関生弾圧で最高裁が反動判決 加茂生コン事件 逆転無罪を破棄 労組の反撃恐れた暴挙許すな

週刊『前進』04頁(3314号02面03)(2023/10/09)


関生弾圧で最高裁が反動判決
 加茂生コン事件 逆転無罪を破棄
 労組の反撃恐れた暴挙許すな


 全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部への弾圧は戦時下での労組つぶしの攻撃だ。労働者の権利を守り、戦争を阻むため、何としてもこの弾圧を打ち破ろう。弾圧との闘いは今も激しい攻防が続いている。
 最高裁は9月11日、加茂生コン事件の判決を出し、一部を逆転無罪にした大阪高裁判決を破棄して、審理を高裁に差し戻した。この反動判決を徹底弾劾する。
 加茂生コン事件とは2017年11月、子どもの保育園入所に必要な就労証明書の組合員への交付を拒んだ会社に対し、関生支部が抗議したことが、2年後に「強要未遂」にでっち上げられた弾圧だ。会社は、労働者が関生支部に加入する前までは就労証明書を交付していたのに、加入後はそれを拒否してきた。典型的な不当労働行為だ。これに対する関生支部の抗議は、きわめて正当で当然の労働組合活動だ。
 一審京都地裁は「就労証明書の交付は会社の法的義務ではない」という検察の主張を丸のみして、組合員2人に有罪判決を出した。だが控訴審の大阪高裁判決は、「就労証明書の交付は労働契約に付随する信義則上の義務」と判断して、組合員1人に逆転無罪を言い渡した。
 今回の最高裁反動判決は、就労証明書の交付が会社の義務であることを認めつつも、「人に義務の履行を求める場合であっても、その手段として脅迫が用いられ、その脅迫が社会通念上受忍すべき限度を超える場合には、強要罪が成立し得る」とした。関生支部の正当な抗議行動を「脅迫」と決めつけたのだ。
 加茂生コン事件は、どんな口実をこじつけても関生支部をつぶすという、国家権力と資本の凶悪な意図を象徴している。「子どもの保育園入所のための書類の交付を会社に求めたことのどこが犯罪なのか」という民衆のまっとうな怒りは、関生支援の運動が広がる大きなきっかけになった。
 こうした運動も背景に、関生支部は不屈に団結を守り抜き、現場攻防を軸に反転攻勢を切り開いてきた。和歌山広域生コン協組事件では、検察を上告断念に追い込んで、大阪高裁の逆転無罪判決を確定させた。
 国家権力はこの闘いに心底から恐怖し、反転攻勢を押しとどめようと必死になっている。今回の最高裁反動判決は、岸田政権による戦時体制構築の攻撃の最先端に位置するものだ。
 関生支部、全国金属機械労組港合同、動労千葉が呼びかける11・19労働者集会に大結集し、労働者の怒りと力で関生弾圧を打ち破ろう。戦時下の労組つぶしを許さず、ストライキを復権させ、階級的労働運動をよみがえらせよう。労働者の国際連帯で戦争を阻止しよう。決戦の時は今だ。
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