自衛隊、街頭制圧し訓練 大行進神奈川が実力抗議闘争
自衛隊、街頭制圧し訓練
大行進神奈川が実力抗議闘争
2月6日、改憲・戦争阻止!大行進神奈川や関東圏の仲間など約40人が、横須賀市内で開催された国民保護法にもとづく「神奈川県国民保護共同実動訓練」に対し実力抗議に立った。
「不審船が発見」「複数名の者が上陸の痕跡」「市内で不審な集団を目撃」(報道では自動小銃で武装)との想定で、国が「緊急対処事態」を認定し、「住民の域外避難」を行うものだ(内閣官房記者発表資料)。この訓練には公立中学校も使われている。法的には法定受託事務で、自治体に実施義務はない。自衛官募集業務と同じだ。国と自衛隊が主導し、自治体・住民を戦争体制に組み込む狙いだ。しかも自治体が排外主義をあおり、自衛隊が訓練の全てを主導すること自体が戦争挑発だ。戦時に軍隊が「住民退避」と称し、住民を盾にするのが戦争の実相だ。
主会場の横須賀市北体育会館近辺までデモを行い、その後の会場前までの移動に対し、神奈川県警が機動隊の阻止線を張り、激突的攻防となった。参加者全体が団結し、権力と激突し抜いた。弾圧に怒りは燃え上がり、約1時間にわたり弾劾を続けた。民衆を警察が実力で抑えつける中での訓練の何が「住民保護」か! 関東大震災での朝鮮人・中国人虐殺を繰り返す道だ。体を張った闘いが「訓練」の本質を暴いた。
自衛隊と米豪軍は指揮所演習「キーン・エッジ24」(2月1~8日)を行っていた。今回初めて仮想敵国を中国と明示。今回の訓練はこれと一体だ。沖縄出身の参加者は「中国への宣戦布告だ」と弾劾。今回の闘いは、沖縄と連帯し中国侵略戦争突入攻撃と激突する闘いとして貫かれた。
訓練では、小銃(訓練用モデルガン)を持った自衛隊や武装した警察が会場周辺を占拠。指定公共機関である京急バスに住民役が乗り込み、先導を警察車両、後ろに自衛隊の軽装甲車両がついての「住民退避」となった。患者の域外搬送のため医療施設も設置。救急車(横須賀市立うわまち病院)も動員。多数の自治体・医療・運輸労働者を動員した。地方自治法改悪の先取りであり、緊急事態条項の発動訓練だ。また大行進神奈川による訓練反対の記者会見要請をNHKがネグレクトした。「NHKはこのテーマ(国民保護訓練への抗議)にネガだ」と記者間でも言われている。「NHKは有事の際の指定公共機関として、警報、避難の指示、緊急通報の3つの緊急情報を放送する責務を負う」(NHK・HPより)とされ、戦時下の情報統制が始まっている。
大行進神奈川は会場周辺のポスティングも行った。当日は沿道で一緒にデモする地元住民もいた。怒りは、私たちの声がいまだ届いていない奥深くで沸騰している。これを組織し、数万の反戦闘争を実現する時だ。その展望は大いにあることを実感する闘いとなった。(改憲・戦争阻止!大行進神奈川 T)