8・6広島闘争弾圧に大反撃を

週刊『前進』04頁(3335号03面01)(2024/03/11)


8・6広島闘争弾圧に大反撃を

(写真 昨年8月6日早朝、権力・右翼の妨害を粉砕し、原爆ドーム前大集会を被爆者・2世・3世を先頭に意気高く闘い取った)


 8・6広島反戦反核闘争つぶしの弾圧に対する大反撃が各地で始まった。被爆者を先頭とした緊急抗議声明が発せられた。8・6ヒロシマ大行動実行委員会は広島市議会決議への抗議声明を出した。組合員が逮捕された八尾北医療センター労働組合も声明を発した。三つの声明を紹介します。(編集局)

緊急抗議声明

反戦反核つぶしの8・6弾圧に抗議し不当逮捕された5人の即時釈放を求めます
 2月28日、昨年8月6日に原爆ドーム前で開かれた反戦反核集会の主催者である「8・6ヒロシマ大行動実行委員会」の事務所、集会参加者に関連する東京、神奈川、大阪、福岡、沖縄など全国8都府県14カ所に対する一斉家宅捜索が行われ、東京と大阪で5人が逮捕されました。私たちはこの戦前を思わせる弾圧に抗議し、5人の釈放を求めます。
 いま岸田政権の下で、台湾海峡―琉球弧における中国との戦争を想定した、軍事費2倍化の大軍拡、沖縄・琉球弧の島々の軍事要塞(ようさい)化・ミサイル基地化、九州、岩国をはじめ日本全土での自衛隊・米軍基地の強化が進められ、軍事演習や住民・生徒を動員してのミサイル避難訓練などが頻繁に行われています。広島では、核抑止力を肯定したG7サミット開催と一体で、『はだしのゲン』の学校教材からの排除や市職員研修での「教育勅語」使用が行われ、2月27日には市議会で、原爆の日に平和公園・原爆ドーム前周辺で反戦反核をアピールする集会を事実上「禁止」する「請願」が賛成多数で採択されました。こうした状況の中で今回の一斉家宅捜索と5人の逮捕が行われたのです。原爆の日に被爆者・2世・3世らの呼びかけで原爆ドーム前に集まり、反戦反核の声を上げたら逮捕される、これこそまさしく「新たな戦前」です。
 今回の弾圧に使われている「暴力行為等処罰法(暴処法)」は、戦前から労働運動などの社会運動を「暴力行為等」としてつぶすことに使われてきた大悪法です。今回の弾圧では集会を妨害する右翼と主催者の間に入った市職員が「尻餅」をついたことが「暴力行為」にでっち上げられたのです。市職員には「けが」もなく、当日の集会は何の問題もなく行われました。それが今になって「犯罪」とされ、全国一斉捜索と逮捕まで行われたのは、戦争情勢での明らかな政治的弾圧です。
 ウクライナ、パレスチナ・ガザで戦争が激化し、米中の対立が深まり、世界戦争・核戦争の危機が迫る中で、今こそ被爆地ヒロシマから反戦反核の声を上げるべき時です。しかし、広島市議会は逆に反戦集会・デモを禁止する決議を行い、5人の逮捕に手を貸したのです。
 戦争反対の声を上げたら「犯罪」にされ、右翼と国家権力が一体となって弾圧する。かつてもこうやって戦争は始まり、それがヒロシマ・ナガサキの惨劇にまで行き着いたのです。
 私たちは、二度と過ちは繰り返さないという誓いにかけて、8・6暴処法弾圧を絶対に許しません。獄中で戦争絶対反対の信念を貫く5人の仲間をただちに釈放せよ!
   2024年3月7日
■緊急抗議声明呼びかけ人・団体(2024年3月7日現在)
被爆2世、反戦被爆者の会、8・6ヒロシマ大行動共同代表 中島健/被爆3世、広島連帯ユニオン委員長、8・6ヒロシマ大行動事務局長 宮原亮/被爆2世、広大生協労組委員長 壹貫田康博/被爆2世、婦人民主クラブ全国協広島支部 井上千代/被爆2世、婦人民主クラブ全国協広島支部 鄭澄恵/被爆2世、広教組組合員 平野綾子/
被爆2世、広島連帯ユニオン 吉川眞理/被爆2世 野田次郎/被爆2世 竹中孝子/被爆3世、広島連帯ユニオン 鄭伊佐/被爆2世、NAZENヒロシマ呼びかけ人 渡子健/8・6ヒロシマ大行動共同代表 室本けい子/安芸太田町議会議員、8・6ヒロシマ大行動共同代表 大江厚子/自治労広島市労働組合 福井利明/自治労広島市労働組合 住廣美智子/動労西日本前委員長 大江照己/三菱広機分会 斉藤俊法/広島大学教授 吉田修/広島大学学生自治会委員長、全学連副委員長 太田蒼真/長崎原爆被爆者 高木美佐子/長崎原爆被爆者 土井美子/長崎原爆被爆者、8・9長崎反戦反核集会呼びかけ人 山下勝泰/被爆2世 島本正勝/被爆2世 吉田光男/被爆2世 新田和生/被爆3世 中島敦史/弁護士、改憲・戦争阻止!大行進呼びかけ人 高山俊吉/国鉄千葉動力車労働組合委員長 関道利/ジャーナリスト、元同志社大学大学院教授 浅野健一/3・11反原発福島行動実行委員会共同代表 椎名千恵子/宮古島ピースアクション実行委員会 清水早子/小児科医 山田真/杉並区議会議員 洞口朋子/元千葉商科大教授 金元重/被逮捕者Aさん所属組合 高槻医療福祉労働組合/被逮捕者Bさん所属組合 八尾北医療センター労働組合
★連絡先 8・6ヒロシマ大行動実行委員会
〒730―0036広島市中区袋町5―4―302 電話&FAX082―245―8410
メール86hiroshima.daiko
udo@gmail.com
■救援カンパにご協力を!
郵便振替 01360―1―62222
口座名 8・6ヒロシマ大行動
*通信欄に「弾圧カンパ」と記載ください

