動労千葉が48時間スト貫徹 戦時国家体制と対決し反戦春闘
動労千葉が48時間スト貫徹
戦時国家体制と対決し反戦春闘
鉄道崩壊に大反撃
動労千葉は3月15〜16日、48時間のストライキを貫徹した。これは3月16日のJRダイヤ改定への反撃であり、岸田政権による中国侵略戦争への突進と対決して、労働運動の変革をめざす渾身(こんしん)の決起だった。
今春闘は岸田政権と財界が「賃上げ」を連呼する異様な事態の中にある。岸田は日本資本主義崩壊の危機感にかられ、「賃上げ」と一層の雇用・賃金破壊を同時に叫んでいる。それは5年で43兆円の大軍拡―安保3文書改定と一体の攻撃だ。「国力としての防衛力」「安全保障と経済成長の好循環」の名のもとに、戦時国家体制への転換が急速に進んでいる。「春闘解体」という次元を超え、日本労働者階級と労働運動は歴史的岐路に立ったのだ。
労働者人民の抑えがたい怒りが、戦争翼賛勢力と化した連合の制動を打ち破って燃え上がろうとしているその時に、動労千葉は「反戦春闘」を真っ向から掲げて立ち上がった。それは国際反戦闘争として闘われた昨年11月労働者集会の成功を引き継ぐ、全労働者人民への熱い訴えだ。
JRダイヤ改定で、千葉支社管内では運転士や車掌が所属する運輸区はすべて廃止され、複数の駅に統合されて「統括センター」になった。労働者があらゆる仕事に使い回され、様々な専門分野の技術力の養成や継承は放棄されて、重大事故が激発している。ダイ改で千葉支社では53人もの乗務員が削減された。JR発足以来、最大の要員合理化だ。運転士の乗務行路は長大化し、労働強化はすさまじい。運行中の列車の故障に対応する検査派出が、上総一ノ宮では廃止され木更津では縮小された。
激しい攻撃の中で、JRでは若年退職が急増している。特に下請けのグループ会社では、あまりの低賃金ゆえに退職者が後を絶たない。鉄道が運行できなくなるときが迫っている。
赤字を口実とするローカル線の廃線は、「国力」の一切を戦争に動員する国家改造攻撃であり、棄民政策に他ならない。他方、軍事輸送に不可欠な路線は、どんなに赤字でも防衛省の要請で残す。これへの怒りは各地で燃え広がっている。
JRがダイ改で京葉線の快速列車廃止を強行しようとしたことに、沿線住民や自治体から「生命維持装置を外されるに等しい」という激しい怒りの声が上がった。その背景には、列車の基本的な操配ができなくなったJRの技術崩壊がある。国鉄分割・民営化はついに鉄道崩壊に行き着いたのだ。JRはその危機を「労組なき社会」化や戦争政策との一体化で乗り切ろうとしている。
動労千葉のストライキは、鉄道の歴史を覆す大攻撃に対する、断固たる反撃の宣言でもあった。
スト突入の15日早朝、動労千葉は幕張車両センター社員通用口前で、職場の仲間と乗客にストの意義を訴える宣伝行動を展開した。昼にはJR千葉支社前で抗議行動に立った。出退勤する労働者は笑顔で応え、手を振ってストへの共感を表した。
各地からスト報告
16日昼、千葉市民会館でスト貫徹動労千葉総決起集会が開かれ、組合員と支援230人が集まった。
三里塚芝山連合空港反対同盟、戦争・改憲阻止!大行進、久留里線と地域を守る会、動労千葉を支援する会が連帯あいさつをした。
関道利委員長が基調報告で、今回のストは戦時下の闘いだと強調した。30年間も賃金を下げ続けた資本の攻撃は、防衛増税もできないほど労働者を痛めつけた。岸田と財界が叫ぶ賃上げは、そこまで深まった危機への悲鳴だ。他方、全港湾が石垣港でストに立つなど、日本の労働運動は転機を迎えた。関委員長は、国鉄分割・民営化と対決してきた動労千葉が、その時にストを貫徹していることの歴史的な意義を力説した。
スト激励の団結卵を関委員長に手渡した婦人民主クラブ全国協議会は、相模更生会従業員組合のストライキについて報告した。
JR東日本、JR貨物、千葉鉄道サービスとの交渉報告を執行部が行い、各支部代表がストを貫徹する闘志を熱くたぎらせた。
動労総連合水戸が15日のストの報告を行い、春闘ストを闘う群馬合同労組などが発言、全学連は反戦闘争の先頭に立つと表明した。
渡辺剛史書記長が集会をまとめ、このストを動労千葉の組織拡大と労働運動再生につなげようと訴えた。
集会に先立ち、動労千葉を支援する会は千葉駅前でスト支援の街頭宣伝を行った。京葉線の快速廃止反対の声や、ストに関心があるという高校生の声など、多くの反応が寄せられた。