パレスチナ「10・7蜂起」に応え全国学生は反戦闘争に総決起を 革共同中央学生組織委員会

週刊『前進』04頁(3319号03面01)(2023/11/13)


パレスチナ「10・7蜂起」に応え全国学生は反戦闘争に総決起を
 革共同中央学生組織委員会

(写真 「今すぐ停戦を!」「ガザの人々を生きさせろ!」。青年を先頭に、30万人の巨大デモがホワイトハウスに続く首都の大通りを埋めつくす歴史的な闘いとなった【11月4日 ワシントン】)

(写真 「アパルトヘイトをやめろ」「子どもたちを爆撃することのどこが自衛なんだ」【11月4日 サンフランシスコ】)

(写真 「即時停戦・即時解放」。港で早朝からピケを張り、軍用船への武器積み込みを阻んだ【11月6日 タコマ】)


 イスラム抵抗運動「ハマス」を主力とするパレスチナの武装解放勢力が決行した10月7日の蜂起から1カ月の間に、イスラエル軍の空爆と地上侵攻によるパレスチナ自治区ガザでの死者数は1万人を超えた。全世界の労働者階級人民がこの大虐殺に猛然と抗議し、陸続とパレスチナ連帯デモに立ち上がっている。パレスチナ人民の決起に応え、11・19国際反戦大闘争の巨大な爆発をかちとり、戦争の元凶=帝国主義の打倒に向かって日本階級闘争の歴史的転換をかちとろう。全国学生はその先頭で革命に人生をかけて総決起しよう!

イスラエル擁護し虐殺に加担する岸田を許すな!

 イスラエルがその「建国」の過程以来やってきたことは、パレスチナ人民の抹殺・ジェノサイドにほかならない。そしてアメリカ帝国主義の大没落による戦後世界体制の最後的崩壊の中で、10・7蜂起によって追い詰められた支配階級は、今やパレスチナ解放闘争の圧殺のための大虐殺に踏み切っている。
 ネタニヤフ政権の閣僚で極右政党「ユダヤの力」所属のエリヤフは、11月5日のラジオ番組で「今ガザ地区には民間人はいないので、原子爆弾を投下することも選択肢の一つだ」と発言した。イスラエルが本気でパレスチナ人を皆殺しにしようとしていることを自己暴露したのだ。実際ネタニヤフは、世界中がこの発言に抗議しても、エリヤフを当面の間「閣議出席停止」にする程度で済ませ、更迭するつもりすらないのである。
 何よりも許しがたいのは、このイスラエルの大虐殺戦争を、米帝のみならず日本帝国主義が擁護し、背後から支えているということである。3日にイスラエルを訪問した外相・上川陽子は、コーヘン外相との会談で「今般のハマス等による残虐な殺りく、誘拐等を含むテロ攻撃を断固として非難する」「(日本は)イスラエル国民と連帯し、テロなき世界に向けてできる限りの努力をしたい」と述べた。これはもはや、一部マスコミなどが報じるような「バランス外交の展開」というレベルをはるかに超えた、完全なイスラエル全面擁護の立場表明であり、「対テロ」の名でイスラエルが行う戦争と虐殺に日帝自身が積極的に協力し加担することを宣言したものである。上川は、ハマスの戦闘による死者数をはるかに上回る数の人民を殺害しているイスラエルに対し、形ばかりの「人道的休戦の提起」を行うのみで非難や批判は一切せず、コーヘン外相とがっちり握手を交わしたのだ。その手はパレスチナ人民の血でべったりと赤く染まった!
 パレスチナの労働組合の10月16日付の緊急要請(本紙3317号掲載)でも明らかにされている通り、イスラエルが現に行っているジェノサイドは「米国と欧州諸国の大多数からの揺るぎない支援と積極的な参加に支えられたイスラエルの計画の一部」である。
 そして今や米欧のみならず日帝もそこに公然と加わったことを、われわれは徹底的に暴露・断罪し、血まみれの戦争加担者=日帝・岸田政権打倒へ満身の怒りをもって総決起しなければならない。

