連合・芳野会長は労働者の敵 米大使と対談 スト破壊の逸話賛美
週刊『前進』04頁(3307号02面04)(2023/08/21)
連合・芳野会長は労働者の敵
米大使と対談
スト破壊の逸話賛美
7月25日、連合は産別や地方連合会のトップリーダーを集めた「サマートップセミナー」を開催した。テーマは「民主主義」や「ジェンダー」で、そのメインが芳野友子会長とラーム・エマニュエル駐日米大使の対談だった。
エマニュエルはセミナーで、シカゴ市長時代に「教育改革に反対したシカゴ教組のストライキにも負けず、信念を貫いた」との逸話を披露。「どんな向かい風でも嵐でもくぐり抜けていく決意」が必要と語った。
ストで闘う労働組合に敵対した自慢話に、芳野が満面の笑みでうなずき、会場から拍手が送られる。なんとおぞましいことか! これが現在の連合のトップリーダーの姿だ。「労働者の味方」の見せかけさえ投げ捨てて、今や日帝支配階級の利害を自ら体現して階級闘争の圧殺と労働者の戦争動員に動いているのが連合だ。絶対に打倒しなければならない。
階級的労働運動再生への恐怖と圧殺策動
エマニュエルが語ったシカゴ市長時代の話とは、労働組合の破壊とストライキの圧殺に全力を挙げたという話だ。2010年6月、シカゴ教組(CTU)の執行部選挙で、闘う潮流が勝利した。アメリカ第二、第三の巨大都市の教職員組合で階級的な労働組合がよみがえったのだ。これに危機感をもったエマニュエルはCTUの破壊を決断し、オバマ政権の大統領首席補佐官を辞任してシカゴ市長選への立候補準備を開始した。11年5月にシカゴ市長になると直ちに、50校の閉校、教育労働者の終身雇用権の廃止と成果給への転換を打ち出した。共通学力テストの成績によって教育労働者の賃金を決め、解雇さえ行うというとんでもない攻撃だった。それによって、低所得者居住地域・非白人地域の学校を狙いうちにして荒廃させるばかりか、閉校に追い込むのだ。
この「教育改革」攻撃に対して、CTUは12年9月にストに突入した。住民の閉校反対運動と結合した、地域ぐるみの大ストライキとなった。これまで民主党支持とされてきた労働運動と黒人・ラティーノなどのコミュニティー組織が、これほどの規模で公然と民主党に反旗を翻したのは歴史的な事態だ。労働者階級自身の独立した組織化が大規模に開始された。
13年、エマニュエルは49校の閉鎖を強行し、また市営住宅の廃止と立ち退きも強行した。学校用地や市営住宅の跡地は市政と結びついた巨大不動産資本の都市再開発の絶好の投資先となった。だがCTUとシカゴの住民は粘り強く反撃し、エマニュエルに擁護されたシカゴ市警による黒人虐殺への怒りの爆発とあいまって、ついに19年にエマニュエルは市政から追い出された。
連合の産業報国会化阻み闘う労組復権を
現在、ウクライナ戦争、中国侵略戦争・世界戦争―核戦争突入情勢下で、米帝は巨大化した中国との戦争において「日本が要」と位置づけている。日帝支配階級も中国侵略戦争に本格的にかじを切った。だが日本労働者人民の戦争絶対反対の意思は根強い。これを押しつぶすためにこそ、労組破壊攻撃を最先頭で推進してきたエマニュエルが駐日大使となったのだ。連合・芳野はこのエマニュエルと結託し、そのアドバイスをも受けて、今や戦争協力を率先して推進する完全な産業報国会へと変質しつつある。それは同時に連合の帝国主義労働運動の破産した姿だ。
アメリカの労働者階級はすでにエマニュエルと闘い勝利している。労働者の怒りの嵐で今こそ連合・芳野を打倒し、帝国主義戦争の内乱=革命への転化をかちとろう。