岸田打倒!9・23に総決起を 全学連大会 帝国主義打倒し世界戦争阻め 反戦闘争の組織化へ決意

週刊『前進』04頁(3311号01面01)(2023/09/18)


岸田打倒!9・23に総決起を
 全学連大会
 帝国主義打倒し世界戦争阻め
 反戦闘争の組織化へ決意

(写真 第84回全学連大会を開催。初参加者を先頭に、人生をかけて反戦闘争に決起する決意が次々と表明された【9月8日 東京・江東区】)

 9月7〜8日、全学連第84回定期全国大会が東京都内で開催された。「反戦闘争としての反戦闘争を闘おう」という執行部の提起を受け、討論では初参加者を先頭に反戦闘争に人生をかけて決起する決意が次々と語られた。9・23デモを突破口に今秋反戦闘争を全力で闘うことと、そのための指導体制が確認された。 
 冒頭、長江光斗書記長が議案第1部・総括を読み上げた。昨年9・23―27安倍国葬粉砕闘争からの1年間で実力闘争を復権し、とりわけ今年2月の三里塚強制執行阻止決戦や杉並・高槻で闘われた4月統一地方選、5月G7広島サミット粉砕決戦、8月の広島・長崎・福島の決戦を全学連も全力で闘ってきたと総括。「いま反戦闘争を反戦闘争として闘いぬく中で、闘いを求めて学生が続々と合流している。我々の使命は戦争を止めることであり、あえて言えば学生運動ではなく反戦闘争をつくりださなければならない」と熱烈に提起した。
 続いて第2部・情勢を矢嶋尋副委員長と神野豊典副委員長が分担して提起した。「世界戦争がすでに始まった」ことをはっきりさせ、汚染水海洋放出と核武装、中国侵略戦争に突き進む自国政府=岸田政権との対決が核心であると明らかにした。
 そして赤嶺知晃委員長が第3部・方針を提起した。「世界戦争・核戦争を阻止するために人生をかけて決起しよう」と鮮明に訴え、9・23反戦デモと11・19労働者集会への大結集を呼びかけた。
 来賓として動労千葉の佐藤正和副委員長、三里塚芝山連合空港反対同盟の伊藤信晴さん、都政を革新する会の洞口朋子杉並区議会議員が発言し、全学連と共に闘う決意を表明した。

初参加者がけん引

 討論では、とりわけこの半年間の闘争の中で新たに結集した仲間が全体をけん引した。
 大学闘争からではなく、反戦闘争へのストレートな決起が求められているという提起に対して、初参加の学生から「京都で反戦デモをやったら飛び入り参加が今までにないほどあった。この情勢だからこそ、学生のことだけじゃなくて反戦を中心に訴えていきたい」「全学自治会こそ反戦を取り組むべきと提起され、うれしかった」などの発言が相次いだ。また「人生をかけて反戦闘争に決起しよう」という提起に、悩みながらもこの半年間の闘いに決起していった1年生の苦闘・苦悩が共有され、全参加者を奮い立たせた。「8・6広島のデモに参加して楽しかった。戦争反対を訴えることで、政治を取り戻していると実感した」と発言した1年生は、これを自分だけにとどめず周りにも広げる決意を表明した。
 さらに差別・抑圧・排外主義との闘いをはじめ、すべての闘いを戦争情勢との対決を軸に闘い抜く決意が次々と表明された。広島サミット弾圧で不当逮捕された学生も弾圧を粉砕した勝利を報告した。
 討論のまとめを赤嶺委員長が行った(別掲)。議案の採択と執行部選挙が行われ、赤嶺委員長を先頭とする執行部を選出した。最後に団結ガンバローとインターナショナル斉唱で大会は締められた。

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人生をかけて共に闘おう
 2日間のまとめ 赤嶺知晃委員長