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広島市議会での8・6デモおよび反戦集会への弾圧決議を弾劾する
 8・6ヒロシマ大行動実行委員会

 2月27日、広島市議会本会議において「平和推進基本条例に即した厳粛な平和記念式典の開催について」(請願12号)と「平和推進基本条例に即した厳粛な平和記念式典の開催に伴う原爆ドーム前の現状の解消について」(請願13号)という二本の請願が賛成多数で決議されました。
 請願12号は「8月6日は一定の時間一定の場所の静ひつを守る条例策定を検討する等、実効性のある対応」を市に求め、請願13号は「式典を厳粛に行うために無許可の集会を放置せず、平和記念式典中の原爆ドーム前の現状を解消する対応」をとることを市に求めるものです。要するに、8・6ヒロシマ大行動の集会とデモを始め、8月6日原爆ドーム周辺での反戦反核の運動を規制・弾圧することを市に求めるものです。戦争反対・核兵器をなくせという運動を公権力の力で弾圧・封殺することを求める暴挙であり、断じて許すことはできません。
 ウクライナ戦争は3年目に突入し、ガザでは南部の街ラファに対する大虐殺が始まろうとしています。米バイデン政権が「ロシアを抑え、中国を打ち負かす」(22年米国家安全保障戦略)と宣言し中国侵略戦争に突進しています。世界戦争が始まっています。
 日本の岸田政権は中国侵略戦争にアメリカとともに参戦するために、「敵基地攻撃能力の保有」「防衛費2倍化」など戦争政策をどんどん進めています。沖縄・南西諸島では自衛隊のミサイル基地が次々と建設され、中国近海での軍事演習が激化しています。昨年末には殺傷武器輸出を強行しています。
 しかし、NHKのアンケートでも若者の40%近くが「戦争になったら戦闘には参加せず戦争反対の声を上げる」と回答しているように、日本の民衆は圧倒的に戦争反対です。岸田はこの国民の反戦意識を何とかして解体したいと必死です。そのために、ヒロシマ・ナガサキ、沖縄を中心にした反戦反核の運動を暴力的に圧殺しようとしているのです。
 昨年のG7広島サミットはまさに「ヒロシマつぶし」を狙ったものでした。しかし「G7の核は必要」と宣言したG7広島ビジョンに怒りが爆発し、サミット粉砕デモには多くの市民が合流し「ヒロシマつぶし」は粉砕されました。追い詰められた岸田政権と松井市長、市議会反動市議は直接8・6反戦集会やデモを弾圧する攻撃をかけてきたのです。
 広島市・松井市政は、この岸田政権の戦争政策・「ヒロシマつぶし」と完全に一体で動いています。平和ノートからのはだしのゲン・第五福竜丸の削除、パールハーバー公園との姉妹公園協定、核兵器の保有を肯定した広島サミット賛美、職員研修での教育勅語の使用などはそのことを示しています。
 二つの請願は「8月6日は広島市にとって決して忘れてはならない最も大切な日であり、原爆の犠牲になられた方々の御霊(みたま)安らかなれと静かに祈る日でなければならない」と述べています。だが、真に忘れてはならないのは、日本のアジア侵略戦争、日米戦争の結果としてヒロシマ・ナガサキへの原爆投下があったということ、そして今私たちの目の前で、ウクライナで、ガザで、そういう戦争が始まり、他ならぬ自国の政府が再び中国への侵略戦争に突き進もうとしているということです。
 この情勢の中で、8月6日のヒロシマがどのような態度を取るのかが問われています。自国政府の戦争とその準備に抗議さえせず、ましてその政府と一体となって市が戦争を推進しているような状況に対して、ただ祈るのみで、声ひとつあげないならば、それはまさに「過ちを繰り返す」ことであり「2度目は裏切り」(原爆詩人・栗原貞子)です。
 1950年8月6日、朝鮮戦争に対して、当時の広島の被爆者を先頭に、集会禁止令を打ち破って実力で反戦集会が闘われました。同じように、私たちは今まさに体を張って戦争反対の声を上げる時です。2024年の8月6日はそのような日にしなければならないと考えます。
 私たち8・6ヒロシマ大行動実行委員会は、今回の市議会での二つの請願決議が賛成多数で採択されたことに「こうやって戦争は始まる 今こそ戦争反対の闘いを巻き起こそう」と警鐘を乱打するものです。請願13号については日本共産党までも賛成しました。恐るべき戦争翼賛議会となっています。
 世界戦争が始まり、パレスチナの命がけの民族解放の血叫びに応え、世界中の人たちが体を張ってパレスチナ連帯・戦争反対の行動に立ち上がっています。全世界で、パレスチナの労働組合の呼びかけに応え、兵器工場でのストライキ、港湾での兵器の積み込み拒否、戦争協力拒否などの労働組合の反戦ストライキが闘われています。
 世界中の人々がこのように声をあげているとき、そして他ならぬこの日本の政府がアメリカの最大の同盟国として中国侵略戦争に参戦しようとしているときに、イスラエルが今まさにやっている虐殺に抗議もせず「休戦を求める」決議でお茶を濁し、自国政府の戦争に反対する勢力に対しては弾圧を求めているのです。今回請願に賛成した議員たちは侵略戦争の加担者として歴史的な犯罪に手を染めたと言わざるを得ません。
 私たちは、このような弾圧策動にひるむことなく、パレスチナと連帯し、世界戦争を阻止するため、米日の中国侵略戦争を阻止するため、戦争に突き進む岸田政権を打倒するため、昨年以上に全力で8・6ヒロシマを闘うことを宣言します。戦争への動きに怒りと危機感を持つ全ての人に8・6ヒロシマ大行動への大結集を呼びかけるものです。
 2024年2月28日

