鉄道崩壊と対決し組織拡大へ 動労総連合 11月集会の成功受け決戦方針
週刊『前進』04頁(3324号02面01)(2023/12/18)
鉄道崩壊と対決し組織拡大へ
動労総連合
11月集会の成功受け決戦方針
(写真 田中康宏委員長が、鉄道も医療も教育も崩壊させて戦争に向かう最末期資本主義との対決を訴えた【12月10日 千葉市】)
動労総連合は12月10日、千葉市のDC会館で第38回定期全国大会を開いた。11・19労働者集会の圧倒的な成功を受け、さらなる飛躍をかけて24年決戦を闘う方針を確立した。
あいさつに立った田中康宏委員長は、今この時もガザでの大虐殺が続く緊迫した情勢に動労総連合は必死で食らいつき、孤立を恐れず時代の本質を正面から訴えて反戦闘争を全力で闘ったと述べ、それが11・19集会・デモへの3千人の結集を実現したと総括した。そして、これを土台に24年決戦を闘おうと訴えた。
また、真剣な議論を経て動労水戸と動労福島をめぐる組織問題に決着をつけたと確認し、階級性を捨て去れば運動が広がるかのような主張を改めて批判した。
JR東日本は千葉支社管内の全運輸区を廃止して統括センターにすると提案してきた。戦時国家改造の一環として廃線化が強行されている。JRはグループ会社にコストカットを強い、グループ会社の労働者の賃金は最低賃金レベルに張り付いたままだ。このあり方に見切りをつけて、JR本体でも多くの労働者が若年退職している。それがもたらすものは鉄道の崩壊だ。
こう情勢を説き明かした田中委員長は、ストライキの波が日本にも及ぶ中で、労働者の怒りは必ず爆発すると断定し、国鉄分割・民営化攻撃に抗して結成され階級的労働運動を守ってきた動労総連合は、今こそ飛躍をかけて組織拡大に打って出ようと訴えた。
川崎昌浩書記長が運動方針を提案し、戦争をめぐってもJRをめぐってもこの3〜4年が決戦だと訴えた。運動方針はまた、戦時国家改造が「デジタル田園都市国家構想実現会議」と防衛省を司令塔に進められ、JRの攻撃もその一環としてあると強調した。
討論の口火を3月に結成された動労総連合水戸の代議員が切り、防護無線が使えない状態で列車を運行したJR水戸支社を追及する闘いを報告した。CTS(千葉鉄道サービス)で車両清掃に携わる代議員は、ほぼ毎日、嘔吐(おうと)物を処理しているのに、それへの手当も出さない会社に怒りを示した。清掃業務に携わる各単組の代議員も職場の実態を報告し、問題を動労総連合の統一課題にすることを確認した。反戦闘争の先頭に立ち11・19集会に職場の仲間を組織した代議員が、その手ごたえを語った。久留里線、芸備線、米坂線の廃線阻止の決意が示され、65歳以降の雇用延長を動労総連合の統一要求にしようという意見が出された。動労総連合水戸は、来年3月のダイヤ改定で、福島第一原発の脇を通る常磐線のいわき―原ノ町間のワンマン運転化をたくらむJRを弾劾した。
総括答弁で田中委員長は、嘔吐手当や防護無線の問題は、鉄道を動かす現場の労働が徹底的にないがしろにされているから起きたと指摘し、鉄道崩壊の中で労働者は必ず立ち上がると強調して、来年を大飛躍の年にしようと呼びかけた。