杉並区議会「ガザ決議」を弾劾する イスラエルのジェノサイド免罪し、パレスチナ人民に屈服を迫る暴論
週刊『前進』04頁(3330号03面02)(2024/02/05)
杉並区議会「ガザ決議」を弾劾する
イスラエルのジェノサイド免罪し、パレスチナ人民に屈服を迫る暴論
パレスチナ自治区ガザ保健省は1月21日、イスラエル軍の攻撃による昨年10月以来の死者数は2万5千人、負傷者は6万2千人を超えたと発表した。1日あたりの死者数は連日過去最多を更新し、全人口の85%にあたる約190万人が昨年12月までに避難民となり、封鎖に伴う食料・水・燃料・医療品などの欠乏が住民を極限状態に追い込んでいる。このイスラエルの恐るべきジェノサイドとそれを背後で支える各国政府に対して、全世界で怒りのパレスチナ連帯闘争が空前の勢いで拡大している。
こうした中で、東京都の杉並区議会は1月25日、自民・公明・維新・都ファ・立民・共産などの区議12人が共同提案した「ガザ停戦決議」なるものを採択した。「人道目的の停戦」を求めると言いながら、イスラエルが現に行っているジェノサイドを一言も非難せず、これを事実上擁護するものであり、断じて許すことのできない代物だ。
決議は、ガザで起きている事態について、イスラエル軍によるジェノサイドではなく「イスラエルとハマスの軍事衝突による危機的状況」などと事実をねじ曲げて描き、イスラエルとそれを支える岸田政権をはじめとした帝国主義政府の極悪の犯罪的役割を免罪しようとしている。決議の真の目的はそこにあるのだ。
イスラエルに対して戦闘行為の即時停止や封鎖の解除、拘束者の解放、ガザ撤退といった最低限の要求すら提示せず、そればかりか「民間人の被害の最小化」という条件でイスラエル軍の作戦継続を事実上容認していることも極めて悪質だ。その一方でハマスに対しては「人質の即時・無条件の解放」と極めて強い口調で無条件降伏を迫っているのだ。実際には「停戦」すら求めておらず、パレスチナ人民に一方的に屈服を迫るものでしかないことは明白だ。
ハマスを中心に闘われた10・7蜂起は、1948年イスラエル「建国」以来の積もりに積もった怒りの爆発であり、侵略者・占領者に対するまったく正当な武装抵抗であり、帝国主義の中東支配を揺るがす偉大な民族解放闘争にほかならない。洞口朋子区議は、杉並区議の中でただ一人、この決議を徹底弾劾し、10・7蜂起への連帯を表明し、反戦デモの先頭で「パレスチナ連帯・岸田打倒」を掲げ闘い抜いている。洞口区議を先頭に、杉並から巨大な反戦闘争を巻き起こそう。