戦争・農業破壊と対決を 全国農民会議が第10回総会
戦争・農業破壊と対決を
全国農民会議が第10回総会
2月17日、全国農民会議は第10回総会を埼玉県内で開きました。結成以来12年、戦争情勢が迫り「農業消滅」が叫ばれている中での「再スタート」の総会であり、全国からの参加者が熱く議論しました。
冒頭、鈴木光一郎共同代表は「今年は勝負の年、飛躍の年」と語りました。三里塚芝山連合空港反対同盟の市東孝雄さんから、「1年前は農地を取られ悔しい思いをしたが、皆さんに励まされた。再建のために頑張っている。周辺の畑は全部、空港会社のものになり、新たな農地を借りられない。農業がなくなれば食べるものもなくなる。戦争反対と、地域で農業を守る闘いをやっていきましょう」と、期待と激励のあいさつをいただきました。
議案を事務局が提案。ウクライナ戦争、イスラエルによるガザ虐殺に続き、アメリカ帝国主義が対中国戦争を構え、そして岸田政権が大軍拡と戦争国家への大転換を進めていること。農業破壊が進み、巨大企業の農業支配と食の安全崩壊が進んでいること。この動きに対して「戦争絶対反対」「農業破壊、企業支配と闘う」「資本主義打倒の農民運動」をつくる決意で「戦争反対・反原発・三里塚闘争勝利」の新調したのぼり旗を披露しました。
討論では全国各地のリアルな現状が出されました。
「安倍農政で農民が激減した。規模を拡大しても赤字でやっていけない。地域農業が成り立たず、5年後はない。百姓でメシを食えなくてやめていく。危機感が充満している」
「農業危機は資本主義と農業の本質からきている。農家の自己責任ではない。ヨーロッパでは農家収入の9割以上が補助金。ドイツでディーゼル燃料課税に反対して5千台のトラクターデモが起きている」
「果樹地域だが耕作放棄地が増えている。年貢米のピンハネを直訴した太升(ふとます)事件(1792年)があり、首謀者は打ち首になったが、その闘いは語り継がれている」
「地方崩壊と農業崩壊はメダルの裏表。新自由主義が生み出した現実に対し『世の中を変えよう』と訴え、戦争反対を号令する農民会議にしよう」
「食料安保、食料有事法で農民に戦時の食料供出を義務付けようとしている。反対闘争をやっていこう」
秋山和雄事務局長が「10年余りの運動の地平を確認し、この方針で自分の地域で積極的に打って出よう」と討論を集約し、議案が承認されました。
最後に、小川浩共同代表が「日本階級闘争の一角として全国農民会議は闘ってきた。世界戦争が現実化している中での農業問題だ。全国で闘っていこう」と発言し、決起を訴えました。
全国の農民に、「労働者との連帯、国際連帯の闘いこそ展望だ」と訴える全国農民会議として再スタートを切りました。
(全国農民会議・山口敏昭)