2月反戦闘争の爆発で岸田打倒を 2・11国鉄集会かちとり連合打倒する反戦春闘へ

週刊『前進』04頁(3330号01面01)(2024/02/05)


2月反戦闘争の爆発で岸田打倒を
 2・11国鉄集会かちとり連合打倒する反戦春闘へ


 1月30日、岸田は巨額裏金事件を開き直り、中国侵略戦争に向けた大軍拡と「賃上げ」を掲げた労働者の動員、そして改憲と天皇を押し出した施政方針演説を行った。地方切り捨てによって被害を拡大させた能登震災をも、「絆の力」などと「美談」に仕立て、自らの腐敗と戦争の政治を押し隠し、「自衛隊の活躍」を前面に押し出すために利用している。だが被災地をはじめ戦争と困窮への怒りは高まるばかりだ。この2月、巨大な反戦デモと春闘ストを「連帯し、侵略を内乱へ」の闘いに向かって爆発させよう。2・11国鉄集会に集まろう。

改憲・戦争の施政方針演説

 施政方針演説は一つに、改憲・戦争・大軍拡を真っ向からうち出した。「日米安全保障体制を基軸とする日米同盟は、グローバルな安定と繁栄の『公共財』」と言いなし、中国の対台湾政策を「力による一方的な現状変更の試み」として非難した。これは自民党副総裁・麻生太郎の「潜水艦と軍艦を使い台湾海峡で中国と戦う」発言(1月8日)と一体だ。また「ウクライナ支援を強力に推し進める」として2月19日の日ウ経済復興推進会議を確認し、「4月前半の国賓待遇での訪米」で「日米関係を拡大・深化させる」と強調した。そして、「防衛力の抜本的強化を着実に具体化」する空前の大軍拡=軍事費2倍化を正当化し、改めて辺野古新基地建設工事を進めることを宣言した。
 さらに「あえて自民党総裁として申し上げれば、任期中に改正を実現したい」として改憲を明言し、「皇位継承等への対応」にも言及した。29日の「群馬の森」朝鮮人労働者追悼碑強制撤去(行政代執行)にも示されるように、日本帝国主義は排外主義と天皇制に頼る以外に労働者人民を戦争に動員できないのだ。
 二つに、能登震災を利用して、自衛隊を前面に押し立てた戦時体制の構築をうち出した。能登震災で岸田は、統合訓練として陸海空自衛隊を展開、日米共同訓練として米軍の「トモダチ作戦」を実行した。施政方針では、この自衛隊の活動こそ「新たな官民連携」だとうたい、「日本人の伝統的な強みである『絆の力』が、デジタルや新たな官民連携などと組み合わさり、日本の『新たな力』となった」と述べた。自衛隊・デジタル・官民連携などを日帝の国力を示すワードのように散りばめて自画自賛する一方、地方切り捨てで被害を甚大化させた責任には一言も触れずに居直った。
 三つに、春闘・階級的労働運動解体のための「公的賃上げ」だ。中小や自治体の非正規職、医療、福祉、運輸、建設業などを挙げ、「30年ぶりの賃上げ水準」の昨年に続き「春季労使交渉」で「賃上げを確実に実現する」とした。だが、そもそもこの30年間、非正規職化と低賃金化を推し進めてきたのは歴代自民党政権である。しかも実質賃金は20カ月連続でマイナスだ。岸田の狙いは〝上からの「賃上げ」〟で労働者を資本・国家の下に取り込み戦争に動員することにある。
 いま求められているのは、絶望的に凶暴化する岸田政権を打倒する労働者人民の実力決起だ。安倍派幹部をはじめ裏金にまみれた政治家どもが居座って、何が「政治刷新」「派閥解散」か。労働者人民は、こんな自民党政権とブルジョア政治そのものの打倒を望んでいる。「戦争国会粉砕・岸田打倒」の闘いを巨大な規模で爆発させよう。

