統では日本は動けない」と自衛隊幹部も認めている(3月28日付朝日新聞)。また米有力シンクタンク・戦略国際問題研究所(CSIS)のジョンストン日本部長は、敵基地攻撃能力を保持した日本は「米国にとって真の軍事的パートナー」であり、「有事には日米共同で攻撃を行う。そのための司令部の存在が求められる」と強調。さらに「司令部を部分的にも共同配置すれば、日米同盟は『今夜でも戦う』(ファイト・トゥナイト)という米韓連合司令部のモットーにより近づくだろう」とあけすけに語った。
 3月25~29日には、米海軍横須賀基地で巡航ミサイル・トマホーク導入に向けた海上自衛隊への教育訓練が行われ、海上幕僚長・酒井良は「トマホークで日米連携攻撃も可能」「実施するかどうかはその時の戦術判断による」と述べた。米軍の指揮統制下に自衛隊をも動員した日米共同作戦による中国へのミサイル攻撃が、具体的に想定されていることは明らかだ。加えて4月3日には、米太平洋陸軍司令官・フリン陸軍大将が地上配備型中距離ミサイルの新型発射装置を年内にアジア太平洋地域に配備することを発表した。
 一方で岸田は訪米を前に「裏金問題」の幕引きを急ぎ、関係議員39人の処分を発表したが、こんなものは自民党内部での処分にすぎず、しかも会計責任者が立件された岸田本人や、「裏金」が最も多かった二階俊博元幹事長は処分の対象から除外した。安倍派一部幹部への「最も重い処分」などと言われるものも、いつでも復党が可能な「離党勧告」でしかない。そもそも自民党の「裏金づくり」は安倍政権以来の軍需産業育成と一体で進んできたが、岸田はこれをさらに強化しようとしている。日米会談では「防衛装備品の日米共同生産体制の強化」に向け協議体が設置される見通しとなった。日本企業によるミサイルや砲弾などの部品の増産・輸出が推し進められようとしているのだ。

戦場化を前提に参戦準備

 私たちの目の前で開始されている世界戦争の根本原因は、歴史的没落を開始したアメリカ帝国主義が、自らの世界支配を維持するために中国スターリン主義を転覆させる侵略戦争に踏み切っていることにある。この米帝の中国侵略戦争突入こそがウクライナ、中東での戦争を激化・拡大させている元凶だ。
 米バイデンは「ガザの人道状況への懸念」などとペテン的に表明しながら、イスラエルに対しF15戦闘機25機、大型爆弾2300発以上を含む総額180億㌦(約2兆7千億円)もの武器売却を検討していることが報じられている。イスラエルは避難民150万人が密集するガザ最南部ラファへの全面侵攻を5月にも開始するとしており、バイデンの軍事支援はこれを全面的に支えるものだ。これと一体で、共和党の下院議員はイスラエル軍のガザ侵攻について「ナガサキやヒロシマのようにやるべきだ」と大暴言を吐いている。
 このように米帝が世界戦争・核戦争情勢を果てしなく激化させる中、これに対応して参戦体制づくりを急いでいるのが日帝・岸田政権だ。国家安全保障戦略に基づき、岸田政権は4月1日、平時から自衛隊や海上保安庁が使用可能な「特定利用空港・港湾」に那覇空港や石垣港をはじめ7道県16施設を指定した。先立つ3月29日には、沖縄県先島諸島の5市町村(石垣市、宮古島市、与那国町、竹富町、多良間村)に「ミサイル攻撃から一時避難するシェルター」を整備する方針を発表した。沖縄の戦場化を前提にした中国侵略戦争の具体的準備が次々と進められているのだ。
 だが今回の「特定利用空港・港湾」数は、地元自治体の合意が得られなかったため当初の予定の半数にとどまった。岸田はこの状況を打開するために、「有事」に際して国が自治体に指示を出し、自治体は国の指示に従う法的義務を負うことを盛り込んだ地方自治法改悪案を今国会で強行しようとしているのだ。自治体労働者を先頭に、4・13新宿デモをはじめ地方自治法改悪絶対阻止の闘いに立ち上がろう。
 沖縄―本土を貫く「米軍基地撤去=中国侵略戦争阻止、安保粉砕・日帝打倒」の闘いを巨大につくり出し、4・28沖縄デー渋谷闘争で1000人の実力デモをかちとろう。

弾圧粉砕し反戦決起を!

 日帝の中国侵略戦争参戦は、労働者階級に対する最大の階級的攻撃であり階級戦争だ。
 岸田・経団連・連合が叫ぶ「賃上げ」は、戦争に向かって階級闘争を絶滅し、労資一体の産業報国会化を全面的に貫徹しようとする攻撃だ。岸田政権は「安全保障と経済成長の好循環をつくりだす」と主張し、今春闘で「満額回答」を発表した三菱重工業、IHI、日立製作所、NEC、NTTなどは経営の軸を軍需産業へとシフトし始めている。その一方で、多数の労働者の実質賃下げが続き、また地方鉄道の廃線化や、医療・介護・福祉、教育の切り捨てなどが一線を超えて進んでいる。
 3月の動労千葉の反戦春闘ストライキは、この攻撃と真正面から対決し、労働運動全体・労働者階級全体の未来をかけて敢行された。さらに全国のあらゆる職場で反戦春闘が労働者の実力決起として闘い抜かれた。民事再生法適用による倒産攻撃との闘争に入った全国金属機械労組港合同・昌一金属支部は、新たなスポンサー企業による国鉄分割・民営化型の組合員選別解雇=労組破壊攻撃に抗して反撃に立っている。
 反戦反核闘争つぶしを狙う8・6暴処法弾圧、そして階級的労働運動の先頭に立つ11月労働者集会呼びかけ3労組への組織破壊攻撃は、中国侵略戦争突入に向けた階級闘争絶滅攻撃だ。だが国家権力の弾圧は労働者を打ち鍛え、弾圧を恐れず闘う労働者の新たな決起を生み出している。労働者階級が資本・権力の大反動を打ち破って進むとき、闘いの展望は必ず切り開かれる。弾圧を粉砕し、3労組の闘いを全力で守り抜き、反戦闘争の大衆的・実力闘争的な爆発をかちとろう。
 4・9日米首脳会談粉砕渋谷デモ、4・28沖縄デー闘争、5・15沖縄現地闘争(5月18~20日)を闘い抜き、青年労働者・学生を先頭に4~6月の大決戦の巨大な爆発を切り開こう。

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