民族解放闘争に敵対する日本共産党とカクマル

 日本共産党を始めとした既成の「左翼」やリベラル諸勢力の多くは、「テロは良くない」「イスラエルも悪いがハマスも悪い」などとパレスチナ人民の10・7蜂起を非難する。本紙前号で既報の通り、日本共産党は10月10日の志位和夫委員長の談話で「(ハマスの攻撃は)国際人道法違反、いかなる理由があっても許されない。強く非難する」と主張。また反革命カクマルは10月16日付の声明で「たとえ『パレスチナの大義のためである』と主張したとしても、無辜(むこ)の人民を無差別に殺害し人質にとるやり方は反プロレタリア的なものであり、われわれはそれを断じて容認することはできない」などとして、10・7蜂起への敵意と憎悪をあらわにした。イスラエルやバイデン・岸田・上川らと口をそろえて「テロ非難」の大合唱に加わり、パレスチナ人民に向かって「武装闘争をやめろ」と要求しているのだ。
 このような傲慢(ごうまん)な主張は、帝国主義と一体化して民族解放闘争に敵対するものであり、断じて労働者階級がとるべき立場ではない。これとは反対に、パレスチナ人民がイスラエルに対して武装闘争に立ち上がるのは全く当然であり、正当であり、必然であるということを、われわれは今こそ声を大にして訴えなければならない。何より、75年におよぶ米帝=イスラエルの極限的な民族抑圧と侵略・虐殺を許してきてしまった帝国主義本国の労働者階級人民に対する渾身(こんしん)の糾弾として、パレスチナ人民の10・7蜂起を真正面から受け止め、帝国主義打倒の闘いへの総決起をもってこれに応えなければならない。
 そもそもイスラエルに「無辜の人民」などというものが存在するのか。1948年の「建国」以来今日に至るまで、パレスチナ人民の土地を奪い、生活を奪い、命を奪い、その民族的尊厳を絶えず踏みにじり続ける中でしか存立し得ないのがイスラエルという国家なのであり、この日常的な暴力支配と収奪の上に暮らす者がパレスチナ人民に対する侵略者・抑圧者であることは明白である。それを「無辜の人民」などと何の批判もなく無条件に免罪すること自体が、民族抑圧を容認する腐りきった考え方なのだ。この間、イスラエルの「民間人」インフルエンサーがパレスチナ人の服装をまねて「電気も水もないガザ」をあざけり、「これからガザで楽しいパーティーが始まる」などと言いながら集団で踊る動画を投稿したが、これこそ侵略者の正体を示しているのだ。
 他方で米帝バイデンは、イスラエルによるガザ侵攻を「自衛権の行使」として擁護しつつ、「民間人の保護を最優先する国際人道法と合致するかたちで(作戦を)遂行すべきだ」(10月29日のネタニヤフとの電話会談)などと「注文」をつけている。だがそれは裏を返せば「ハマス=テロリストなら殺してもいい」ということである。イスラエルに抵抗する者は民間人ではなく「テロリスト」とみなし、「テロ掃討」を口実とする軍事作戦で非武装の人民や子どもを何千人、何万人と虐殺することも意に介さないということだ。そして同じく人民の犠牲をいとわないゼレンスキーもまた「イスラエルの自衛権」を断固支持しているのだ。
 この間、米帝は「人道的一時休戦」を提案するなどして必死に「人道尊重」を装おうとしているが、その狙いは一時的な「休戦」または「停戦」の後に民族解放・革命戦争の圧殺のための侵略戦争を再開し、米帝=イスラエルの支配下での「秩序」を回復させることにある。パレスチナ人民が求めているのは、このようなイスラエルの暴虐極まる支配の復活を意味するだけの「休戦」や「停戦」などではなく、パレスチナの真の解放であり、軍事基地国家=イスラエルそのものの解体にほかならない。
 「パレスチナ連帯」とは生半可なスローガンではないのだ。このことを厳粛に確認し、帝国主義の打倒以外に決着はないことを徹底的にはっきりさせて、日帝打倒の反戦闘争の爆発を全力でかちとろう。

