コンビニ関連ユニオンがスト激励 そごう・西武の労働者と連帯

週刊『前進』04頁(3310号02面02)(2023/09/11)


コンビニ関連ユニオンがスト激励
 そごう・西武の労働者と連帯

(写真 コンビニ関連ユニオンの河野正史委員長を先頭に、シャッターを降ろした西武池袋本店前でスト激励の行動に立った【8月31日】)

 8月31日、西武池袋本店で働くそごう・西武労働組合員約900人がストライキに立ち上がり、同店は終日全館臨時閉館となった。大手百貨店でのストライキは1962年の阪神百貨店以来、実に61年ぶりだ。コンビニ関連ユニオンと合同・一般労組全国協議会傘下のユニオンの仲間、全学連の学生など約50人が当日、「ストライキ断固支持」の横断幕を掲げて西武池袋本店前で激励行動に立った。
 そごう・西武は地方の衰退、バブル崩壊を受けて、2006年にセブン&アイHDグループの子会社となったが、井阪隆一社長によってむしろ経営が悪化し、地方店舗を中心にリストラが繰り返されてきた。今回のストは、井阪が放り出す形で外資フォートレス・インベストメントへの売却を強行する中で、それまで抵抗らしい抵抗もしなかったそごう・西武労組が、現場組合員からの突き上げを受けて実現したものだ。
 コンビニ関連ユニオンと地域の仲間は、8月中旬から池袋、千葉、大宮、広島のそごう・西武百貨店前で「スト支持」の宣伝を行ってきた。当日はスト決行時間の午前10時に合わせて西武池袋本店前に結集、「ストライキ断固支持」「売却反対」「井阪退陣」などを訴えた。注目はものすごく、SNSなどでも「ストは当然」「労使協調ではなく、労使対決型の労働運動に変わるべき」といった声が続々と寄せられている。

内乱の時代が到来

 帝国主義の破綻と戦争が生み出す社会的危機は、反戦闘争の巨大な爆発と一体となって生きるためのストライキを生み出す。まさに「帝国主義戦争を内乱へ」の時代の到来だ。反戦闘争の基軸にあらゆる階級的反乱を組織して、11・19大結集をつくり出そう。(コンビニ関連ユニオン・K)

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ついに開始されたストライキの復権

 そごう・西武池袋店での900人の組合員のストライキは、日本でもスト復権の波が起きつつあることを示した。人生初のストを経験した当該の労働者はもちろん、ストを見たこともない青年層をはじめ多くの労働者が、この闘いに閉塞(へいそく)状況を打ち破る希望を見た。世論の圧倒的多数はスト支持だ。マスコミはスト報道とともに、労働者には争議権などの団結権があるという解説記事を載せた。
 そごう・西武労組の組合員は93%の高率でスト権を確立した。そこにはセブン&アイ・ホールディングスによるそごう・西武の米投資ファンド、フォートレス・インベストメントへの売却という形をとって、解雇をもくろむ資本の攻撃への怒りがある。持株会社のセブンは直接の雇用主ではないとして交渉にも応じない。だが、労働者の将来は資本が結ぶ売却契約で実質的に決まってしまう。これはまさに国鉄型の解雇だ。スト当日の8月31日、セブンは売却を正式決定し、そごう・西武を米投資ファンドに実質8500万円の安値でたたき売ると発表した。
 戦争に突進する岸田政権は、同時に「新しい資本主義」の柱に「円滑な労働力移動」を据える。そのもとで資本再編と解雇の攻撃は激しく進もうとしている。それへの危機感から、高島屋など複数の百貨店労組が今回のスト支援に駆け付けた。
 他方で連合は、傘下最大労組のUAゼンセンの組合員がストに入ったにもかかわらず、「早期の事態収拾」を唱えるだけで「スト支持」とは絶対に言わない。連合を打倒してこそ、貫徹されたストは真の力を発揮する。
 日本の年間スト件数は昨年はわずか65件。だがその数は過去最低だった2019年の49件を底に増加を続けている。始まったばかりの「スト復権の兆し」を奔流に!
 9・23闘争から11・19労働者集会へ、総力で闘いぬき、労働者の実力闘争をよみがえらせよう。
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