狭山再審を決定しろ! 大野裁判長の退官弾劾 水平同盟ら東京高裁前で訴え
週刊『前進』08頁(3325号04面04)(2024/01/01)
狭山再審を決定しろ!
大野裁判長の退官弾劾
水平同盟ら東京高裁前で訴え
(写真 狭山事件の再審決定をせずに東京高裁・大野裁判長が退官した日、裁判所前で抗議行動【12月12日 東京都千代田区】)
12月12日、狭山事件の再審を担当していた東京高裁刑事4部・大野勝則裁判長が定年で退官した。全国水平同盟と東日本解放共闘、全学連の仲間はこの日、再審決定も事実調べも行わないまま退官した大野裁判長を弾劾する行動に立った。
狭山事件とは1963年に埼玉県狭山市で起きた女子高校生誘拐・殺人事件である。犯人を取り逃がした失態を取り戻そうと「生きた犯人を捕まえる」(当時の国家公安委員長)とした日帝国家権力の部落差別によって、無実の部落青年・石川一雄さんが殺人犯にでっち上げられた。だが、獄中から「自分は無実だ! 権力の部落差別を糾弾する!」と決起。94年に仮釈放をかちとり、現在、第3次再審闘争を闘っている。
17年にわたる第3次再審では250点を超える無実の新証拠が提出された。しかし大野裁判長は一切証拠に向き合わず、何の判断も示さないまま退官した。
石川さんは「三者協議(裁判所、検察、弁護団の協議)に何の意味があるのか」と訴え、お連れ合いの石川早智子さんは「死ぬのを待っているのか」と弾劾した。卑劣な差別攻撃だ。
昼休みの裁判所前、大野裁判長退官弾劾を訴えるビラを受け取った多くの人々と討論になった。大野弾劾のシュプレヒコールを上げ、新たな闘いへの決意を固めた。新裁判長は家令(かれい)和典裁判長だ。ただちに証拠調べ・再審を決定しろ!
(埼玉労働組合交流センター・新井拓)