世界戦争とめるのは今だ 岸田改造内閣打倒! 10月反戦闘争の爆発から11・19へ

週刊『前進』04頁(3312号01面01)(2023/09/25)


世界戦争とめるのは今だ
 岸田改造内閣打倒!
 10月反戦闘争の爆発から11・19へ


 9・23全国集会・デモの高揚に続き、今秋反戦闘争のさらなる爆発と11・19全国労働者総決起集会の歴史的成功へ闘いを進めよう。激化するウクライナ戦争は今秋、さらに重大な局面を迎える。米欧日帝国主義とゼレンスキーは大量の劣化ウラン弾や長射程ミサイルを投入し、泥濘(でいねい)期に入る前に戦況を打開しようと必死だ。それは中国侵略戦争への策動とも連動し、無数の人民を犠牲にしながら本格的な世界戦争へ拡大しつつある。この世界戦争を止めるために、今こそ渾身(こんしん)の反戦闘争に立ち上がる時だ。

米帝の死活をかけた戦争

 ウクライナ戦争は、この秋にすさまじい激戦化の過程に入ろうとしている。ウクライナ軍の「反転攻勢」開始から100日を経てもなお戦況打開の展望はなく、地面のぬかるみで戦車の前進が困難となる泥濘期を前に、ゼレンスキーと米欧日帝が焦りを深めているからだ。「(残された期間は)おそらく30日から45日ほどだ」(ミリー米統合参謀本部議長、9月10日BBC)と言われ、それを過ぎれば反攻作戦は決定的に破産する。
 しかも、今や米国民の過半数がウクライナへの追加支援に反対し、欧州諸国でもウクライナ戦争と軍事支援に反対する声が高まっている。これに対し、ゼレンスキーは19日の国連総会演説で「侵略者(ロシア)を倒すための団結を」と絶叫し、さらなる武器・弾薬の大量供与を含むウクライナ支援を続けるよう求めた。バイデンも来年大統領選を前になんとしても事態を打開しようと必死だ。オースティン米国防長官は19日、ドイツのラムシュタイン米空軍基地でウクライナ支援会合を開き、劣化ウラン弾を搭載した主力戦車「エイブラムス」を近くウクライナに引き渡すと明らかにした。さらに長射程地対地ミサイル「ATACMS(エイタクムス)」の供与にも乗り出そうとしている。
 米帝の主導下で大量の非人道兵器が投じられ、ウクライナ・ロシア双方のますます多くの人民が無残に命を奪われようとしているのだ。しかもこの戦争は中国侵略戦争と完全に一体であり、何よりも米帝の死活をかけた帝国主義戦争にほかならない。こんな戦争は、国際反戦闘争の爆発で一刻も早くやめさせなければならない。
 米日帝の中国侵略戦争策動もますますエスカレートしている。9月14〜23日には、鹿児島県奄美大島や北海道などで陸上自衛隊と米陸軍の共同訓練「オリエント・シールド」が行われた。「『実戦』を意識した共同訓練」(9月17日付時事通信)と報じられた通り、高機動ロケット砲システム「ハイマース」や多連装ロケットシステム(MLRS)を用いた対艦・対空戦闘の実射訓練が行われ、奄美大島にもミサイルが持ち込まれた。陸自白川分屯地(沖縄県沖縄市)から搬出された補給品をホワイトビーチの米陸軍小型揚陸艇に載せて奄美大島まで輸送する訓練も初めて行われた。10月14〜31日には米海兵隊と陸自による国内最大規模の実動訓練「レゾリュート・ドラゴン23」も予定されている(記事3面)。
 だがこうした軍事演習の激化は、住民の命と生活を踏みにじる日米政府への怒りを高めずにはおかない。オリエント・シールドに対しては、漁民の抗議が米軍の実弾発射を断念させた。沖縄県石垣島でも、県の自粛要請を無視した民間港への米軍艦入港、民間空港へのオスプレイ着陸に対し、住民が抗議し闘っている。反戦反基地闘争がいよいよ決定的に重要な情勢だ。