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B君への不当逮捕を絶対に許さない! 私たちの元へ今すぐ返せ
 八尾北医療センター労働組合執行委員会

 2月28日、組合員B君の不当逮捕当日、八尾駅前に「8・6ヒロシマ弾圧粉砕」「不当逮捕弾劾」「戦争のための弾圧やめろ」「仲間を返せ」のシュプレヒコールが響き渡りました。デモには話を聞いた青年が飛び入りで参加。
 私たちはB組合員が8・6ヒロシマで戦争と核戦争を二度と許さないと闘いぬいたことを知っています。このたびの弾圧が不当であり不正義であることを100%断言する。再度言う。八尾北医療センターで働くB組合員の不当逮捕徹底弾劾! 今すぐ私たちの元へ返せ!
 「警察によると去年8月6日の『原爆の日』に原爆ドーム近くで...広島市の職員に体当たりした...職員にけがはありませんでした」などと報道されています。
 昨年5月、広島の地でG7サミット首脳会議が行われ、広島の名で「正しい核兵器」なる核翼賛・核戦争容認の「広島ビジョン」に対して全国から闘う仲間が結集して身体を張って闘いぬきました。八尾北労組も総力で結集し幾度ものデモをやりぬきました。この身体を張った闘いは被爆者と広島の人々の核戦争反対の心と結びつきました。
 B君をはじめ今回逮捕された5人の青年はさらに8月6日「二度と核戦争だけは許してはならない」と闘ったかけがえのない仲間です。
 逮捕の前日、広島市議会で「平和条例の実効性をもたせる」請願が採択されました。この請願は「平和条例」とは全く逆に、反戦反核の闘いとデモをさせないために「声を上げるな」「静かに祈れ」という前代未聞の内容です。この請願の採択の翌日に不当逮捕の暴挙が行われました。
 イスラエルを支持し、ウクライナに武器を送って参戦し、今中国への戦争を決断し突き進む岸田政権による戦時弾圧に他なりません。かつての治安維持法の再来です。静かになどしてたまるか。私たちは絶対に黙らない! 今こそ戦争反対、ラファの虐殺やめろ、中国への戦争止めるぞ、と闘いぬきます。
 医療現場にも戦争攻撃が激しく始まっています。医療、介護、障がい者福祉のトリプル改定で「特定疾患から3疾病除外」は「賃上げ」どころか、診療所・中小病院を直撃し私たちの職場と誇りを奪う攻撃です。さらに訪問介護の基本報酬引き下げなど断じて許せない! 医療を破壊して戦争に全部つぎ込もうとしています。
 八尾北医療センター労働組合は反戦春闘を闘い弾圧を粉砕し戦争を止めるために闘いぬきます。
 地域のみなさん、全国の医療福祉労働者のみなさん、共に闘いましょう。
 2024年2月29日

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