三里塚耕作権裁判 同意書・境界確認書に証拠価値なし NAAの主張崩れる

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週刊『前進』04頁(3313号04面01)(2023/10/02)


三里塚耕作権裁判
 同意書・境界確認書に証拠価値なし
 NAAの主張崩れる

(写真 耕作権裁判勝利へ! 市東孝雄さん【中央】ら三里塚反対同盟を先頭に千葉地裁に向かってデモ【9月25日 千葉市】)

 市東孝雄さんの南台農地をめぐる耕作権裁判が9月25日、千葉地裁民事第2部(齊藤顕裁判長)で開かれた。
 開廷に先立ち、千葉市中央公園で決起集会が行われた。最初に東峰の萩原富夫さんが発言した。「2月の天神峰農地強制執行のようなことは二度と許さない! 11月から毎月証人尋問が行われる。この中で『市東さんが不法耕作している』などという成田空港会社(NAA)の訴えがでたらめであることを証明する。裁判に絶対に勝とう」
 さらに各団体からの連帯発言を受け、千葉地裁に向けてデモを行った。

次回から証人尋問

 午前10時30分に開廷した。齊藤裁判長は9月8日の進行協議の場で結論的に次のように明言した。原告NAAが裁判所の文書提出命令に従わないことで、「同意書」「境界確認書」によって賃借地の位置の特定はできない、と。
 これは重大な勝利だ。この裁判の最も主要な争点である同意書、境界確認書の信用性、証拠価値について、裁判長が「ない」と認めたのだ。この二つの文書に添付された地図だけが、原告NAAの土地の位置特定の唯一のよりどころになっていた。だがこれらにまつわる関連文書・資料(空港公団用地部で当時に作成されたはずの報告書など)について「ない」と強弁し、「担当者は死んだのでわからない」としらを切るのがNAAだ。そんな怪文書に等しい同意書、境界確認書を「証拠として認めろ」などという横暴が裁判所に否定され、敵の主張の最重要論点がついに崩れてしまったのだ。
 しかし、それは自動的に市東さん側の勝利を意味するものではない。裁判長は、被告・市東さん側の責任で賃借地の位置、その土地の賃借権の存在を立証することを求めてきたのだ。その成否をかけて今後、人証調べ(証人尋問、本人尋問)が行われる。第1回は11月13日、元空港公団用地部職員の法理哲二と航空写真鑑定家。
 報告集会が千葉県弁護士会館で開かれ、最初に市東さんが、「いよいよ人証の段階です。傍聴のみなさんの力が大事。NAAを追及しましょう」と述べた。続いて弁護団が「同意書、確認書の証拠価値なし」を認めさせた勝利を確認し、市東家の賃借権証明のために、特に古くからの三里塚活動家の方々は、市東東市さんが耕していたころの情報をありったけ寄せてほしいと強く訴えた。
 最後に反対同盟事務局員の伊藤信晴さんが、10・8集会大結集を呼びかけた。
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