反戦貫く巨大な学生運動を サミット決戦の地平引き継ぎ 実力闘争で内乱への道開こう 革共同中央学生組織委員会

週刊『前進』04頁(3302号03面01)(2023/07/10)


反戦貫く巨大な学生運動を
 サミット決戦の地平引き継ぎ
 実力闘争で内乱への道開こう
 革共同中央学生組織委員会

(写真 5月21日、広島サミット粉砕へ弾圧をはね返し進む全学連のデモ)

 5月G7広島サミット粉砕闘争の爆発は、日本階級闘争の様相を一変させつつある。連合の産業報国会化と日本共産党スターリン主義の裏切りを打ち破り、日本労働者階級の根源的・革命的な力が解き放たれようとしている。「反帝・反スターリン主義」を掲げる革命的共産主義運動が、労働者階級の真の主流派・責任勢力として登場できるか否かが決定的に問われている。今夏8・6広島―8・9長崎闘争に向かう闘いは、福島原発汚染水海洋放出をも焦点としながら、戦争と核に対する日本労働者階級の怒りを爆発させずにはおかない。広島サミット粉砕闘争の地平をさらに大きく発展させ、岸田を直撃する8・6―8・9闘争の爆発をかちとろう。全国の学生は9月全学連大会に結集し、日本革命の扉を共にこじ開けよう!

解き放たれた「広島の怒り」

 G7広島サミットで、帝国主義諸国が一つの決断をして世界戦争への突入を加速させたことは明らかだ。
 サミットで採択された「広島ビジョン」は、G7側の核については「防衛目的のために役割を果たし、侵略を抑止し、並びに戦争及び威圧を防止」するものとしながら、ロシア、中国、北朝鮮、イランの核のみを名指しで非難した。広島の反核の訴えをねじ曲げ、広島の名で帝国主義の核政策を正当化したのだ。さらに原発と原子力エネルギーの積極的活用も打ち出した。
 これと一体で確認された首脳宣言(G7広島首脳コミュニケ)では、「必要とされる限りウクライナを支援する」「ロシアを支援する者に対するコストを増大させる」「中国に率直に関与し、我々の懸念を中国に直接表明する」「台湾海峡の平和と安定の重要性を再確認」と、ロシア・中国への対抗姿勢を明示に打ち出した。何よりゼレンスキーの対面参加は、広島サミットの戦争会議としての本質を決定的にあらわにした。
 松井一實広島市長らは、このサミットで採択された「広島ビジョン」に全面的に賛成し、これを実行しようとする岸田を平和記念式典に迎え入れようとしている。だが、サミット開催をもって広島の反戦反核闘争を圧殺・解体するという岸田らの狙いは、われわれのサミット粉砕闘争を媒介とした被爆者・2世・3世を始めとする日本労働者階級の怒りの爆発によってすでに根底から破産している。
 6月21、22日に開かれた日本原水爆被害者団体協議会(日本被団協)総会は、「核抑止ではなく核兵器廃絶を」と題した特別決議を採択し、「(広島ビジョンは)私達の思いを全くないがしろにした」と批判。田中熙巳(てるみ)代表委員は総会後の会見で「被爆地出身の首相が『核兵器を持ってもいい』と言って核抑止論を強調している。とても異常で悪い影響がある」と怒りをあらわにした。
 これまで演出されてきた「広島サミット=核軍縮・平和会議」という虚構は完全に崩れ去った。被爆者の怒り、広島・長崎の怒りが、サミット粉砕の闘いと結合して解き放たれた。広島現地のデモで不当逮捕された全学連2学生の奪還闘争の過程では、街頭で訴えるわれわれに何人もの被爆者が激励と共感の声を寄せてくれた。その場で8・6ヒロシマ大行動への参加者や「前進」の定期購読者が生まれるなど、かつてない交流が生まれている。

