病院攻撃の戦争犯罪許すな イスラエルのガザ大虐殺擁護する日帝・岸田打倒の反戦闘争爆発を

週刊『前進』04頁(3320号01面01)(2023/11/20)


病院攻撃の戦争犯罪許すな
 イスラエルのガザ大虐殺擁護する日帝・岸田打倒の反戦闘争爆発を

(写真 英ロンドンでは11月11日、ガザ侵攻弾劾・パレスチナ連帯を掲げて史上最大規模のデモがかちとられた。主催者の推定で80万人超が即時停戦を叫び、米大使館へと向かった)


 11月15日、イスラエル軍は全世界の非難を押し切ってガザ最大規模のシファ病院への急襲・突入を強行した。この凶悪極まる人民大虐殺をどうして許すことができようか! イスラエルの戦争犯罪を「自衛権」の名で擁護するアメリカ帝国主義や日本帝国主義・岸田政権は大虐殺の共犯者だ。11日のイギリス帝国主義足下での80万人決起(ロンドン)をはじめ、全世界でガザ大虐殺弾劾・パレスチナ連帯の闘いが爆発している。11・19全国労働者集会・デモは日本の労働者、学生、人民の巨大な反戦闘争の始まりだ。パレスチナ人民との連帯をかけて日帝・岸田を絶対に打倒しよう。

米日帝こそ虐殺の共犯者

 イスラエル軍は「ガザの病院はハマスの拠点だ」とでっち上げ、病院への攻撃という戦争犯罪に公然と踏み込んだ。発電のための燃料、食料、水、医療物資も遮断し、ガザ北部の全病院の機能を停止させた。医師、患者、避難民ら数千人が閉じ込められているシファ病院では、保育器の電気も止まり、生後間もない乳児が殺されている。13日までの3日間に未熟児を含む32人が死亡し、180以上の遺体が腐敗し病院の中庭に横たわり、まさに「墓場同然になっている」(世界保健機関〔WHO〕)。
 そして15日、イスラエル軍は敷地内に戦車とブルドーザーを投入し、シファ病院に突入。多くの患者や負傷者、医療関係者らを暴行し、服を脱がし目隠しをして連行するなど、院内を蹂躙(じゅうりん)し「恐怖と死」(病院スタッフ)をもたらしている。病院の医師は「全世界がこの犯罪を目撃してきましたが、誰もそれを止めていません。誰も声高に言っていない。これは許されない」と訴えている。この血叫びに無関係な労働者人民は誰一人としていない。われわれ帝国主義足下の労働者人民こそ、ガザ大虐殺を止めるために全力で立ち上がる時だ。
 病院攻撃というイスラエルの明白な戦争犯罪を全世界人民が徹底弾劾する中、米帝は「ハマスが病院を司令部や武器保管、戦闘員の住居に利用している」(サリバン大統領補佐官)などとデマをまき散らし、イスラエルを必死に擁護している。日帝を議長とする主要7カ国(G7)外相会合は、パレスチナ人民の抵抗をテロ攻撃だと「断固非難」する一方、イスラエルの「自衛権」の「確固たる支持を再確認」(ブリンケン米国務長官)し、「人道的休止を支持」する声明を発した。ガザ地区220万人のうち160万人を避難に追いやり、子ども4500人を含む1万1200人以上を虐殺し、飢え・感染症・電力不足で地獄のような状況にたたき込んでいるイスラエルを擁護しておいて、何が「人道」か!
 米政府は、ガザ北部の住民が南部に移動するための「人道回廊」の設置とイスラエル軍の「1日4時間の戦闘停止」を発表したが、これは「人道」をかたった強制移住・追放であり、第二の「ナクバ」(1948年のイスラエル「建国」により70万人以上のパレスチナ人民が難民となった悲劇)にほかならない。実際、イスラエル軍はガザ地区からパレスチナ人民を一掃し、帰還もできないよう難民キャンプ、学校、病院など街を徹底的に破壊した上で、残った人々を「テロリスト」として皆殺しにしようとしている。またイスラエルの財務相スモトリッチは「避難するガザ住民を世界各国が受け入れるのが解決策だ」と述べ、首相ネタニヤフは「ハマス掃討」後もパレスチナ自治政府によるガザ統治を認めず、イスラエル軍が占領支配すると明言した。民族浄化とジェノサイドでパレスチナ解放闘争を根絶しようとしているのだ。
 パレスチナ人民の10・7蜂起は、米帝=イスラエルの侵略に対する積もり積もった怒りの爆発であり、民族解放・革命戦争への決起だ。イスラエルと帝国主義による侵略・占領・民族抑圧をもうこれ以上続けさせることなど許されない。われわれ帝国主義本国の労働者人民こそ、戦争の元凶である帝国主義の打倒へ総決起することをもって、パレスチナ人民の命がけの闘いに応えなければならない。
 外相・上川陽子は9日、衆院安全保障委員会で改めてイスラエルの攻撃を容認した。日帝は昨年、イスラエルと防衛協力強化で合意し、今年、日本の軍事商社「伊藤忠アビエーション」「日本エヤークラフトサプライ(NAS)」がイスラエルの軍事企業大手「エルビット・システムズ」と契約を結んだ。パレスチナの労働組合はイスラエルへの武器支援を断ち切ることを訴えている。アメリカなど各国で軍事企業に対する実力決起がたたきつけられている。これに続き「伊藤忠とNASはイスラエルとの軍事協力をやめろ!12・1抗議行動」に決起しよう。

世界戦争阻止かけた闘い

 パレスチナで大虐殺が強行され、ウクライナ戦争が泥沼化する中、米日帝は中国侵略戦争―世界戦争へますますのめり込んでいる。
 11月15日に米西海岸で開かれた米中首脳会談で、バイデンは「互いに誤解をしないことは最も重要」「競争が衝突へと転じないようにしなければならない」と述べ、昨年夏から遮断されていた軍同士の対話を再開することで合意した。だが中国への戦争重圧を強め、「一触即発」の危機をつくり出しているのは米帝自身だ。米中会談に先立ち国務長官ブリンケン、国防長官オースティン、統合参謀本部議長ブラウンをアジアに歴訪させ、日韓米合同軍事訓練の計画策定など軍事協力の強化を確認。また15日には沖縄に駐留する米海兵隊の一部を改編し、対中国作戦=「遠征前進基地作戦(EABO)」の中核を担う海兵沿岸連隊(MLR)を新たに発足させた。
 「年内解散」断念にまで追い詰められた日帝・岸田政権も、「経済で駄目なら憲法改正で事態を打開するしかない」(自民党若手、11月14日付毎日新聞)と改憲・戦争、大軍拡に突進している。10日から始まった陸海空3自衛隊の統合演習では民間の空港・港湾の使用が大幅に拡大され、沖縄本島では初めて陸上自衛隊の16式機動戦闘車(MCV)が公道を走行した(記事3面)。
 こうした米日帝の戦争策動に対し、沖縄を先頭に怒りの反撃が始まっている。世界では、パレスチナ連帯デモを「反ユダヤ主義」とみなして弾圧する悪らつな攻撃を打ち破り、内乱的闘いが拡大している。11・19労働者集会は帝国主義を打倒する巨大な反戦闘争の始まりだ。世界戦争を阻む反戦闘争に総決起しよう。

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