宮古島報告――闘う人々と合流
　〝ミサイル基地いらない〟
　沖縄大学学生自治会委員長
　赤嶺知晃

　世界戦争の端緒としてウクライナ戦争が始まり、日米政府は世界戦争の主戦場としての中国侵略戦争に突き進んでいます。中国侵略戦争は沖縄本島など琉球弧の島々を戦場にすることを前提にしており、10月14～31日には対中戦争のための軍事計画を具体的に訓練するための軍事演習「レゾリュート・ドラゴン23」が九州・沖縄を舞台に始まります。
　私は日米政府による軍事演習と琉球弧の島々の戦場化を阻止するために、９月に宮古島を訪問しました。ミサイル基地反対で闘う市民団体のＳさんに案内をしてもらい、闘う住民の方と連帯し、闘争の歴史を学ぶことができました。
　宮古島には沖縄戦中、３万人の日本兵が駐留していました。当時、５万人の島民に対してあまりに多くの兵士が駐留し、戦争の過程で海路も空路も絶たれ、補給もできなくなったので、多くの島民が飢餓に苦しみました。宮古島案内の途中では海軍特攻艇を秘匿した壕も見ましたが、島の各所に戦跡がありました。
　伊良部大橋を渡って向かった下地島には、岸田政権が軍事利用を狙う下地島空港がありました。伊良部島の長山港には20㍉機関砲を搭載した海上保安庁の船が並んでおり、中国への排外主義が高まる中、２隻だった船は、今では12隻が配備されています。
　陸上自衛隊宮古島駐屯地には、住民をだまし討ちにして建てた弾薬庫があります。駐屯地の正門にはライフルを持った自衛隊員がおり、私たちが現地調査をしている時、その自衛隊員が市民を威圧することもありました。
　その後も陸自保良（ぼら）訓練所や、ハンセン病患者を収容する施設として始まった南静園の見学にも行きました。ここでは書ききれないほどの軍事化の実態があり、日本政府が宮古島全体を戦場にしようとしていることを実感し、怒りがこみ上げてきました。
　一方で宮古島は、誇り高い民衆の闘いが巻き起こった島でもあります。騒乱罪が適用された１９６５年の宮古島農民弾圧事件や、下地島空港建設反対運動など民衆の闘いの歴史があります。闘う電通労働者の歴史もあります。
　こうした闘いは現在も脈々と受け継がれています。宮古島に着いた時、空港のすぐ目の前に掲げられた「ミサイル基地いらない」のノボリを見たときには感動しました。
　宮古島駐屯地の正門前には、「ミサイル基地いらない」のノボリや横断幕が設置されています。そこで行われた抗議行動に参加しましたが、自衛隊の重苦しい雰囲気を粉砕する明るさと力強さがありました。宮古島市内での抗議スタンディングには、たくさんの宮古島市民の方が手を振って応援してくれました。
　沖縄本島や全国でも宮古島の不屈の怒りと闘いに連帯して闘争を巻き起こせば、自衛隊基地を撤去し、世界戦争を止めることができると確信しました。
　再びの沖縄戦を阻止するために全力で闘いに立ち上がる決意です。