10・21新宿反戦デモの爆発を 人民の怒りで岸田倒せ ウクライナ参戦許すな

週刊『前進』04頁(3314号01面01)(2023/10/09)


10・21新宿反戦デモの爆発を
 人民の怒りで岸田倒せ
 ウクライナ参戦許すな


 ウクライナ戦争は、アメリカをはじめ全帝国主義を危機のどん底にたたき込みながら泥沼化・長期化している。最大の戦争主体であるアメリカ帝国主義・バイデン政権は、ウクライナ軍の「反転攻勢」の行き詰まりに焦りを深め、ついに射程300㌔を超す長射程ミサイルの供与を決定した。日本帝国主義・岸田政権もまたウクライナ参戦と中国侵略戦争への突入に向け、大軍拡・戦争国家化を推し進めている。絶対に許すことはできない。10・21国際反戦デー闘争をはじめとする10月反戦闘争の巨大な爆発をかちとり、11・19全国労働者総決起集会/改憲・戦争阻止!1万人大行進を「国際反戦大集会」として大成功させよう!

史上初の米下院議長解任

 10月3日、アメリカ連邦議会下院でマッカーシー議長(共和党)に対する「解任動議」が可決された。下院議長の解任動議可決は米史上初だ。この間、下院では小差で過半数を占める共和党が歳出削減を求めて24会計年度予算案に強硬に反対。審議が難航し、このままでは10月1日から連邦政府機関が閉鎖されるという状況だったが、マッカーシーが民主党との妥協に動いた結果、45日間の「つなぎ予算」が9月30日に成立した。閉鎖はぎりぎりで回避されたが、共和党強硬派がこれに猛反発してマッカーシーの解任動議を提出、民主党がそれに賛成して議長解任となったのだ。
 重大なのは、この「つなぎ予算」からウクライナへの追加支援が除外されたことだ。そうする以外に超党派で予算を成立させることは不可能だったからである。バイデンはこの事態に大打撃を受け、大慌てで主要7カ国(G7)の首脳に電話会談を呼びかけて「ウクライナ支援の継続」を確認するなど対応に追われている。
 欧州諸国でもウクライナ戦争をめぐって支配階級内部が大分裂し、軍事支援の継続が困難となる事態が次々と発生している。10月2日には「ウクライナとの連帯をアピールするため」として欧州連合(EU)27カ国の外相がキーウ(キエフ)で外相会合を開催し「結束を確認」した。しかし、穀物輸出をめぐるウクライナと隣国ポーランドの対立に続いて、同じく隣国の一つであるスロバキアでは、9月末に行われた総選挙で「ウクライナ支援の停止」を掲げる左派が第一党となった。ウクライナ戦争の長期化とそれに伴う世界的な食糧・燃料価格の高騰に対して、労働者民衆の不満と怒りが渦巻き、世界中で階級闘争が激化している。これに全参戦国の政府が激しく揺さぶられているのだ。
 「各国で広がるウクライナ支援疲れ」などと報じられている事態の根底にあるのは、長引く戦争とそのもとでの生活破壊に怒る労働者階級人民の決起にほかならない。