戦争の階級的本質暴き闘う

 こうした中で、ある被爆者団体の関係者が「私自身はサミットに反対だが、組織が割れるので言えない」と漏らしたように、「G7首脳に被爆地・広島のことを知ってもらおう」などとキャンペーンをしていた日本共産党をはじめとする体制内勢力こそが、帝国主義と労働者階級の非和解性を覆い隠し、被爆者をはじめ多くの人々の反戦決起を抑えつけてきたことが明らかになっている。
 そもそも日本共産党は、ウクライナ戦争が始まって以来、一貫してこの戦争を「民族の主権と独立を守る戦い」と美化してきた。昨年3月のゼレンスキーによるオンラインでの国会演説に対して「祖国の独立を守り抜くという強い決意が伝わってきた」(志位和夫委員長)と賛美し、今年3月の岸田のウクライナ訪問時には「高く評価する」などと語った。だが、今や広島サミットの戦争会議としての正体があらわとなり、被爆者を先頭に怒りの声が噴出する中で、「(ゼレンスキーのサミット参加について)特に良いとも悪いとも言えない」(小池晃書記局長)などと歯切れの悪いコメントで取り繕うことしかできなくなった。それでもなお、日本共産党が帝国主義と一体化してウクライナ戦争を推進する立場であることに変わりはない。
 このような日本共産党スターリン主義の対極で、われわれ革命的共産主義者は今日の戦争に対してどのような態度をとるべきか。
 「革命的な共産主義者は、帝国主義の戦争に反対し、その野蛮で残忍な戦禍と荒廃を激しく非難する。しかし、小ブル平和主義者と異なり、革命的な共産主義者は、(1)戦争が別の手段による政治の継続であること、戦争にさきだつ各国の政治、各階級の政治、それと不可分の経済的・歴史的事情との結びつきをもっていること、(2)人類の階級分裂をなくし、人間による人間の搾取をなくし、ある民族による他の民族の抑圧をことごとくなくし、社会主義をうちたてなくては戦争をなくすことはできないこと、(3)正義の戦争と不正義の戦争をはっきりと区別し、帝国主義の抑圧と侵略にたいする被抑圧民族の戦争、帝国主義ブルジョアジーにたいするプロレタリアート人民の内乱と革命戦争の正当性、進歩性、必然性を完全に認めること、の3原則にたって戦争を評価し、それにたいする態度を決定するのである」(本多延嘉著作選「戦争と革命の基本問題」)
 戦争の階級的本質を暴き、「戦争を内乱へ」の闘いを断固推進していくために、本多元書記長の提起をしっかりと確認したい。
 帝国主義から全面的な支援を受けたゼレンスキー・ウクライナ軍がやっているのは、民族解放の闘いなどでは断じてない。それは帝国主義の政治の延長であり、帝国主義の延命と利益のために人民の命と生活をことごとく破壊する不正義の戦争である。米英帝国主義が相次いで供与を決定した劣化ウラン弾は、戦車戦の激化とともにすさまじい放射能汚染をまき散らそうとしている。ロシア・プーチンも核使用の恫喝で対抗し、破滅的な核戦争の危機はますます高まっている。それにもかかわらず、米欧日帝国主義とゼレンスキーは「クリミア奪還まで戦争は終わらない」と公言し、この戦争を延々と続けようとしているのだ。
 「ウクライナ戦争を今すぐやめろ!」——これこそウクライナ・ロシアをはじめ全世界人民が真正面から掲げるスローガンだ。