 2日間の討論を経て、改めて時代認識の一致が重要だと思います。現在のウクライナ戦争から世界戦争・核戦争がすでに始まり、この瞬間も人が殺し殺されている。一日も早く戦争を終わらせないといけない。
 新自由主義が最後的に崩壊し、米帝は大没落した。そして戦後帝国主義が直接支配できなかったスターリン主義・中国に攻め込む巨大な戦争が始まろうとしています。6千万人が亡くなった第2次世界大戦をも超える、すさまじい戦争が行われようとしているということを時代認識の軸に据えよう。議案で提起した「反戦闘争を反戦闘争として闘う」とは戦術や目標の話ではなく、この世界戦争が始まった時代に対する僕らの立場なんだということを確認したいと思います。
 仲間と団結して声を上げることの自己解放性について、発言でも出されました。あるいは「議案に『社会を革命するために人生をかけよう』とあるが、自分はやっていけるのかわからない」という発言がありました。「人生をかける」ということは、具体的な闘いの中で問われることです。5月のG7広島サミット粉砕闘争の時、一緒にデモをしていた学生が逮捕された。彼に背を向けてそのまま人生を歩んでいくのか、それとも奪還する闘いに立つのかが問われた時、僕らは一人も逃げなかった。仲間を絶対に見捨てないで奪還闘争を闘った。そしてその時不当逮捕された仲間が今大会に結集している。ここにはサミット闘争の時より多くの人が集まっている。そうやってこの1年間、すさまじい人生選択と決起があって、ものすごい勝利を切り開いてきた。
 「今の帝国主義・新自由主義はこれだけ福祉を削って労働者を搾取しているのに、愛国心を持って戦争に行く人間がどれだけいるのか?」という質問が出されました。レーニンは第1次大戦中、帝国主義戦争は植民地の分捕り合いであり、奴隷主たちが支配を続けるためにほかの奴隷主と戦争をやっているんだと明らかにしました。確かにそれは帝国主義の矛盾の爆発としての戦争です。問題は、第2インターナショナルなどの左派が帝国主義に屈服し、「自分の国を守るためなら戦争もやむをえない」と侵略戦争に加担したことです。その結果、労働者が戦争に動員されたのです。日本でも1930年代、日本共産党の指導部が獄中で総転向して、戦前の共産党は解体されました。しかし日本の労働運動は30年代末に大爆発していった。労働者が決起したにもかかわらず、左派が屈服し闘わずに終わる中で戦争が強行されていったのです。
 だから、世界戦争に対する僕らの回答は内乱・革命しかない。そして革命を成し遂げるための運動が必要です。自国政府打倒と国際連帯、反帝国主義・反スターリン主義を貫く革命党の存在が今こそ求められています。
 反戦闘争としての反戦闘争を闘う。そして9・23闘争を爆発させて、ここにこそ社会を変える力があるということを示そう。11・19労働者集会に学生の大隊列を登場させましょう。 

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大会の発言から

●首都圏大学
 討論を聞いて、時代認識で一致することが重要だと思いました。われわれがどういう時代に生きていて、何をなすべきなのかをはっきりさせるということです。
 杉並区議選やG7広島サミット粉砕闘争で示されたように、戦争反対をストレートに訴えることが力を持つ時代です。大学キャンパスの中でもまったく同じ。「処分は戦争情勢だから出される。学生の権利が破壊されるのは戦争のため。だから戦争に反対しよう」ではなく、戦争反対を戦争反対としてストレートに訴えることが重要です。
 何かのために戦争に反対するのではでなく、自分の大学が戦争に協力すること自体を絶対に許さないということをストレートに訴えないといけない。自分の国の戦争を止める責任を持っていることを認識して、大学の中でも街頭でも、戦争を止める闘いを全力でつくりだそう。
●京都大学
 京都大学での全学自治会の再建の闘いは、処分撤回・阻止闘争から始まりました。その中で、全学自治会として反戦を取り組まないといけないと確認してきました。戦争反対を打ち出してみんなを獲得できる実感はあります。
 僕は今が戦争情勢だというのは何となくわかっていたが、うまく人に語れる自信がなかった。でも議案を読んで、より深い理解になり、自信がつきました。この内容で闘っていかないといけない。
 今までは全学自治会の枠組みの中で、その取り組みとして「反戦」と考えていたが、逆で、戦争反対をストレートに訴えて、そのための全学自治会なんだという運動をつくっていきたいと思います。
●広島大学
 4月に入学し、G7広島サミットに反対している自治会に興味を持って話を聞いて、ここまで来ました。
 高校までは、デモとかやっても何も変わらないと思っていた。サミット反対デモにも参加したが、声を上げながらも活動に自信を持てていなかった。
 しかし、中国・北朝鮮の核だけを非難してG7の核は非難せず、核抑止を全面的に容認する「G7広島ビジョン」が出されたのを見て、これは本当に戦争会議だと実感できた。中国新聞や被爆者団体も、終わった後にですがサミットを批判した。それで自分たちがやってきた行動は正しかったと少し自信がつきました。
 8・6広島闘争では、まだ「岸田打倒」とはあまり言えなかった。しかし8・9長崎闘争では自分も発言する機会があって、「岸田を打倒しましょう」と言いました。
 今の情勢を見れば、軍拡が進み、佐賀空港へのオスプレイ配備などが次々と進められ、岸田政権が信頼できないこともわかった。打倒しかないと、今でははっきり言えるように変わりました。
 活動の中で「どう訴えればいいのか」と葛藤することも多い。全国の皆さんの意見を聞かせてください。

