沖縄に陸自訓練場新設計画 うるま市 地域住民の怒りが爆発
週刊『前進』04頁(3332号03面02)(2024/02/19)
沖縄に陸自訓練場新設計画
うるま市 地域住民の怒りが爆発
宮森小墜落事故を繰り返すな!
防衛省は昨年12月20日、沖縄本島中部・うるま市石川のゴルフ場跡地、道一本挟んで住宅地が広がる場所に陸上自衛隊の訓練場を新設する計画を発表した。2024年度に用地を取得、25年度に調査・設計、26年度から工事開始の予定だ。うるま市石川は嘉手納基地を離着陸する戦闘機の爆音に長年悩まされ、1959年の宮森小学校米軍機墜落事故をはじめ甚大な基地被害が多くある地域だ。
突然の計画発表を受け、怒りの炎は燃え上がった。地元の旭区自治会は1月14日、臨時総会を開いて全会一致で反対を決定。2月1日には、石川の15自治会で構成する石川地区自治会長会が反対を決めた。
防衛省は2月11日、予定地に隣接する旭区と東山区の住民のみを対象に説明会を開催したが、そこでも反対意見が相次いで出され、会場外でも怒りの声がたたきつけられた。
高まる怒りの声に押された防衛省は、予定している訓練内容を一部変更。騒音などの日常的被害が大きい実弾や空包、照明・発煙筒は使用せず、ヘリは緊急時などを除いて飛行しないとした。そのうえで、夜間の行進・偵察訓練は実施前に周辺住民に通知し、訓練場の「米軍による使用は想定していない」と説明しつつ、あくまで計画を進めると表明。2月13日には木原稔防衛大臣が計画推進の考えを改めて表明した。
ミサイル部隊の訓練が真の目的
防衛省は今回の計画について、那覇駐屯地に所在する普通科連隊の増強に伴うものだと説明している。だが、そもそも防衛省の説明は信じるに値しない。当初は沿岸監視部隊の配備のみだった与那国駐屯地には地対空ミサイル部隊の配備が決定された。昨年3月に開設した石垣駐屯地では「日米共同使用は全く計画されていない」としていたが、10月の日米共同訓練「レゾリュート・ドラゴン23」で使用された。そのことを追及されると開き直り、「『その時点』ではなかった」と言い張った。中国侵略戦争へ突き進む日本帝国主義・自衛隊が新設する訓練場が、説明通りの運用で済むはずがない。
うるま市南部にある陸自勝連分屯地は、予定地からは車で30分ほどの距離だ。ここには今年3月に第7地対艦ミサイル連隊が新設される。第7地対艦ミサイル連隊は、宮古島や石垣島など先島諸島のミサイル部隊を指揮し、射程を1千㌔メートル超に伸ばした12式地対艦ミサイルが配備予定となっている「敵基地攻撃能力」の中心だ。25年3月には湯布院駐屯地(大分県)に第8地対艦ミサイル連隊の新設が予定され、既存の第5地対艦ミサイル連隊(健軍駐屯地、熊本県)も含め、これら3連隊を統括する「西部方面特科隊」は司令部機能を拡充、「第2特科団」へと格上げされることになっている。防衛省幹部は「火力は現在の約3倍」になると述べている。
つまり新設される訓練場の核心的な役割は、中国侵略戦争を担うミサイル部隊を訓練することだ。
絶対に許さず、改憲・戦争阻止!大行進沖縄を軸に反戦闘争の爆発で計画を阻止、撤回に追い込もう。