放射性物質除去はペテン 国際連帯で核戦争阻止へ
週刊『前進』04頁(3302号04面02)(2023/07/10)
放射性物質除去はペテン
国際連帯で核戦争阻止へ
日帝は今回の放出は多核種除去設備 (ALPS)で放射性物質を除去した「処理水」であり、残ったトリチウム(3重水素)も国の基準の40分の1(1㍑あたり1500ベクレル)未満に海水でうすめて放出するので安全だなどと強弁するが、真っ赤な大ウソだ。福島第一原発から出る汚染水は核燃料がメルトダウンして固まったデブリを冷やすことで、デブリ中のあらゆる放射性核種が溶け出した高濃度の汚染水だ。ALPS処理も限界がある。ALPSは万能ではない。
通常の原発では運転に伴い発生した放射性物質のほとんどが原子炉圧力容器内の燃料棒の中に閉じ込められている。にもかかわらずトリチウムが発生するのは冷却水に含まれる重水に中性子が当たるなどしてトリチウムに変化するためだ。従って原発の温排水に含まれる放射性物質は基本的にトリチウムだけである。
だから福島第一原発の汚染水と、通常運転をしている原発の汚染水とをトリチウムの量だけで比較して「もっとトリチウムを放出している原発がある」などと言うのは大ペテンだ。政府・東電とマスコミはこの大ペテンにしがみつこうとしている。しかし2018年にはALPSで処理したにもかかわらずストロンチウム90、ヨウ素129などトリチウム以外の放射性核種が国の基準値を超えていることが発見された。
汚染水放出策動は、政府と東京電力が15年に福島県の漁民に対し行った「関係者の理解なしに、いかなる処分も行わない」との約束をほごにするものであり、福島の豊かな漁業をだめにする海への核攻撃だ。
世界から怒りの声
汚染水放出の暴挙に韓国、アジア、太平洋諸国の人民からも反対の声が上がっている。韓国の民主労総は6月22日に汚染水の海洋放出を絶対に阻止するとの闘争宣言を発し、7月3日から闘われるゼネストの主要課題とする方針を打ち出した。中国政府は「核汚染水」と呼んで日帝の海洋放出攻撃を激しく批判している。また米帝やフランス帝国主義によって「核実験場」として利用されてきた太平洋諸国からも怒りの声が続々と上がっている。フクシマの怒りを圧殺し、日帝の核武装のための汚染水海洋放出を絶対に阻止しよう。漁民の怒りと結合し、国際連帯闘争で勝利しよう。7・15反戦反核東京集会、7・21東電本社デモ、7・30いわき現地闘争に総決起しよう。8・6広島―8・9長崎闘争の大爆発をかちとろう。