11月労働者集会呼びかけ3労組 新年メッセージ 反戦の先頭に立つ階級的労働運動再生を

週刊『前進』02頁(3326号02面01)(2024/01/08)


11月労働者集会呼びかけ3労組 新年メッセージ
 反戦の先頭に立つ階級的労働運動再生を


 11月労働者集会を呼びかける3労組から新年メッセージが寄せられました。3労組に応え、23年11・19集会の成功を土台に戦争絶対阻止・ストライキ復権の24年決戦を闘いましょう。(編集局)

労働組合の本来の姿を取り戻そう
 国鉄千葉動力車労働組合 関道利委員長

 新年あけましておめでとうございます。
 昨年の11月労働者集会は2800人が結集し、成功をかちとることができました。多くの皆さんの奮闘に心より感謝申し上げます。
 ガザではイスラエルによる大虐殺が行われ、ウクライナ戦争も果てしなく泥沼化している状況です。そして、「台湾有事」を掲げた対中国の侵略戦争、東アジアにおける戦争の危機が日々高まっています。時代に食らいついて反戦闘争にたちあがっていくことと、労働組合の本来の姿を取り戻そうという努力が結びついて、集会の大きな成功をつかみとれたと思います。
 世界戦争情勢の中で、私たちが階級的労働運動の再生を掲げて11月労働者集会を守ってきたこと、韓国・民主労総をはじめとした世界の仲間とのかけがえのない国際連帯を連綿と築いてきたことの意義は、あらためて大きなものがあります。戦争を阻止する力はここにあると言える闘いとして、かちとることができました。
 この土台の上に、今年は本当に大きな飛躍をかちとる年にしましょう。それが可能な情勢が来ています。
 世界中で何百万という人々が戦争に反対して闘いにたちあがっています。激しい物価高の中で各地で大規模なストが次々に巻き起こっています。パレスチナの連帯闘争にも世界中の労働者がたちあがり、ユダヤ人までたちあがっています。こうしたことは初めての事態です。戦後支配を打ち破る闘いが巻きおころうとしています。
 日本においても状況は動き始めています。そごう・西武労組のストは象徴的でしたが、11月集会後に労組交流センターの仲間の職場でもストライキが次々に闘われています。労働組合の闘い、ストライキを誰もが支持するというような雰囲気が広がっていることは、現場労働者の意識も変わっていくということです。11・19集会でも、「ガザ虐殺をやめろ」と声を上げた私たちのデモに、途中からも次々と参加してきました。時代は変わろうとしています。
 岸田政権は裏金問題などで末期的状況ですが、その前は首相が先頭に立って「賃上げが必要だ」と繰り返す異常な状況でした。そうしないと崩壊するというあまりの危機と、連合が賃金闘争を事実上放棄し続けてきた現状を示しています。労働組合が本来の賃金闘争を取り戻していく上で、今春闘は重要な闘いです。あらゆる職場でストライキができるような状況をつくり出していきましょう。
 この2年間の努力で昨年の11月集会の成功をかちとった上にたち、今年の闘いが重要です。この努力を今年も継続し、さらなる成功をかちとりたいと思います。
 今こそ巨大な反戦闘争を巻きおこそう。新自由主義を終わらせよう。その闘いの根底を労働者が担った時に、本当に力を得て発展させることができます。あらためてJRにおける「労組なき社会」化攻撃と関西生コン支部への大弾圧を粉砕し、階級的労働運動の再生をかちとる飛躍の1年にしましょう。
 全国の仲間の皆さん、今年もともに闘いましょう。よろしくお願いいたします。

