無実の大坂正明さん奪還へ 直ちに保釈せよと総決起集会

週刊『前進』04頁(3309号04面01)(2023/09/04)


無実の大坂正明さん奪還へ
 直ちに保釈せよと総決起集会

(写真 大坂正明さんの保釈と無罪判決を反戦闘争の爆発と一体で勝ちとると全参加者が決意【8月26日 東京・台東区】)


 1971年11・14沖縄返還協定批准阻止の実力デモを闘い、「殺人罪」をでっち上げられた大坂正明さんの保釈奪還を掲げた総決起集会が8月26日夕、東京で行われ、10月論告と最終弁論に向かって120人が熱い決意を固めあった。主催は大坂正明さん救援会と東京労組交流センター。
 冒頭、大坂さんのメッセージ(別掲)が朗読された。続いて大坂さんの親族の佐藤政直(まさのぶ)さんが作った動画「沖縄と闘争」を上映、沖縄返還協定批准の不当性と、「殺人罪」でっち上げの権力犯罪を突く、説得力ある動画だ。佐藤さんは続いてあいさつに立ち、「これまでの裁判でやっていない証拠しか出ていないのに親族として黙っているわけにはいかない」と、無罪判決まで共に闘う決意を述べ、全参加者が感動の拍手で応えた。
 基調報告に立った小泉義秀救援会事務局長は、「大坂裁判は被告人質問を終え、最後の過程に入った。この過程はウクライナ戦争、中国侵略戦争との闘いの過程と重なっている。反戦闘争と一体のものとして、反戦闘争の基軸として星野国賠・大坂裁判勝利の闘いを勝ちぬこう」と方針を提起した。
 続いて弁護団からの裁判報告。西村正治主任弁護人は、「昨年10月から今年7月までの33回の公判を通じて、大坂さんに対するでっち上げを粉砕し抜いた」と勝利を宣言した。「でっち上げの核心となるデモ参加者4人の供述調書のうち、2人は法廷で大坂さんを知らないと証言、1人は病気で証言できず、ARのみが供述を維持したが、それはでたらめだった」「大坂さんの犯行とする客観的証拠は皆無であるが、大坂さんが写った写真が1枚もないことは、無実の物証があったということだ」と明言した。また、「なぜ大坂さんが星野さんとともにでっち上げられたのかの謎が裁判を通じて明らかになった」と語った。「この破綻した証拠で殺人罪を認定するのは無理」と断言し、「大衆的な包囲網の中で裁判官に無罪判決を強く求めていきましょう」と訴えた。
 藤田城治弁護士は、保釈の現状について報告した。被告人質問の前と後に2回保釈請求しいずれも却下され、異議申し立てをしているとし、証拠隠滅のおそれも、逃亡のおそれも全くないこと、身元引受人も親族も含めてはっきりしていることなどを挙げ、健康上の問題からも、最終弁論、意見陳述をまとめ上げる上でも保釈が必要だと突きつけて闘っていることを報告、署名を集め、必ず保釈をかちとろうと呼びかけた。
 決意表明として、呼びかけ人の坂野康男さん(帯広カルテット)と飯島幸雄さん(千葉)、星野全国再審連絡会議共同代表の星野暁子さん、東京労組交流センター副代表の大谷京子さん、婦人民主クラブ全国協議会代表の三浦正子さん、全学連の赤嶺知晃委員長が次々発言した。
 星野さんは「11・14渋谷闘争は正しい闘いだったことを何度でも確認したい」と述べ、星野文昭さんを殺した国の責任を問う国賠訴訟とともに、大坂さんの無罪判決を何としても勝ちとることを訴えた。まとめと行動提起を事務局の杉浦文俊さんが行い、「無実は完全に明らか。労働者民衆の力で裁判所に無罪判決を強制しよう。もっともっと力を集中しよう」と訴えた。

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保釈かちとり反戦の先頭に
 大坂さんの集会メッセージ(抜粋)

 私の裁判の傍聴や、面会に多くの方に来ていただいています。そして現在、私の保釈のために闘ってくださっていると聞いています。手厚い支援に心から感謝しているところです。
 接見禁止が解除されてから姉との交信ができるようになり、姉にも私の身柄引受人を依頼したところ承諾を受けました。姉には辛いことばかり強いてきて、気が引けるのですが、姉にも感謝しています。
 私の裁判は10月に行われる検察側の論告・求刑と、弁護側の最終弁論・被告人意見陳述をもって結審となり、年内にも判決ということになるようです。
 これまでの裁判をとおして、私が最も感激したことは、証人となってくださった平良長政(たいら・ちょうせい)さんが71年11・14の私たちの闘いについて、「とても頼もしく思った」「沖縄の気持ち......志を一緒にして闘ってくれることに本当に尊敬し、敬意を表していた」と語ったことでした。
 沖縄民権の会代表の座覇光子さんは手紙で、71年11・14の闘いについて、「ヤマトンチュでも沖縄を自分のことのように考えている人がこんなにいるのだと思ってとてもうれしかった」とおっしゃっています。こうした闘争が今も求められていることを、あらためて強く思いました。
 自民党副総裁の麻生が台湾を訪れ、台湾の有事には日本も参戦すると宣言しています。もし開戦となれば沖縄が最前線となることは間違いなく、再び捨て石にしようとしているのです。
 問われているのは本土における沖縄闘争です。あらゆる戦争策動と闘い、辺野古基地反対、ミサイル基地反対、全ての基地撤去を掲げる沖縄闘争を展開してほしいと思っています。
 私が保釈されたなら、皆さんとともにその先頭に立って闘うことを約束したいと思います。その日が来ることを楽しみにしています。
大坂正明

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