辺野古新基地 大浦湾側着工弾劾 「連帯し、侵略を内乱へ」の闘い切り開く沖縄闘争の大爆発を 革共同沖縄県委員会

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週刊『前進』04頁(3328号02面01)(2024/01/22)


辺野古新基地
 大浦湾側着工弾劾
 「連帯し、侵略を内乱へ」の闘い切り開く沖縄闘争の大爆発を
 革共同沖縄県委員会

(写真 前倒しで強行された埋め立て工事を弾劾し、不屈に闘う沖縄人民と共に大行進沖縄もシュプレヒコール【1月12日 沖縄県名護市】)

 1月10日、岸田政権は沖縄・辺野古の新基地建設へ向けて大浦湾側の工事に着手した。沖縄県委員会はこの暴挙を、満身の怒りを込めて弾劾する。永久に沖縄を軍事拠点とし、中国、アジアへの侵略を続けて延命しようとする日本帝国主義を一日も早く打倒しなければならない。沖縄県委員会は2024年、「連帯し、侵略を内乱へ」の闘いを切り開く沖縄闘争を、物情騒然となるような闘いとして爆発させるために、全力をあげて闘いぬく決意である。共に闘おう。

卑劣なだまし討ちに怒り

 1月1日に能登半島地震が起こり、これに関連して海上保安庁の傲岸(ごうがん)極まる滑走路への侵入によって海保機と航空機が衝突する大事故が引き起こされた。志賀原発は稼働していたら「第二のフクシマ」となっていてもおかしくないほどの損傷を受けた。「裏金問題」では、自民党が「政治刷新本部」なる誰が見ても茶番でしかない組織を立ち上げ、金権腐敗問題の火消しに躍起になっている。年初冒頭から日帝の断末魔の危機が噴き出るような事態だ。
 岸田は被災現地にすぐ駆けつけることもなく、数百人が行方不明で多くの支援を待ち望んでいる中で、年頭会見において「自らの任期内での改憲の達成」をぶちあげた! そして今回、沖縄の辺野古新基地絶対反対の声を踏みつぶして、戦争のための工事の暴力的着手を最優先したのだ。
 そもそも、工事は手続上の関係で1月12日の着工が有力視されており、ここに「オール沖縄」主催の大規模集会が予定されていた。岸田政権はこれを見越して、予定を前倒しし、だまし討ち的に大浦湾での石材投入を10日午前中に電撃発表、午後に強行した。本当に卑劣で許しがたい国家暴力の発動である。三里塚でも何度も行われてきたやり方だ。
 12日の辺野古集会には900人が結集した。遺骨収集ボランティア「ガマフヤー」の具志堅隆松さんは3日間のハンガーストライキに決起し、この集会でもリモートで発言した。改憲・戦争阻止!大行進沖縄もここに駆け付け、多くの闘う民衆と合流した。高額のカンパを寄せる人もいた。
 圧倒的な結集に恐れおののいた権力は、工事車両を入れるためのゲートを開くことさえしなかった。前倒し着工は、岸田政権が沖縄の労働者人民の根底的決起におびえていることの証左なのである。
 戦争のための準備はどんな状況でも決して手を抜かず、沖縄・辺野古の工事強行は粛々と行うという岸田政権のふざけた態度には怒り心頭に発する。しかも「地方自治」をもないがしろにする代執行が初めて国家によって強行された。国家が戦争を強権的に遂行した「反省」から、戦後憲法体制下では地方自治という形で「国家の暴走」を抑制する枠組みができた。そうした一切を覆し、国家が戦争の旗振り役を率先して担うという大転換がなされたのだ。事実上の改憲の先取りである。
 米シンクタンクの戦略国際問題研究所(CSIS)すら2020年11月の報告書で辺野古新基地が「完成する可能性は低い」と指摘し、できてもきわめて運用の難しい基地だと認識している。専門家からも、水深数十メートルの大浦湾の「マヨネーズ状」軟弱地盤に7万1千本もの杭を打ち込む工事など、全く展望のない絶望的な工事であることが指摘されている。理不尽かつ非合理的な工事の本質は、元防衛省幹部が安倍―菅政権下での辺野古新基地建設の強行を振り返って「工事を進めて移設を既成事実化し、沖縄の『戦意』をくじく。それが政権の意思だった」と表現したことに鮮明だ。
 日本帝国主義・国家権力は、強権で押さえつけて人民を従わせようとしている。しかし、それは逆に沖縄の怒りに火をつけ油を注いでいることだと自覚させてやらなければならない。

中国侵略戦争阻止を掲げ

 日帝は中国侵略戦争に「すでに突入」している。「連帯し、侵略を内乱へ」の闘いを沖縄闘争、反戦・反基地闘争の爆発をもって決定的に推進しなければならない。「沖縄を二度と戦場にさせない」闘いは正念場を迎えている。
 昨年12月20日に福岡高等裁判所那覇支部が代執行を可能とする判決を出したことと、東京地方裁判所が昨年12月22日に大坂正明同志に懲役20年の反動判決を下したことは一体である。大坂同志への判決は、沖縄の「核付き・ペテン的返還」に怒り、沖縄と連帯して本土で必死になって11・14渋谷暴動闘争を闘った大坂同志に対する階級的報復判決である。一切の近代的裁判の原則をかなぐり捨てた、「中核派罪」の適用としか言いようのない裁判が強行された。だがそれは、渋谷暴動闘争のような実力闘争を岸田政権が心底から恐れていることの裏返しにほかならない。
 今日の日帝は、戦後的制約を取り払って中国侵略戦争に参戦することなしに帝国主義として延命することができない、最末期帝国主義の最弱の環である。1970年安保・沖縄闘争は巨大な人民の決起で日帝をとことん追い詰めた。勝利の決定的鍵はこの力を復権することにある。
 青年・学生がウクライナ反戦を闘い、ガザ大虐殺への怒りの中でパレスチナ連帯を貫く闘いに続々と決起し始めている。一方、既成反基地運動の指導勢力は「争うより愛そう」などというペテン的なスローガンで若者の決起を抑えつけ、沖縄人民の怒りを溶解させようとしている。沖縄県委員会はこの路線を乗り越え、大行進沖縄の闘いをとことん発展させて闘うことを宣言する。「沖縄を戦場にさせない」という揺るがぬ決意のもと、「中国侵略戦争阻止!」を真っ向から掲げ、「自国政府打倒!」を決して曖昧(あいまい)にせず闘いぬく。
 「普天間の一日も早い危険除去のため」と称して辺野古を強行しながら、米軍基地強化と南西諸島への自衛隊配備を進める岸田を絶対に許すことはできない。復帰52年の5・15沖縄闘争を空前の爆発でかちとろう。今こそ、戦争と腐敗の岸田を打倒しよう!
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