カナダ議会、元ナチ親衛隊を称賛 「ウクライナ支援」の正体あらわ ゼレンスキーは帝国主義の手先
週刊『前進』04頁(3314号04面03)(2023/10/09)
カナダ議会、元ナチ親衛隊を称賛
「ウクライナ支援」の正体あらわ
ゼレンスキーは帝国主義の手先
ウクライナ戦争はアメリカ帝国主義と北大西洋条約機構(NATO)諸国による対ロシア戦争としての本質をますますむき出しにしながら長期化・泥沼化し世界戦争・核戦争を引き寄せている。ゼレンスキーは帝国主義の手先だ。しかも、ゼレンスキーと帝国主義を結びつける環に、ナチスが存在する。カナダ下院でのゼレンスキー演説を機に、その実態は全世界に暴かれた。
世界中から抗議が殺到
カナダ下院は9月22日、ゼレンスキーを招いて演説させた。そして、カナダ在住のヤロスラフ・フンカを「第2次大戦中、ウクライナの独立のためにロシア人と戦い、現在98歳になっても戦いを続けている英雄」として紹介し、満場のスタンディング・オベーションを贈った。フンカはナチス・ドイツの占領下で第14武装親衛隊(SS)に志願し、ユダヤ人を大虐殺した人物であり、SS時代を「私がもっとも輝いていた時」と言っている。自ら虐殺の先頭に立ったのだ。第14武装親衛隊はユダヤ人大虐殺に加え、ポーランド人、ハンガリア人、スロベニア人、ロシア人も虐殺した。ウクライナ人もナチスへの非協力者は殺された。そのフンカを賛美したカナダ議会に全世界の弾劾が殺到した。カナダ議会は「彼を招いたのは過失だった」として下院議長の辞任で済ませようとしているが、「第2次大戦中にロシア人と戦った」の意味は取り違えようがない。当時のウクライナでソ連軍と戦った軍事組織はナチスだ。カナダのトルドー内閣のフリーランド副首相(兼財務相)の祖父はウクライナのナチ幹部であり、現在も彼女の政治基盤は亡命ウクライナ人団体だ。長年のこうした親密な関係に慣れすぎていたため、世界の弾劾は想定できなかったのだ。
米帝が元ナチスを保護
戦後、米帝は日本ではA級戦犯・岸信介や731部隊を保護・育成し、ドイツやウクライナでもナチを保護して、その東欧・ソ連の土地勘と弾圧の経験を利用した。ウクライナのナチ組織OUN―B(ウクライナ民族組織バンデラ派)のヤロスラフ・ステツコは、米英の資金でABN(反ボルシェビキ諸民族ブロック)という組織を作り、1946―47年にはドイツで「ソ連のスパイ」の暗殺作戦を行うと共に、カナダに亡命者を大量に移住させた。ドイツ本国のナチの多くは「アメリカの裏庭」といわれた中南米に亡命させたが、ウクライナ・ナチはカナダに引き受けさせた。当時のカナダ政府はハーケンクロイツ(かぎ十字、ナチスの党章)の入れ墨がある者は無条件に入国させたという。
このABNは、カナダ国内のウクライナ亡命者社会を最大の基盤として、台湾の蒋介石政権、日本の勝共連合(統一協会)などと共に世界反共連盟(WACL)を形成し、米帝の反共政策の先兵になった。米軍の軍事介入だけでは全世界の労働者人民の闘いを抑えられない米帝は、ナチ党員・極右の養成を必要とした。ブルジョア政権であっても米帝の意に沿わない場合は、こうした勢力にクーデターを起こさせた。米帝は「民主主義」を語るが、実際にはナチスを重用してきた。これがウクライナ戦争で全世界に暴かれたのだ。
NATOの結束は崩壊
米帝主導の経済制裁による物価高騰、生活破壊への怒りが世界で沸騰している。NATO諸国での闘いの爆発は米帝にとって重大な危機だ。ソ連・ソ連圏の崩壊以後、ポーランドは米帝が最も深く関与し、影響力を持ってきた国だ。だがそのポーランドが急速に米帝の戦争から離れている。ポーランドでは、フンカへのスタンディングオベーションに憤激が高まる中で、教育相がフンカのポーランドへの送還を要求した。
ハンガリーやスロベニアでも怒りが拡大している。ウクライナに隣接するあらゆる国で、米帝とNATOによるウクライナ戦争への反対運動が拡大している。急速に求心力を失った米帝は取り戻しに必死になり、世界戦争・核戦争に突進している。これを止めることができるのはプロレタリア世界革命だ。