杉並区議会 洞口区議、汚染水放出を追及 区長「反対とは言えない」
週刊『前進』04頁(3312号04面02)(2023/09/25)
杉並区議会
洞口区議、汚染水放出を追及
区長「反対とは言えない」
(写真 杉並区が配布しているチラシを掲げて汚染水放出を議会で追及する洞口区議【9月12日】)
9月12日、杉並区議会第3回定例会で洞口朋子区議が一般質問に立った。
洞口区議は福島第一原発の汚染水放出を徹底的に弾劾し、区と岸本聡子区長の姿勢を問い、傍聴席も含めて全体を激しく揺さぶった。議会内にとどまらない絶対反戦の扇動だった。これは議会内の右翼反動や、区長や既成の政党の屈服と対決する「内乱」的な闘いだ。
質問ではさらに区の自衛官募集業務と入隊者激励会の中止を求め、マイナンバー制度は個人情報の国家管理による「現代の赤紙」に直結するものだと暴露し、会計年度任用職員制度の廃止と希望者全員の正規雇用を求めた。
傍聴者は40人近くおり、議会後に洞口区議に初めて会う区民が「過激派と聞いていたけどあなたが一番筋を通している!」と声をかけてきた。区議会の右翼議員らが「中国だって流してるじゃないか」「自衛隊に失礼だ」などとヤジってきたが、洞口区議はひるまずに真正面から汚染水放出や自衛隊募集業務を弾劾。区長の姿勢を問いただすことで、翼賛議会をグラグラに揺さぶった。右翼議員のヤジには傍聴席から何人もが弾劾した。
洞口区議の追及と区長の答弁は、単なる議会のやりとりを越えるものだ。岸本区長は結局、汚染水放出への賛否は答えず、最初の答弁では、「国民の理解と納得」がない中で放出したことが「手続き」的に「不適切」として「国に丁寧な説明を求める」と手続き問題にすり替えた。
洞口区議は再質問に立ち、岸本区長が8月原水協の大会に核廃絶を訴えるビデオメッセージを送ったことを取りあげて、「外では反核、区長としては核・原発推進なのか。汚染水放出に反対すべきではないか」と重ねて追及した。追いつめられた岸本区長は、「個人的には処理水の合意なき放出に疑問」としつつ、「自治体の長としては言えない。長としての責任がある」と答弁。要するに、「自治体は国に従うしかない」ということだ。これこそ自治体が戦争に協力していく論理そのものだ。何が「長としての責任」か! 傍聴に来ていた区民に岸本区長の正体が暴かれた瞬間だった。
洞口区議の追及が、形式的な言い逃れやごまかしを許さず、岸本区長の戦争協力と、その欺瞞(ぎまん)的論理を暴き出した。戦時突入下だからこそ、9・23に向けた連日の街頭宣伝の場や地域・職場でも、反動との対決や分岐を恐れずに絶対反戦をつらぬいて闘う決意を新たにした。(東京西部ユニオン・YS)