沖縄全域の戦場化を想定

 ウクライナ戦争、イスラエルによるパレスチナでの大虐殺、中国侵略戦争情勢はますます激化している。
 米軍は1月24日、イージス駆逐艦ジョン・フィンの台湾海峡通過を強行した。1・13台湾総統選を受け、中国を軍事威嚇するための措置だ。23日には米連邦議会の超党派議員団が台湾を訪問し蔡英文総統や頼清徳次期総統と面談、「台湾への支持は確固たるもの」と宣言した。大没落する米帝が自らの延命と世界支配の維持をかけて、中国侵略戦争に突進しているのだ。
 こうした動きと一体で沖縄県と政府が30日、「武力攻撃予測事態」を想定した住民避難図上訓練を県庁で実施し、45機関約200人が参加した。沖縄県全域を「要避難地域」に指定し、先島諸島の住民ら12万人を九州・山口に避難させ、本島の約130万人を屋内避難させるというものである。まさに沖縄戦前夜だ。
 米帝は世界支配の危機と矛盾を一段と深めている。28日、ヨルダンの米軍基地がドローン機攻撃を受け、米兵3人が死亡、40人以上が負傷した。10・7蜂起以降での米兵の死亡は初めてだ。アメリカ帝国主義・バイデンは、攻撃はイランの支援を受けた武装勢力によるものとして、「われわれが選ぶ時期と方法で、(攻撃の)責任をとらせる」と報復を宣言した。だが今、イランを含めた中東全域での戦争拡大に引きずり込まれることを最も恐れているのは米帝自身だ。
 パレスチナ人民の抵抗闘争に追い詰められたイスラエルは、ガザでの「ジェノサイド防止」の暫定命令を出した国際司法裁判所(ICJ)の裁定に対抗し、国連パレスチナ難民救済事業機関(UNRWA)スタッフが10・7蜂起に関与したと主張。これを受け米英仏独日などがUNRWAへの資金を即日停止した。壊滅的飢餓にさらされているガザのみならずヨルダン川西岸や他国の難民キャンプを含め、UNRWAが管轄する590万人のパレスチナ難民の命綱を断つ暴挙だ。これに加担した岸田を絶対に許すことはできない。

反戦デモとストライキを

 2・19日ウ復興会議粉砕闘争―2・24ウクライナ開戦2周年新宿反戦デモを大焦点にし、2月反戦闘争の爆発で岸田を打倒しよう。
 上川陽子外相のウクライナ訪問と54億円支援決定で、日帝はウクライナ参戦国として公然と登場した。日ウ会議は、戦争で権益を強奪する帝国主義国家への跳躍を狙う強盗会議だ。
 「戦争を止める」とは、戦争に加担する自国政府を打倒すること、戦争の元凶である帝国主義を打倒することだ。帝国主義と同じ「ロシア非難」一色のスローガンではウクライナ反戦を闘うことはできない。とりわけ日本共産党の犯罪性は重大だ。日本共産党は1月の第29回大会で「ロシア・中国の覇権主義」をあげつらい、帝国主義のウクライナ戦争・中国侵略戦争に加担するスターリン主義の本性をあらわにした。25日に杉並区議会で採択された「ガザ決議」は、イスラエルによるパレスチナ人民のジェノサイドには一言も触れず、ハマスに「人質の即時解放」を求めるとんでもない代物だが、これを主導したのも共産党議員だ。日本共産党は帝国主義戦争のお先棒を担ぎ人民の反戦決起を抑圧している。
 全勢力の雪崩をうった社会排外主義と戦争翼賛への転落を弾劾し、2・24新宿デモを巨大な実力闘争として爆発させよう。警察権力は反戦デモへの人民の大合流に危機感を募らせ、機動隊の規制線で壁をつくり弾圧を強めている。しかし、青年・学生を先頭に実力反戦デモで警察権力の弾圧を打ち破った時に、労働者人民の怒りは解き放たれ、根源的なエネルギーが呼び覚まされる。
 2月反戦闘争の爆発をかちとり、反戦を貫く春闘を闘おう。反戦闘争への決起こそ職場での連合労働運動の支配を吹き飛ばす力となる。2・11国鉄集会への大結集から動労千葉の3月ダイ改阻止決戦を先頭とする大幅賃上げ・大合理化粉砕の闘いを全国で拡大しよう。反動的「ガザ決議」を弾劾する2・10杉並反戦デモ、2・17大坂奪還総決起集会の成功をかちとろう。2024年こそ「連帯し、侵略を内乱へ」の闘いを実現する正念場だ。職場・学園・地域で激しく反戦デモとストライキを闘おう。

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