日弁連臨時総会 「めざす会」が意見表明 「双方を非難」する会長声明は欺瞞 憲法と人権の日弁連をめざす会 森川文人

週刊『前進』04頁(3324号03面02)(2023/12/18)


日弁連臨時総会
 「めざす会」が意見表明
 「双方を非難」する会長声明は欺瞞
 憲法と人権の日弁連をめざす会 森川文人


 12月8日の日本弁護士連合会(日弁連)臨時総会で、「憲法と人権の日弁連をめざす会」は、日弁連会長声明を弾劾するビラを配り、森川文人弁護士が意見を表明しました。以下はその要旨です。(編集局)
 小林元治会長は11月29日、ガザ情勢につき停戦を求める旨の会長声明を出しています。世界で戦争が起こり、日本政府も戦争の準備を急ピッチで進める今、弁護士会は時代の岐路に立っています。

10・7はテロではなく民族解放闘争

 短い会長声明は「ハマス等パレスチナ武装勢力とイスラエル双方」を対象として非難し、停戦を呼びかける内容になっています。
 これは、イスラエルに加担する米日欧の帝国主義政府の立場に立つもので、民衆の立場に立ったものではありません。在野の弁護士会の立場に立っていません。
 いま起こっていることは、イスラエルによる一方的な大虐殺・ジェノサイドであり、ネタニヤフ・イスラエル政権の病院まで破壊する攻撃を民衆の力でやめさせることが私たちの喫緊の課題です。ガザでの死者は2カ月で1万7千人を超えようとしています。そのうち4割以上が子どもたちです。こんなものが「自衛戦争」の名で許されるなんてことはありえません。
 そもそも「10・7蜂起」は卑劣なテロではありません。中東支配をめぐる資本主義的利害から1948年に勝手に「建国」された侵略国家イスラエル、そしてそれによって虐殺・弾圧され続けてきたパレスチナ人民の歴史を背景にした民族解放闘争です。
 これに対するイスラエルのジェノサイドを眺めていることは許されません。沈黙は罪です。双方に停戦を求めるのは欺瞞(ぎまん)であり、イスラエルの虐殺を弾劾しなければなりません。
 会長は「紛争当事国には常に国際人道法及び国際人権法の規則を順守することが求められる」などと言われます。
 しかし、ウクライナ戦争の開戦以来、国際法も国連も大国の利害と思惑に支配されているのであって、全く無力であることが明らかになりました。アメリカも日本政府も、イスラエル非難決議は棄権などで避け、大虐殺を許容し援助しています。
 何が人権だ、民主主義だ、国際法だ、というのが世界で虐殺に対しデモで闘う民衆の感覚です。

弁護士会こそ岸田打倒を訴えるべき

 私たち民衆の望みと真反対のこと、5年間で43兆円の軍事費2倍化、南西諸島へのミサイル配備、武器輸出拡大、軍事工場国営化などを推進し、戦争を準備している日本政府に停戦の呼びかけを期待すること自体間違っています。
 私たち日本の弁護士会がすべきは、イスラエル側に立つ日本政府・岸田政権を弾劾することでしょう。「戦争政策の自国政府を打倒せよ」。これを民衆に呼びかけることが、戦後、自治権を獲得した弁護士会が行うべきことです。
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