岸田打倒の大反戦闘争を 10・21新宿反戦デモから11・19へ

週刊『前進』04頁(3313号01面01)(2023/10/02)


岸田打倒の大反戦闘争を
 10・21新宿反戦デモから11・19へ

(写真 9・23全国闘争 ウクライナ戦争ただちにやめろ 「戦争に突き進む岸田政権を倒せ!」。全学連を先頭に首相官邸へ進撃【9月23日 東京都港区】)


 改憲・戦争阻止!大行進が呼びかけた9・23首都反戦デモは、「ウクライナ戦争をただちにやめろ! 岸田の参戦許すな!」を訴える反戦闘争としてかちとられた。集会は「ウクライナ戦争は徹頭徹尾、米国の対ロシアの帝国主義戦争だ」と弾劾し、戦争の元凶である帝国主義の打倒に向かって「今秋、岸田政権打倒の反戦闘争の巨大なうねりを開始しよう」と鮮明に提起した。労働者の生活を破壊し戦争へと突き進む岸田政権への怒りは地に満ち、改憲・戦争阻止!大行進のデモに新たな参加者が続々と結集し始めている。10・8三里塚全国総決起集会を闘い、全国で10・21国際反戦デー闘争を組織しよう。岸田打倒の大反戦闘争を巻き起こし、11・19労働者集会への大結集をかちとろう。

激化する戦争と米帝危機

 米バイデン政権は、泥濘(でいねい)期の到来を前に、行き詰まる「反転攻勢」の打開をかけてウクライナへの軍事支援をエスカレートさせている。米主力戦車「エイブラムス」を前倒しして実戦配備し、9月21日にはロシア本土を直接攻撃できる射程300㌔の長射程ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」の供与を決定した。
 ウクライナ戦争は「アメリカ帝国主義の戦争」としてますます激化し、泥沼化している。米帝は昨年1月から今年5月までの間に総額約768億㌦(約11兆2千億円)のウクライナ支援を行っているが、長引くインフレが労働者の生活を直撃し、米CNNが7月に実施した世論調査によると国民の55%がウクライナへの追加予算承認に反対している。連邦議会では下院の多数派を占める共和党が240億㌦(約3兆5千億円)の追加支援策に反対し、議会で予算がまとまらず政府機関が閉鎖に追い込まれる危機に直面している。
 さらにバイデンの支持基盤である全米自動車労組(UAW)のストライキが拡大し(記事4面)、国内の階級対立も先鋭化している。バイデンは、冬までに「反転攻勢」で目に見える成果を上げなければ決定的危機に陥る。しかし、大没落を開始した米帝が存亡をかけて中国・ロシアを粉砕する戦争に踏み込んだ以上、ウクライナから手を引くことは絶対にできない。
 一方、孤立し危機を深めるウクライナのゼレンスキーも、18~60歳の男性に限ってきた兵役の対象を10月1日から拡大。新たに18~60歳の医師や看護師ら女性労働者に兵役登録を義務づけると発表した。ウクライナ軍が南部戦線(ザポリージャ戦線)でロシアの防衛線を突破したことが大きく報じられているが、戦況打開にはほど遠く、戦場では今も多数の青年や労働者が犠牲にされているのだ。
 ウクライナ戦争は米日帝の中国侵略戦争とも連動し、世界戦争としてますます激化している。このような戦争に労働者の未来などない。戦争を止めるのは今だ。9・23闘争の地平をさらに発展させ、帝国主義を打倒する反戦デモを全国各地で大爆発させよう。