11・19国際反戦大闘争の成功かちとり日帝打倒へ

 米帝は今やウクライナ・中東・東アジアの三正面で戦争を激化させている。この三正面はいずれも、第2次大戦後の世界体制を確立する上で決定的な意味を持った地域だ。すなわち、①ドイツの東西分割と東欧諸国の「緩衝地帯」化、②中東における軍事基地国家=イスラエルの「建国」、③朝鮮やベトナムの南北分断、中国本土と台湾の分離といったアジアにおける分断体制の形成----という三つの地域での特異な支配体制の確立をもって、帝国主義とスターリン主義の戦後世界体制は初めて成立し得たのである。それが今や米帝の大没落=戦後世界体制の最後的崩壊という事態の中で、この三正面のすべてにおいて戦争と革命の火を再燃させているのだ。
 米帝バイデンは懸命に「民主主義と専制主義の戦い」という図式を演出し、自らを「民主主義陣営の盟主」として押し出しながら世界戦争へ突き進んでいる。だが「民主主義」の看板を掲げた支配の崩壊は何よりもアメリカ国内で激しく進行している。2008年リーマン・ショックから今日まで、一方では米帝支配階級内部の分裂・対立と米国民の分断が内戦的様相を示すほどに激化し、他方では階級闘争の歴史的な高揚がかちとられている。ミネソタ州ミネアポリスで20年5月に起きた警官による黒人男性虐殺事件を発端とする黒人解放闘争(BLM運動)の爆発、人工妊娠中絶権を否定した22年6月の米連邦最高裁判決に対する女性たちの反乱に続き、今では戦時下インフレを契機とする労働組合運動の歴史的高揚が始まっている。
 今日の情勢の特徴は、基軸国・米帝をはじめとした帝国主義本国において、階級闘争がブルジョア民主主義の枠内に収まらなくなったことだ。「黒人のオバマ」や「女性のヒラリー・クリントン」が大統領(候補)になろうが、バイデンやトランプが労組スト現場に足を運んで「連帯」を表明しようが、今日の資本主義の危機と階級対立の非和解性を緩和することはできない。それと同時に、これまで支配階級の先兵となって労働者を支配してきた既成政党や労組指導部の腐敗に対して、現場労働者の新たな反乱と決起が広範に生み出されている。
 レーニンは第1次大戦の真っただ中で、次のように喝破した。
 「日和見主義は、もはや今では、それが19世紀の後半にイギリスで勝利をしめたのと同様に、数十年の長きにわたってある一国の労働運動における完全な勝利者となることはできない。反対に日和見主義は、幾多の国で、終局的に成熟し、爛熟(らんじゅく)し、ついに腐敗してしまって、社会排外主義として、ブルジョア政治とすっかり融合しあっている」(レーニン『帝国主義論』)
 今、これと同じ状況がすべての国で広がっている。11月労働者集会は、このような時代に労働者階級の闘いが本当に力を発揮していくためにこそ営々と取り組まれてきた。その中でかちとられてきた日韓米を基軸とする国際連帯闘争は、ついに開始された世界戦争を世界革命に転化するために、今こそその真価を発揮しなければならない。

全学連を先頭に反戦闘争爆発へ

 11月集会に結集する勢力が今日の戦争情勢に立ち向かい、若い世代を中心に隊列を拡大することができるのは、労働者階級の立場に徹底的に立ちきって、何よりも自国政府=帝国主義と闘うことを貫いてきたからである。これに反して、帝国主義こそ戦争の元凶であるということを見据えず、自分たち自身の闘いで帝国主義を打倒する立場に立てない勢力は、軒並み帝国主義の軍門に下るか闘いを放棄するかの道に転落している。だがこうした運動潮流が崩壊しても、労働者階級は今日の世界戦争下で闘いの方針を求めており、広範に強力に立ち上がろうとしている。その時代が完全にやってきた。11・19全国労働者総決起集会は、日本階級闘争の新たな段階を必ず押し開く場となる。何よりも青年・学生の11・19への大結集をかちとろう。青年・学生こそが中心部隊を担い、日本階級闘争の次の局面を切り開こう。11・19で反戦闘争を基軸とする荒々しい階級闘争の本格的幕開けの号砲を鳴らそう。
 さらに、全国学生は12月15日、闘う京都大生が中心になって呼びかける全国学生反戦集会に結集しよう。パレスチナ連帯・ウクライナ反戦闘争のますますの爆発をかちとろう。軍事研究と学生弾圧で成り立つ腐り切った大学を粉砕し、大学を反戦闘争の拠点として打ち立てよう。パレスチナ人民と連帯し、全学連を先頭に今秋・今冬の巨大な反戦闘争の爆発に向かって命懸けの決起を実現しよう!

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