世界戦争阻む巨大なデモを 全学連から新入生の皆さんへ 全学連委員長 赤嶺知晃さん(沖縄大学)
世界戦争阻む巨大なデモを
全学連から新入生の皆さんへ
全学連委員長 赤嶺知晃さん(沖縄大学)
新入生のみなさん、そして「前進」読者のみなさん! 私たちの目の前で世界戦争が始まっています。ウクライナ、パレスチナでは戦争が激化・泥沼化の一途をたどっています。米日帝国主義は「中国が攻めてくる」と大キャンペーンを張りながら、中国への侵略戦争に突入しています。そんな中、昨年8月6日に原爆ドーム前で反戦集会を開いたことを理由に参加者5人が逮捕・起訴されるという、とんでもない政治弾圧が行われています。第2次世界大戦をはるかに超えるような事態が、私たちの生きる時代に繰り返されようとしています。これを止められるかどうかの一切は私たちの行動にかかっています。全世界で立ち上がっている学生・青年たちと共に、世界戦争を阻止する巨大なデモを日本でも巻き起こしましょう!
戦争の元凶を断て!
この数年、私たちはニュースやSNSで嫌と言うほど戦争の現実を目にしてきたと思います。3年目に突入したウクライナ戦争は、ウクライナ・ロシア両国の死傷者が50万人を超えたと言われ、またパレスチナ自治区ガザで殺された子どもの数は最近4年間に世界の紛争地で亡くなった子どもの総数を上回ったと言われています。こんな戦争は一日でも早く終わってほしい----それが日々感じている思いではないでしょうか。
しかし、この戦争を激化・泥沼化させ、さらには世界戦争へと拡大させようとしている連中が、この世界にはいるのです。今年1月まで在沖米軍トップを務めたジェームズ・ビアマン中将は、「われわれはウクライナで大きな成功を収めた。2014年以来、米軍が『舞台づくり』をしてきたからだ」と自画自賛し、「今は中国との戦争に備えて日本と準備を進めている」とあけすけに語りました。これが米バイデン政権の「ロシアを抑えつけ、中国を打ち負かす」という国家戦略に沿った米軍の戦略です。このためにウクライナは戦場にされ、そこに暮らす人々の命が今も使い捨てにされているのです。
アメリカ帝国主義は、2008年リーマン・ショック以来の経済的・政治的破綻から全く抜け出せず、その間に中国が世界第2位の大国として台頭しました。世界の覇権争いで中国にどんどん追い上げられる中、今や軍事的手段を使ってでも中国をたたくしかない、という衝動が米支配階級の中に強まっています。
また、米国内では黒人差別撤廃を求めるBLM運動や女性差別に反対する運動の拡大、ストライキの空前の高揚といった形で、社会の根底的変革を求める民衆の行動が広がっています。同時に、前大統領トランプを頭目とする差別主義・排外主義をむき出しにした勢力も台頭し、連邦議会を襲撃して「民主主義の国アメリカ」という装いを自ら破壊するまでに至りました。現状に対する人々の不満と憤激が高まる中、これを「外」にそらすためにも、米支配階級は中国への敵意と排外主義をあおって戦争に突き進んでいくしかない。これが現在の世界情勢を根本で規定する要因なのです。
沖縄を戦場にするな
日本の岸田政権もまた、金権腐敗を始めとする政治危機が露呈し、また労働者を低賃金・不安定雇用にたたき込みながら株価だけがバブル的に膨れ上がるといった経済危機も深まる中で、ますます戦争に前のめりになっています。ウクライナ戦争への参戦、ガザで虐殺を続けるイスラエルへの加担、さらには空前の大軍拡、殺傷兵器の輸出解禁、日米共同軍事演習の激増、自衛隊ミサイル部隊の大量配備など、中国との戦争をリアルに想定した動きを加速させています。
すでに米戦略国際問題研究所(CSIS)をはじめとしたアメリカの複数の有力シンクタンクが、米中戦争では「日本こそが要である」との結論を繰り返し発表しています。その最前線に位置づけられるのが沖縄です。今年1月、岸田政権は辺野古新基地建設のための大浦湾埋め立てを、沖縄県民の抗議の声を踏みにじって強行しました。
米日が進める沖縄の軍備増強は、けっして「沖縄県民を守るため」ではありません。CSISの報告書は「中国との戦争は第2次世界大戦後に米国が経験してきた地域紛争や対ゲリラ戦争とは根本的に異なり、近年にない死傷者が出る」として、「重大な死傷者に直面しても作戦を継続する必要性を認識せよ」と明記しています。沖縄が再び血みどろの戦場となり、膨大な数の住民が命を落とすことも承知の上で、あくまで侵略戦争を貫徹し、中国を「打ち負かす」ことを求めているのです。こんなことを進める連中は打倒する以外にありません!
闘って世界変えよう
学生が反戦デモに立ち上がり、反戦闘争の先頭に立つ----ここに世界戦争を止める展望があります。
資本主義社会では、一人ひとりの労働者・学生は、社会を変える力など持たないちっぽけな存在であるかのように描かれます。「政治に関われるのは数年に1度の投票だけ」「デモなんて意味がない」というような論調もあります。しかし、歴史の事実はそうではないことを示しています。
戦争を止める革命的な大衆行動は、いつも労働者民衆のデモから始まりました。1917年、第1次世界大戦中に労働者が決起し、戦争を終わらせたロシア革命は女性労働者の反戦デモから始まり、「パン、土地、平和」をスローガンに掲げて勝利しました。食べる物も、農民の求める農地も、平和も実現できない社会であれば革命するしかない。この精神が今の時代に最も必要です。
戦争反対の闘いは自国政府・帝国主義による戦争行為を止めることが核心です。それは国家・国策と闘うことであり、本気で闘えば必ず政治弾圧との闘いになります。ウクライナやロシアで、あるいはパレスチナと連帯してデモをすることが戦争当事国や欧米では違法だとされています。この本質は世界共通です。そうした中でも断固として戦争反対の声を上げて行動してきたのが私たち全学連です。弾圧は見せしめにほかなりません。これへの回答は弾圧された仲間を見捨てずに共に闘い抜くことであり、さらに巨大な反戦デモを実現することです。8・6広島暴処法弾圧も全国大学で学生にかけられている不当処分も、本質は同じです。何より1971年の沖縄全島ゼネストと連帯し、渋谷暴動闘争を闘った大坂正明さんを獄中から取り戻しましょう!
最後にあらためて4・28沖縄デー闘争、5・15沖縄現地闘争に全国学生は大結集し、戦争反対のデモに立ち上がることを訴えます! 新入生の皆さんとデモの現場でお会いできることを楽しみにしています!