地方自治法の大改悪阻止を 戦争国家へ地方の反乱圧殺狙う
地方自治法の大改悪阻止を
戦争国家へ地方の反乱圧殺狙う
岸田政権は今国会で地方自治法を大改悪して地方自治を破壊し、戦争国家に向けた国家強権の発動へ踏み出そうとしている。法改悪は沖縄はじめ全国の反戦・反基地闘争の圧殺を狙う改憲攻撃そのものだ。根底にあるのは地方の反乱への恐怖である。闘いの爆発で絶対に阻止しよう。
地方自治を破壊し徴兵・戦争動員も
1月17日、岸田は地方自治法改悪案の概要を示した。能登震災やコロナ禍などを例に「非常時」「国民の安全に重大な影響を及ぼす事態」には、個別法に規定がなくても閣議決定のみで国が自治体に指示を出せるようにする。自治体は指示に従う法的義務を負い、国への資料提出や職員派遣も求められる。資料は住民の資格や資産情報などに及び、職員・有資格者の動員・徴兵につなげようとしていることは明白だ。岸田は戦争への足かせとなる地方自治を解体し、戦争国家化と戦争動員に踏み出そうとしているのだ。
改悪案は首相の諮問機関・第33次地方制度調査会(地制調)が12月に出した答申に沿ったものだ。これに、自治体側は「指示が乱発されれば地方の自主性を損なう」と懸念を表明。12月7日付北海道新聞は社説で「国の指示権拡大/分権に逆行する改悪だ」と反対し「緊急時の国の権限強化は憲法に緊急事態条項を新設する自民党中心の改憲の動きとも通底する。国家権力の乱用を抑え、自治を守る覚悟」を訴えた。日弁連は1月18日、答申反対の意見書を政府に提出した。
法案の閣議決定と国会提出は3月上旬だという。全人民的な怒りで戦争のための地方自治法大改悪を絶対に阻止しよう。
辺野古代執行への闘いの爆発に恐怖
米日帝国主義による中国侵略戦争が始まり、沖縄闘争を最大の焦点に全国の反戦・反基地闘争、自衛官名簿提供阻止の闘いは日帝の死命を制する重大事態だ。恐怖する岸田は地方自治法の改悪で反乱を暴力的に抑え込もうとしている。
1月10日、岸田は辺野古新基地建設のために、国が県に代わり工事計画を承認する地方自治法上の「代執行」で工事を強行した。これに対し、「地方自治の破壊、改憲・緊急事態条項の先取りだ」という声が燃え上がり、闘いは一層非和解的に発展している。まさに内乱の火種だ。
1月11日付日経新聞は御用学者を登場させ、「防衛省の設計変更の申請から工事開始まで4年近い時間がかかった。知事が適切な処理をしない場合、迅速に国が手続きできるように地方自治法の改正も検討すべきだ」と主張させた。戦争のために国が直接手続きできるように法を変えることを露骨に求めたのだ。絶対に許してはならない。
12月の地制調の総会で、自治体職員出身で自治労所属の岸真紀子参議院議員は極悪の答申案を形ばかりの反対で承認した。自治労の名で地方自治を否定する自治労本部の立ち位置は明らかだ。戦争と戦争動員に絶対反対し闘う労働組合に作り替えよう。地方自治法大改悪を阻止しよう。
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【表】
地方自治法改悪案のポイント
(第33次地方制度調査会答申から)
◆「非常時」には個別法に規定がなくても、国が自治体に指示を出すことが可能に
・「国民の安全に重大な影響を与える事態」「個別法の(具体的な)規定では想定されていない事態における国の役割を規定」
・国が自治体に指示を出せる例外措置を制定
・自治体への指示権は閣議決定のみで可能
◆自治体は国の指示に従う法的義務を負う
・国の指示権行使に従う法的義務を負う
・国は自治体に資料提出、職員派遣の指示可能→住民の名簿・資格・資産など個人情報の提出、自治体職員(+有資格者)の動員も
⇒地方自治の否定、緊急事態条項そのもの
・地方自治法の名で、戦後の地方自治を否定
・実質改憲=戦時の緊急事態条項の先取り