戦争とめ岸田倒す決戦へ

 ウクライナ戦争の行き詰まりは米帝の中国侵略戦争の動きを加速させている。
 米軍は台湾軍の訓練強化に乗り出し、2025年までに600~800人規模で編成する台湾陸軍大隊を米軍基地で訓練すると発表した。「台湾有事をにらみ、台湾軍が自力で緒戦を戦えるように能力を強化する」ことが狙いだ。米中首脳会談が模索され衝突回避に向けた努力がなされているように見えるが、実際は中国スターリン主義体制の転覆を目指した本格的な世界戦争体制づくりが急速に進められているのだ。
 さらに、10月14~31日に陸上自衛隊と米海兵隊6400人が参加し、北海道、九州、沖縄で国内最大級の日米共同訓練「レゾリュート・ドラゴン23」が行われる。米海兵隊の「遠征前進基地作戦(EABO)」と陸自の「領域横断作戦」の連携を柱に、空自・海自も初参加して南西諸島の戦場化を前提とした中国侵略戦争の大規模実動訓練が行われようとしているのだ。しかも今回、沖縄県では初めて民間空港である新石垣空港が使用され、陸自V22オスプレイによる輸送訓練が強行されようとしている。
 戦略国際問題研究所(CSIS)などのアメリカの有力シンクタンクが繰り返し指摘するように、米帝の中国侵略戦争において戦略上「群を抜いて最も重要」な位置にあるのは日本だ。そのことを日本帝国主義の支配階級も自覚し、日帝自身が主体となった戦争へ突き進もうとしている。日帝は米帝以上に経済も財政も大崩壊し、帝国主義として存続できるかどうかの瀬戸際にある。日帝の根底的な危機が、後戻りのできない形で社会を戦争に引きずり込んでいるのだ。
 こうした中で、岸田は解散・総選挙を構えて動き出している。この総選挙は、殺傷能力のある武器輸出、5年間で43兆円の大軍拡予算のための大増税、9条改憲に向かって一切の「戦後民主主義」的あり方を最後的に解体し、戦争国家へのクーデター的転換を狙う大反革命攻撃としてある。
 11・19全国労働者総決起集会に向かう1カ月半の闘いが重大な階級決戦となった。敵の迫力を超え、帝国主義戦争を内乱に転化する反戦デモ、中国侵略戦争に突き進む岸田打倒の実力闘争をたたきつけなければならない。改憲・戦争阻止!大行進東京は「反戦の渦で新宿を占拠しよう」と訴えて10・21国際反戦デー闘争を呼びかけている。全国で改憲・戦争阻止!大行進の10・21反戦デモを組織しよう。

国際反戦大集会の成功を

 全日建運輸連帯労組関西地区生コン支部、全国金属機械労組港合同、国鉄千葉動力車労組、国鉄闘争全国運動、改憲・戦争阻止!大行進の呼びかける11・19労働者集会は、階級的労働運動をよみがえらせ、労働者の国際連帯で帝国主義の世界戦争・核戦争を阻止する唯一の闘いだ。
 その主体的条件は何より、新自由主義攻撃に勝ち抜き団結を守り抜いてきた関生、港合同、動労千葉の3労組の闘いの中にある。
 関西地区生コン支部は近畿一円の生コン労働者を組織し、ゼネコンやセメントの独占資本―大企業の収奪・支配を打ち破る画期的な産業別労働運動を形成してきた。1982年に国家権力の大弾圧が襲いかかり、それと一体で運輸一般中央本部、日本共産党から除名攻撃、組合分裂策動が行われるが、これをはねのけて83年に「関西地区生コン支部労働組合」と組織名称を改め、闘いをさらに発展させた。2018年からは延べ89人もの組合員が不当に逮捕される未曽有の大弾圧がかけられるが、関生支部はこれに立ち向かい、反転攻勢へと転じている。
 港合同は1970年代の経済危機を背景とした企業倒産・組合つぶし攻撃に勝ち抜いた労働組合だ。経営者は港合同をつぶすために企業を丸ごとつぶす倒産攻撃を激化させたが、拠点の田中機械で工場占拠・自主生産を闘い抜き、88年には倒産争議に勝利した。
 そして動労千葉は79年に動労本部から分離・独立をかちとり、81年からの第2臨時行政調査会(臨調)攻撃から89年に至る「戦後最大の労働運動破壊」攻撃=国鉄分割・民営化に唯一ストライキで立ち向かい団結を守り抜いてきた。
 反戦を貫き、資本・国家権力の総力を挙げた労組弾圧、倒産攻撃、労働運動破壊に勝ち抜いてきた3労組の闘いの中に、世界戦争を阻止する階級的労働運動復権の展望がある。
 この3労組の闘いは、2003年のイラク反戦闘争を機に韓国・民主労総や米港湾・教育労働者などの闘いと結びつき、中国侵略戦争に向かう日米韓軍事同盟に立ちはだかる強固な国際連帯闘争に発展している。
 3労組を先頭に、今年の11月労働者集会を世界戦争を阻止する重大な決意を込めた一大国際反戦闘争として闘いとろう。この間、反戦デモに決起した青年労働者、学生が11月集会の組織化の先頭に立っている。反戦闘争を拡大し、11・19日比谷野音に攻め上ろう。

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