3・11反原発福島行動へ 「福島の怒り」は戦争絶対反対 3・11反原発福島行動実行委員会共同代表 椎名千恵子さん

週刊『前進』04頁(3333号02面01)(2024/02/26)


3・11反原発福島行動へ
 「福島の怒り」は戦争絶対反対
 3・11反原発福島行動実行委員会共同代表 椎名千恵子さん


 2024年「3・11反原発福島行動」が目前に迫った。福島で起きていることは、国家権力と資本=岸田政権・内堀雅雄福島県知事・東京電力による福島抹殺攻撃だ。ウクライナ戦争参戦、イスラエル擁護、中国侵略戦争攻撃に向かって日本全土を「戦争する国」にするためには「3・11事故」をなかったことにする、「反戦・反核・反原発で声を上げる人々」が福島に、国内外にいてはならないとする攻撃だ。ウソや隠蔽(いんぺい)、後出し、私腹肥やして自己保身......腐り切っているこれら支配者らや資本の意思に、今も未来もあずけるわけにはいかない。屈服するわけにはいかない、負けるわけにはいかない。
●増え続ける甲状腺がん
 福島の怒りは根底的だ。まやかしの論拠で収まるものではない。2月2日開催の第50回県民健康調査検討委員会で、新たに7人が甲状腺がんの疑いがあると発表された。これまでに悪性ないし悪性疑いと診断された子どもは328人となり、がん登録で把握された18年までの集計外の43人を合わせると、事故当時、福島県内に居住していた18歳以下の子ども甲状腺がんは、術後に良性だった1人をのぞき、370人となった。
 こうして緩慢ながら被害者が増え続ける事態に対し、子ども甲状腺がん裁判に決起している7人の若者は「あとに続く人のためにも」と東電を相手に闘っている。本来の被告は国や県だ。岸田も内堀県知事も、自ら法廷で裁きを受けて然るべきだ。
●「復興」口実に棄民政策
 「被曝と帰還の強制」がこれまでの「特定復興再生拠点区域」とは別枠の「特定帰還居住区域」という名で帰還困難区域内を対象に次々と強行されている。
 これは、福島県大熊・双葉・浪江・富岡の4町内の帰還困難区域内にある宅地、道路、集会場、墓地など「点」だけを除染し、それらをつなぎ「居住区域」として避難指示を解除するものだ。その被曝線量は年間20㍉シーベルト以下を目安としているが、これ自身高線量であり、周囲はさらに高線量の帰還困難区域だ。復興を逆手にとった被曝と帰還強制、棄民政策でしかない。住民は、健やかな身体でなりわいに精を出す日常や、長い年月をかけて培われた地域の共同性、豊かな文化風土をもつ「古里」を失ったのだ。大熊町の住民説明会では「戻れるようにしてから帰還の意向を確認するのが筋だ」との声が上がった。
●汚染水海洋放出許さない
 放射能汚染水の海洋放出は昨年8月24日に強行され、これまで2万3300㌧が放出された。東電は、許せないことに今月7日には汚染水の浄化装置から1・5㌧、66億ベクレルもの汚染水漏れを引き起こしながら2月下旬には7800㌧の放出を狙っている。汚染水の垂れ流しは海への核投下そのものだ。魚介類の被曝から始まる生体濃縮、食物連鎖による内部被曝。遺伝子破壊が世界中に及ぶ。放射能をまき散らすことなど、どうして許せよう。福島から止めていこう。
●原発は核武装と一体だ
 日本の原発政策は、1954年の原子力予算の国会趣旨説明での中曽根康弘発言「新兵器や、現在製造の過程にある原子力兵器をも理解し......使用する能力をもつことが先決問題」から始まっている。昨年5月の広島サミットでは核兵器を「侵略を抑止し戦争・威圧を防止するもの」と全面的に肯定、同月成立の「GX脱炭素電源法」では老朽原発の再稼働、原発の新増設と核兵器製造のための核燃料サイクル完成を「国の責務」とした。原発は「祖国防衛」、核武装と一体だ。
 今年の3・11反原発福島行動の命題は鮮やかだ。3・11は戦争絶対反対! 「反戦・反核・反原発」ののろしで社会の虚偽を撃っていく闘いだ。「福島の怒り」を先頭に明るく元気なデモ行進で沿道との交歓をかちとろう。社会を変える力は、ここにある!

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