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大会参加者の感想

反戦闘争の重要性初めて参加し実感
 沖縄 斉藤幸太郎

 初めて参加しましたが、非常に刺激的な経験となりました。
 私はウクライナ紛争に関する一般的な報道やブルジョア社会について懐疑的で、周囲に話が通じる人がいませんでした。しかしこの大会では、存分に自分の思うところについて述べることができました。
 例えば、「戦争が長引けばウクライナにとって有利になりロシアは追い詰められる」「ウクライナは善で、ロシアは悪」との報道がどの局でも流れていますが、これらに対して懐疑的になるだけで周囲からはよくて無視され、ひどいときにはプーチン派と疑われたりしました。
 しかし大会には同じような疑念を抱く同志が多く、耳を傾けてもらえました。また、この大会では他の同志の刺激的な主張にも触れることができました。ブルジョア社会について懐疑的に見ていた自分は、マルクスの思想に基づく問題の指摘に共感する部分が多くありました。そして、報道機関では報じられないことが多い現状も知り、改めて反戦闘争を起こすことについて重要性を感じました。
 何よりうれしく思ったのは、沖縄の現状について同志の多くが興味を持ち、共に憤慨してくれたことでした。私のいる沖縄では基地が近くにあり、常に戦争が近くにあるという恐怖と隣り合わせです。また、非正規労働も多く、数多くの労働者階級が苦しい思いをしています。そのためにも、反戦のための闘争に進む決心がつきました。

時代認識で一致し戦争止める決戦へ
 関西学生 青木未来

 「反戦闘争としての反戦闘争」が今回の主眼である事がよくわかる大会でした。G7サミット粉砕や8・6広島などに参加した身からすると、全国結集で行う反戦闘争はイメージがつくのですが、職場・キャンパスでも「反戦闘争としての反戦闘争」をやろうと言うのは、具体的にどういう事なのかよくわかっておらず、発言を聞いたり、議論することで理解を深めていくことができました。
 議論では「第2インターナショナルの崩壊とは何か」という質問から、「反戦」を唱えていた者たちが戦争・侵略が迫る中で自国防衛を理由に戦争に協力してしまったという過去について確認され、左派が戦争に協力していく中で我々がどういう立場をとるべきかについての議論が深められたことが印象的でした。また今回は前回とは異なり各大学に焦点を当てた議案とはなっていないというのも重要な点だと思います。自分はこのために「反戦闘争としての反戦闘争」をうまくつかみ切れませんでしたが、全体で一致すべき内容が明確に打ち出されており、学生という狭い枠組みを超えた大会になったと思います。
 大会では一貫して「反戦闘争としての反戦闘争」を組織するには時代認識で一致することが不可欠であるという事が確認されました。情勢議案をしっかり読み込み自分のものとしていきたいと思います。

反戦・反核・反差別反弾圧で共に闘う
 関西学生 友花優香

 私は共産主義者ではなく、リバタリアンだから、議案のすべてを支持することはできなかった。特に、レーニン『帝国主義論』をもとにした情勢議案は、その資本主義・帝国主義観や恐慌のメカニズムについて、考えるところは多い。
 しかし、私にとって全学連大会は実りあるものだった。内容の多くが政府の肥大化を止め、諸個人の自由と自己所有権を回復するものに他ならないからだ。
 徹底的な反戦、核の廃絶、そして国家による差別と弾圧の廃止は、リバタリアンの目的であり手段である。一刻も早く戦争を止めること、無責任極まりない原子力発電の運営と損害を非難すること、生物と土地を半永続的に台無しにする核兵器を二度と保持・生産しないこと、そして国策的差別・弾圧の廃止によるコミュニケーションの円滑化を望まぬリバタリアンがこの世にいるだろうか。
 日本に住むリバタリアンは、革命的共産主義者と行動を共にするほか、現状、政府に対抗する術はない。アメリカのリバタリアンが1970年代に新左翼と共にベトナム戦争に反対した、あの日を思い出せ! そして卑劣な政府が消滅するその日まで、革命的共産主義者との友好的関係が継続することを願う。団結!

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