革命的暴力貫徹する意識性

 昨年7月の安倍銃殺事件から1年。今年4月の統一地方選挙では現首相・岸田に手製爆弾が投げつけられた。いずれも行動に立ったのは青年だ。支配階級の頂点にある者たちが物理的な襲撃におびえながら選挙活動を展開しなければならない状態なのだ。野党勢力もまた、労働者階級の怒りに直撃されることに恐怖しながら「民主主義の危機だ」「卑劣な暴力から社会を守れ」などと絶叫している。だが、そうした主張に日本労働者階級は決して共鳴していない。むしろ「安倍など殺されて当然だ」という怒りが渦巻いている。
 そもそも暴力とは一体何なのか。再び本多同志の論文から引用する。
 「こんにちでは、一般に暴力は人間性に反する粗暴な行為であるかのように説明する傾向が支配的なのであるが、このような見解は、じつは民衆の暴力の復権を恐怖した支配階級の思想いがいのなにものでもないのであり、その本質とするところは、暴力を支配階級の手に独占しようとする反動的な意図なのである。このような思想の鼓吹者たちは、一方では、角材や石や火炎ビン程度で武装した労働者、学生にたいし過激派とか暴力学生とか非難しながらも、他方では、バットや木刀で武装した自警団を称賛し、棍棒やピストルをもち、重装備で身を固めた警官隊や、民衆にたいする逮捕監禁、人質作戦の武器である留置場や監獄制度を積極的に維持し、軍艦や飛行機やロケットや戦車や大砲や小銃で武装した軍隊を容認し、核の傘を支持しているのである」
 「だが暴力は、かならずしも人間性に敵対する粗暴な行為を意味するものではなく、人間社会の共同利益を擁護するための共同意志の積極的な行為なのである。すなわち、本質的に規定するならば、暴力とは共同体の対立的表現、あるいは対立的に表現されたところの共同性であり人間性にふかく根ざしたところの人間的行為である。もうすこし詳細に暴力の内部構造を見るならば、第一には、それが共同意志の形成過程と共同意志の強制過程の二つの契機の統一として成立しうる特殊な意識行為であることがあきらかとなるであろう。……第二には、暴力はその発現の形式として、内部規範と外部対抗という二つの要素の統一として成立するのである」
 全学連を先頭とする改憲・戦争阻止!大行進運動に結集して闘う労働者・市民に強烈に共有されているのは、「戦争絶対反対」を帝国主義に強制せんとする意志である。それは本質的に帝国主義打倒を目指すプロレタリア革命=暴力革命によって貫徹しうる精神である。この階級的な共同意志こそが国家権力・機動隊を前に一歩も引かない実力デモ・実力抗議闘争を実現させている力の根拠である。そこには戦争という事象をめぐって、それを自らの延命と支配の継続のために必要とする支配階級と、仲間と自分の命を守るためにそれを拒否する労働者階級との決定的な対立がある。
 また同時に、完全黙秘・非転向という獄中方針に示される闘争規律、もしくは反処分闘争の中で発揮されてきた「一人の仲間も見捨てない」という団結力こそ、われわれが弾圧をものともせず身体を張って権力との激突に決起することのできる根拠なのである。そして、これを実践できる根拠には、時代認識と路線という共同意志での一致があるのだ。反帝国主義・反スターリン主義世界革命綱領こそ現代において全世界のプロレタリアートが団結することのできる共同意志にほかならない。
 そして、この共同意志を体現し、人々をそこに結集する中心となる人間集団こそ革命党である。反帝・反スターリン主義世界革命を目指す労働者党の強大な建設こそ、戦争を内乱に転化する闘いの決定的推進力である。戦争をなくしたいと願う全ての青年はマルクス主義学生同盟・中核派、マルクス主義青年労働者同盟に結集し、ともに闘おう!

8・6―8・9闘争闘い全学連大会へ

 昨年の安倍国葬粉砕闘争から三里塚強制執行阻止決戦、杉並選挙闘争、連続的な沖縄現地闘争、G7広島サミット決戦と社会を揺り動かしてきた全学連は、赤嶺知晃委員長をはじめ執行部全員がごく最近まで「逮捕未経験」だった。その彼らが文字通り階級闘争の先頭に立ち、年初来の度重なる弾圧でその約半数が逮捕を経験しながら、これを打ち破って組織と運動を強化・拡大してきた。この地平の上に、今夏8・6―8・9闘争を闘い抜き、9月全学連大会の歴史的成功をかちとろう。戦争を内乱に転化する闘いの先頭に、学生運動の巨大な隊列を登場させよう!
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