無罪判決を活用し産別労働運動を
 全日本建設運輸連帯労働組合関西地区生コン支部  武谷新吾副委員長

 あけましておめでおとうございます。
 全国の仲間の皆さんの労働現場での果敢な闘いに敬意を表します。
 関西地区生コン支部の権力弾圧との闘いに対して、日頃からの物心両面にわたるご支援に、心からお礼を申し上げます。
 ウクライナやパレスチナなど戦争情勢のさなか、関西地区生コン支部は、戦争と改憲を阻止するために、先頭に立って闘うことを表明します。
 2018年から始まった資本・権力弾圧で、関西地区生コン支部はつぶされず、全国の仲間の支援行動によって、昨年、和歌山広域協組事件の無罪判決を勝ち取りました。
 労働争議の現場闘争では、関西労組交流センターの仲間をはじめ、全国の仲間の支援行動と共同行動により、成果があがりつつあります。
 大阪広域生コン協組の組合つぶし、それと連携した警察・検察による権力弾圧は、最終的には、ストライキをはじめとする大衆行動で決着をつけます。仲間の皆さんには、引き続きのご支援をお願いします。
 さて、2023年3月6日の和歌山広域協組事件の大阪高裁判決では、関生支部が産業別労働組合であること、その産業別労働運動の正当性が認定されました。
 当然のことなのですが、司法が産別組合・産別運動を認めたのは、希(まれ)なことではないでしょうか。
 企業別組合やその団体が言う産業別労働組合ではないことを確認して、皆さんには、この判決を現場で活(い)かしてほしいとお願いします。
 例えば、個人事業主の組合員が構成するプロ野球選手会労働組合は、2004年の2日間にわたるストライキが有名ですが、集団交渉で、1軍と2軍の選手の最低年収を確立しています。
 音楽家ユニオンも演奏家は個人事業主ですが、演奏料金を労働組合が集団交渉などで決めています。
 関生支部も1965年の結成当時は、ミキサー車のドライバーは償却制を適用される個人事業主でした。個人加盟制の産業別労働組合を結成した関西地区生コン支部は、生コン事業者との集団交渉で、正社員化や最低賃金保障を勝ち取ったのです。
 そして、集団交渉で締結された労働協約は、年間休日や連帯雇用保障、労働者基金など、産業別賃金・産業別雇用・専業別福祉を定め、それは組合員だけではなく大阪・兵庫の生コン産業で働くすべての労働者にも適用されました。
 これは、プロ野球業界や音楽家業界、生コン業界に限らず、あらゆる産業に適用できるものとして活動していただきたいと訴えます。
 そのためには、皆さんの職場の要求をまとめ、その要求を実現するために、産業別の集団交渉を確立するなどして産業別運動を展開する必要があります。
 産業別労働組合が本来の産業別運動を実践することで、欧米のようなゼネストが打ち抜かれ、要求が実現するのです。このゼネストが組織されれば、戦争を止めることも不可能ではないでしょう。
 産業別労働運動が広がれば、資本家は権力を利用して弾圧をしかけてくるでしょう。でも、産業別労働組合が団結し、行動すれば、弾圧を跳ね返すことができるのです。また、多くの産業別労働組合が結集、団結すれば、資本・権力も弾圧を躊躇(ちゅうちょ)することでしょう。
 業種別・産業別労働組合の組織化と産業別運動を実践して、労働者のための社会をつくりましょう。

経営側の思惑うち砕くストを実現
 全国金属機械労働組合港合同 中村吉政委員長

 2024年の幕開けに際し港合同から連帯の挨拶(あいさつ)を申し上げます。
 長い新型コロナウイルス禍は、昨年5月以降、5類へと移行され、港合同でもようやく通常の行事が行われるようになりました。5月1日の港地域メーデーは集会とデモに続き、「もちつき実行委員会」のメンバーらによって、集会後の交流会が4年ぶりに取り組まれ、各支部・分会から参加した組合員と交流が行われるなど、久々の取り組みを喜びました。港合同ではこの十年余り、長期争議組合はなく、他支部の組合員と交わるのは久しぶりのことです。
 経済闘争では、世間や大手の労働組合が公言するような賃上げは、中小の経営実態の中では空論のようなものです。それでも、過去にないアップを勝ちとった支部もあることは事実ですが、高物価の中で砂漠に水をまくようなものでしかありません。しかし、大事なことは、経営者・国のトップの思惑で与えられた賃上げよりも、少額でも闘い取ったということに力点を置くべきだと思います。
 長い時間を割いて職場で議論を深め、臨時大会でスト権を確立するという手段を、私たちは高く評価するべきです。
 港合同では、春闘、夏一時金、年末一時金の闘いがありますが、その都度、職場で議論を深め、仲間が団結を固めるという姿こそ、労働組合のあるべき姿です。
 要求をしたから何もかも勝ち取れるということはありえませんが、私たちの要求なしに経営が回答することなど絶対にありません。
 昨年末、昌一金属支部は全日ストライキを実施しました。実に50年ぶりのストライキです。港合同としては1995年の医療法人でのストライキ以来で、当該組合員は全員初めての体験でした。当日は大阪の各地から多くの仲間の参加を頂き、実りあるストライキとなりました。
 このストライキに反発した経営者は、「ストライキ直前に行われた団体交渉で回答した金額をのまなければ団体交渉をしない」と他の役員を通じて組合に通知したこともあり、執行部は、低額回答そのものも許せないが、ストライキへの報復であり「不当労働行為発言は許せない」と反撃体制を築く中、団体交渉に職場の組合員も参加して追及し、経営を突き上げて妥結した経過があります。
 初めて試みたストライキですから、実施するまで、実施後のさまざまな評価はありますが、明らかなのは、今後、経営者に「思惑どおりにならない」と思わせたことは最大の成果です。
 港合同は今年1年も、元旦からの関西生コン支部闘争に勝利するための闘いに全力を挙げて取り組むと同時に、大阪での万博・IR(統合型リゾート)反対の行動に取り組み、崩壊寸前の岸田政権による改憲策動を粉砕して、働く者が真に社会の主人公となるよう目的を持って闘う決意です。本年もよろしくお願いします。

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