動労千葉定期大会 組合員の総力で組織拡大へ 戦争止める労働者の力示す時

週刊『前進』04頁(3314号02面01)(2023/10/09)


動労千葉定期大会
 組合員の総力で組織拡大へ
 戦争止める労働者の力示す時

(写真 関道利委員長があいさつに立ち、「動労千葉の団結と闘いを次世代に引き継ごう」と訴えた【10月1日 千葉市】)

 動労千葉は第53回定期大会を10月1、2日、千葉市のDC会館で開いた。この大会で動労千葉は、同労組の団結と闘いを次世代に必ず引き継ぐ決意を込めて、「70歳まで原則組合員」という重大方針を決定した。
 時代は歴史の分岐点にある。ウクライナ戦争は長期化・泥沼化し、日米政府は中国侵略戦争に突進している。米軍高官は「2027年までに台湾有事が起きる」と公言し、日本政府は南西諸島に敵基地攻撃能力を持つ自衛隊の配備を進めている。JRをめぐっても、JR東日本は「グループ経営ビジョン変革2027」で、27年度までに「労組なき社会」化と鉄道事業からの脱却などのJR大再編を強行する計画だ。この数年が勝負の時だ。
 この情勢下、動労千葉は組合員の多くが60歳定年後65歳までの再雇用期間にある現実も直視して、同労組の存在意義を今この時に発揮するため、「70歳まで原則組合員」の方針を決断した。それは、団結した労働者の闘いに戦争を止め社会を変える力があることを、全労働者に示す挑戦だ。
 あいさつに立った関道利委員長は、1979年3月30日の動労千葉結成から45年かけて築いてきたかけがえのない闘いと団結を継続するため「70歳まで原則組合員」の方針を提起したと述べ、組合員の力を集めて動労千葉の運動を次世代に引き継ごうと訴えた。そして、この方針を提案した根拠として、①ウクライナ戦争が世界戦争・核戦争を引き寄せ、特に岸田政権が突出して戦争に突き進んでいること、②資本主義の危機が戦争と生活破壊を生み出す中で、全世界で労働者がストライキで反撃に立ち、日本でもそごう・西武のストが示したように労働運動再生の可能性が生まれていること、③だからこそ国鉄分割・民営化以来の労働運動の後退に立ち向かい、団結を守り抜いてきた動労千葉が、階級的労働運動再生の先頭に立たなければならないこと——を挙げた。
 関委員長はさらに、「IT企業化」を叫ぶJRに対し、労働者の権利と鉄道の安全を守るためには闘う労働組合が絶対に必要だと強調し、組織拡大への全組合員の決起を訴えた。
 そして、国際連帯20周年を迎える今年の11月労働者集会は、日米韓軍事同盟の強化に対し労働者の国際連帯で戦争を止める集会だと力説して、集会への総結集を呼びかけた。
 渡辺剛史書記長が、①IT企業化と廃線化を強行するJRの大再編攻撃との対決、②1047名解雇撤回、③3労組共闘・労組交流センターを軸にした闘う労働運動の再生、④戦争に突進する岸田政権打倒、⑤動労千葉の組織強化・拡大——を軸とする運動方針を打ち出した。そして、JR採用世代には運動を引き継ぐ決意があり、先輩たちは「生涯組合員」の気概で闘ってほしいと呼びかけた。

雇用延長求め闘う

 討論では、駅業務を請け負うJESS(JR東日本ステーションサービス)で65歳以上の組合員を雇い止めにする攻撃がかけられたことが報告され、65歳以上の雇用延長を拒むCTS(千葉鉄道サービス)との闘いも含め、70歳まで雇用を延長させる闘いの強化が確認された。慢性化した要員不足にまともな対策もとらず、最低賃金が上がっても非正規職の時給は10円しか上げないCTSへの怒りも出された。検修職場の代議員はローカル線で倒木が放置され車両の損傷が頻発する実態を暴き、木更津支部の代議員は久留里線廃止絶対阻止の決意を示した。貨物職場の代議員は、動労千葉破壊のため千葉機関区に新規採用者を一人も配属しない攻撃を続けるJR貨物を弾劾した。各代議員が次々と組織拡大の決意を語った。
 総括答弁で関委員長は改めて、動労千葉の闘いを次世代につなげ、反戦の砦(とりで)としての労組の団結を維持するために全組合員の奮闘を呼びかけた。
 運動方針を採択し、スト権を確立して、動労千葉は厳粛な決意で、戦時下に階級的労働運動を再生させる新たな挑戦に踏み出した。
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