国際反戦闘争のうねりを

 ウクライナ軍の反転攻勢が行き詰まる中、米帝・バイデンとゼレンスキーは泥濘(でいねい)期の到来を前になんとか事態を打開しようと焦り、この間は特にクリミア半島へのミサイル攻撃を強めている。日本のマスコミも連日のように「司令部の会議を直撃」などとウクライナ当局の発表をそのまま垂れ流しているが、実際にはクリミアの住民の頭上にミサイルが降り注いでいるのだ。
 革共同は何度でも訴える。ウクライナ戦争は「ロシアの侵略からウクライナ人民を守る戦争」では断じてない。この戦争は米帝が主導する「ウクライナを前面に立たせた対ロシア戦争」であり、大没落し行き詰まる基軸国・米帝がその世界支配の維持と延命をかけてロシア・中国を相手に仕掛けている帝国主義戦争―世界戦争の一環である。ゼレンスキーはその先兵にほかならない。全世界の労働者階級人民は、このような戦争を一刻も早く終わらせなければならない。
 そのために必要なのは国際反戦闘争の巨大なうねりをつくりだすことであり、帝国主義=自国政府を打倒する労働者階級人民の内乱である。帝国主義者はどこまで危機に追い詰められても、自ら戦争をやめることはない。国境を越えた反戦闘争の爆発で帝国主義を打倒することこそ、全世界の労働者階級に課せられた世界史的責務だ。
 とりわけ日本における反戦闘争の爆発は重要だ。日帝・岸田政権は、この世界戦争に帝国主義としての死活をかけて主体的・積極的に参戦しようとしている。米帝が進める「ロシアを抑えつけ、中国を打ち負かす」世界戦争戦略と一体で、南西諸島を主戦場とする中国侵略戦争を「日帝自身の戦争」として戦うために、自衛隊ミサイル部隊の配備、米軍との軍事演習を飛躍的に強めている(関連記事3面)。日帝のウクライナ参戦・中国侵略戦争阻止を掲げ、10・21国際反戦デー闘争をかちとろう。

反戦の大行進を11・19へ

 岸田は、バイデンが呼びかけた電話でのG7首脳会談で、「来年1月に日ウクライナの経済復興推進会議を開催する」と表明した。日帝はすでにウクライナ軍負傷兵の自衛隊中央病院での受け入れを開始するなど、事実上のウクライナ参戦国となっている。「ウクライナ経済復興」なるものも単なる経済政策ではなく、軍事支援を伴ったものとなることは明白だ。
 こうした中で岸田政権は、沖縄・辺野古新基地建設に向け、新たな区域の埋め立て工事に必要な防衛省の設計変更申請を10月4日までに承認するよう沖縄県に指示した。これに玉城デニー県知事が4日付で「(最高裁判決を精査するため)期限までに承認を行うことは困難」と回答すると、斉藤鉄夫国土交通相は5日、国が県に代わって申請を承認する「代執行」のための訴訟を福岡高裁那覇支部に起こした。有無を言わさず暴力的に手続きを進めることで、一切の抵抗をねじ伏せ屈服させようとしているのだ。同じく5日には、福島原発汚染水の2回目の放出も強行した。
 岸田は5日には連合大会に出席し、20日からの臨時国会で「経済対策に専心」「成長の成果を国民に還元」「賃上げ減税」などの大ペテンで、総選挙に向け連合を取り込もうとしている。だがその財源は社会保障の徹底的削減であり、中国侵略戦争への大軍拡が一切に優先しているのだ。
 大軍拡・改憲・戦争に突き進む岸田の大増税と社会保障解体の攻撃に対し、怒りの声はますます広範に拡大している。この間、全国各地で行われている反戦デモでは新たな仲間の参加が続々とかちとられている。青年・学生・高校生をはじめ、労働者人民は現在の情勢と戦争を「資本主義の危機の問題」と直感的につかみ、具体的な行動を求めているのだ。帝国主義の総力を挙げた戦争と排外主義の攻撃を打ち破り、全国に「改憲・戦争阻止!大行進」の旗を打ち立てよう! 10・21国際反戦デー新宿デモに結集し、新宿を反戦の渦で占拠しよう。
 最末期帝国主義の新自由主義攻撃に勝ち抜き団結を守り抜いてきた全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同、動労千葉の3労組などが主催する11月労働者集会は今年、国際連帯集会となってちょうど20周年を迎える。今日の世界戦争下で国際連帯闘争はますます重要になっている。ここにこそ戦争を止め、社会を変える力がある。戦争反対のすべての怒りと決起を11・19に組織しよう。帝国主義の侵略戦争を自国政府打倒の内乱に転化しよう!

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