戦争・大軍拡へ内閣改造

 こうした中で、岸田は9月13日に自民党新役員人事を行い、第2次岸田再改造内閣を発足させた。松野博一官房長官、麻生太郎自民党副総裁、茂木敏充幹事長、萩生田光一政調会長などの中枢メンバーを留任させたほか、マイナンバーの破産を居直る河野太郎デジタル相、福島原発汚染水放出の下手人である西村康稔経済産業相、放送法の解釈変更をめぐる政治介入が暴かれた高市早苗経済安全保障担当相らも続投となった。さらに副大臣や政務官も含め旧統一教会との関係が密接なことにも批判が殺到しているが、今回の内閣改造の本質はマスコミが言うような「古い自民党への回帰」などではない。
 防衛相として初入閣した木原稔は、安倍、菅両政権で国家安全保障担当の首相補佐官を務め、昨年末の安保3文書の改定で与党実務者協議のメンバーとして策定作業を主導した人物だ。今年4月からは殺傷兵器輸出解禁に向けた「武器輸出三原則の見直し」の実務者協議も担当。「教育勅語」を額に入れて事務所に掲げる札つきの極右でもあり、2015年の沖縄全戦没者追悼式で安倍に「帰れ!」と怒号が飛んだことに対しては、「明らかに動員」だと敵意をむき出しにした。その2日後には極右・百田尚樹を招いて「沖縄の二つの新聞を潰せ」と講演させ、自民党青年局長を更迭された。16年には、「偏向教育の実態調査」と称して自民党のウェブサイトに教員摘発のための「密告フォーム」を設置し批判を浴びた。このほかにも岸田は、自民党憲法改正推進本部事務総長・新藤義孝を経済再生担当相に任命、同じく極右の盛山正仁を文部科学相として初入閣させた。
 さらに、電機連合出身の国民民主党前参議院議員・矢田稚子を賃金・雇用担当の首相補佐官に任命したことは重大だ。「労組の取り込みこそが今回の起用の『最大の目的』ともいえる」(9月16日付毎日新聞)と報じられた通り、狙いは連合の取り込みと産業報国会化にほかならない。
 この通り岸田再改造内閣は、大軍拡と戦争国家への大転換を進めるための実行部隊を集めた「戦争内閣」そのものだ。だが内閣改造後の政権支持率は、9月16、17日の毎日新聞の世論調査で8月の前回調査から1ポイント減の25%と過去最低に落ち込み、不支持率は68%に上った。大軍拡・戦争とそのもとでの大増税に対し、怒りの声はますます広範に拡大している。

全国で連続的反戦デモを

 革共同は8月の第31回全国委員会総会で、「アメリカ帝国主義を基軸とする帝国主義の対ロシア戦争としてのウクライナ戦争、この戦争を決定的な部分として始まっている帝国主義の中国侵略戦争―世界戦争を阻止する闘い、その闘いの成否を決する日帝の参戦を革命的内乱に転化する闘いに、全党がその存在をかけて決起する」ことを決定した(本紙3309号)。労働者階級を絶滅させる帝国主義の世界戦争が目の前で始まり、日帝自身が戦争に突入している。排外主義の大宣伝に既成の全勢力が押し流される一方、戦争をリアルに感じた青年・学生が「戦争反対」の声を上げている。この中で、革命党として帝国主義打倒の反戦闘争、反戦闘争としての反戦闘争を必死につくりだすことを全党員の無条件かつ第一の任務としたのである。
 排外主義扇動と対決し、いま始まっている戦争が徹頭徹尾不正義の帝国主義戦争であることを具体的に暴露しなければならない。世界戦争を止めるためには、戦争の根源である帝国主義を打倒するほかない。反帝国主義・反スターリン主義を貫く国際反戦闘争=自国政府打倒の反戦闘争の爆発こそが戦争を止める唯一の道である。このストレートな訴えが通用する時代だ。
 首都・東京をはじめ全国で連続的な反戦デモを組織し、改憲・戦争阻止!大行進運動の巨大な発展をかちとろう。10・8三里塚闘争に結集しよう。
 アメリカでは全米自動車労組(UAW)が史上初の「ビッグ3」同時ストライキに立つなど、労働者の内乱的決起が拡大している。韓国・鉄道労組も4年ぶりのストを敢行した(記事4面)。この闘いに続き、日本でも戦争絶対反対・帝国主義打倒へ闘う階級的労働運動を力強く登場させ、「戦争を内乱へ」の闘いの前進を切り開こう。青年・学生を先頭に全国から11・19日比谷に結集しよう!

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