ウクライナ戦争激化させる NATO首脳会議を許すな 7・11新宿反戦デモに大結集を

週刊『前進』04頁(3302号01面01)(2023/07/10)


ウクライナ戦争激化させる
 NATO首脳会議を許すな
 7・11新宿反戦デモに大結集を


 日本帝国主義・岸田政権は、ウクライナ戦争参戦を狙い、7月11、12日にリトアニアで開催される北大西洋条約機構(NATO)首脳会議に出席しようとしている。そして今夏、福島第一原発の放射能汚染水の海洋放出に踏み出し、核戦争を正当化する「G7広島ビジョン」を掲げ8・6広島、8・9長崎の式典に参加するというのだ。断じて許せない! 青年・学生を先頭に大胆かつ連続的に街頭デモにうって出て、戦争と生活破壊に対する労働者人民の怒りを爆発させ、岸田政権を打倒する時だ。岸田のNATO首脳会議出席を徹底弾劾する7・11新宿デモに大結集しよう。7・15反戦反核東京集会、7・30汚染水放出阻止いわき現地闘争を闘い、ヒロシマ・ナガサキ・フクシマの怒りを一つに8・6広島―8・9長崎闘争へ攻め上ろう。

日帝・岸田の参戦阻止を

 G7広島サミットを決定的契機として開始されたウクライナ軍の「大規模反攻」は、ウクライナ戦争をますます激化させ、ウクライナ軍を支援するアメリカ帝国主義・NATOと、ロシア・中国の大国同士が全面激突する世界戦争を急速に引き寄せている。
 米軍制服組トップのミリー統合参謀本部議長は6月30日、「ウクライナ軍の反転攻勢の進展は予想よりも遅いが、驚くべきことではない」「とても長くなり、とても多くの血が流れる。誰も幻想を抱くべきではない」などと述べ、クラスター弾の提供にも言及した。クラスター弾は、広範囲に散った不発弾が長期にわたって人民を殺傷するため、100カ国以上で使用・製造が禁止されている。こうした残虐兵器も使う無残な消耗戦をいつまでも続けると宣言したのだ。こんな反人民的な戦争はただちにやめさせなければならない。
 この中で開かれるNATO首脳会議は、文字通り帝国主義による世界戦争会議となる。すでに米帝はウクライナ軍に対し、ロシア本土をも攻撃できる300㌔メートルの長射程地対地ミサイル「ATACMS」の提供の検討を開始し、ウクライナの隣国・ポーランドは自国内にアメリカの核兵器を配備・共同運用する核共有への参加を求めている。ウクライナのザポリージャ原発をめぐる軍事的緊張も高まっている。この全面戦争・核戦争の流れに必死に食らいつこうとしているのが日帝・岸田だ。
 岸田はNATO会議を経て、来年にも東京にNATO事務所を開設するつもりだ。NATOはこの夏、加盟31カ国と「アジア太平洋パートナー国(AP4)」とされるオーストラリア、ニュージーランド、韓国、日本の対中国での軍事連携を強化する新協力計画を策定するという。そのハブ拠点が東京事務所である。
 さらに岸田は、会議出席後、日・欧州連合(EU)首脳会談を行い、日・EUの軍事部門での協力を「格上げ」(フォンデアライエン欧州委員長)し、日・EU版の外務・防衛担当閣僚会合(2プラス2)を念頭に置いた新たな協議枠組みを創設しようというのだ。そこでは中国軍との対決を想定し、東アジアでの欧州艦船と自衛隊との合同訓練も構想されている。
 こうした中で与党は6月30日、殺傷能力のある武器輸出の解禁を狙い論点整理案を示した。まさに岸田はウクライナ戦争参戦と中国侵略戦争体制構築に奔走し、世界戦争に決定的に踏み込もうとしているのだ。
 ロシア・中国という旧・残存スターリン主義体制を転覆し、世界市場を再分割するための侵略戦争・世界戦争でしか延命できない帝国主義。これに反人民的な軍事対抗しかできず、世界戦争情勢を加速させるスターリン主義体制。両者を労働者人民が打倒すること、つまり自国政府の参戦を絶対阻止する反戦闘争を爆発させて反帝国主義・反スターリン主義世界革命を実現することのみが、ウクライナ戦争―中国侵略戦争・世界戦争を阻止する道だ。
 日帝・岸田の前には、戦後連綿と引き継がれてきた日本労働者人民の反戦反核の怒りが断固として立ちはだかっている。「ウクライナ戦争の世界戦争・核戦争へのエスカレーションを絶対に許すな」「NATOもロシアもウクライナから手を引け」「ウクライナ参戦を狙う岸田政権を倒そう」の声を全国に響かせよう。

原発汚染水を海に流すな

 日帝の戦争国家づくりの最重要の攻撃として、8月にも福島原発汚染水の海洋放出が狙われている。7月4日には国際原子力機関(IAEA)のグロッシ事務局長が「国際安全基準に合致しており人体・環境への影響はごくわずか」なるデタラメな報告書を岸田に手渡し、5日、福島県を訪問した。断じて許せない!
 「3・11」での「レベル7」の大爆発で福島第一原発1〜3号機内には溶け落ちた膨大な核燃料(デブリ)がたまり、その冷却によって汚染水が毎日100㌧発生する。化学処理しても放射性物質トリチウムを除去できないまま、この汚染水を沖合1㌔の海底から放出し、海洋放出は30年以上続くとされている。これは、福島を先頭とする労働者人民の核と原発に対する激しい怒りを圧殺するとともに、原発事故を「なかったこと」にして原発再稼働と新増設を推し進め、日帝自身の戦争・核武装に突き進む攻撃だ。汚染水放出を絶対阻止するために7・15反戦反核東京集会、7・30いわき現地闘争を全力で闘い、8・6広島、8・9長崎闘争を反戦・反核・反原発闘争としてうち抜こう。
 韓国・民主労総は「核汚染水投棄阻止闘争宣言」を発し、韓日労働者連帯を呼びかけている。7月3日から2週間にわたって闘われているゼネストの主要議題に放射能汚染水問題を据え、「労働者のすべての力量を発揮し、日本の環境犯罪に賛同するユンソンニョル政権の退陣闘争を強力に展開する」と訴えている。米日韓軍事同盟構築をうち砕く闘いと一体で、日韓労働者国際連帯の力で汚染水放出を絶対阻止しよう。

戦争協力の連合本部倒せ

 今年前半戦は、三里塚・杉並・国会決戦―G7広島サミット粉砕決戦を「帝国主義の世界戦争・核戦争を絶対に阻止する」「自国帝国主義の侵略戦争を内乱に転化する」という鮮明な時代認識を土台にして闘い抜き、6・18国鉄闘争全国集会に結実した。このうねりを何十倍にも広げ、巨大な反戦闘争を巻き起こそう。
 この反戦決起に「日帝の擁護者」として敵対しているのが連合と日本共産党スターリン主義だ。
 連合の清水秀行事務局長(日教組前委員長)は、自身のホームページに「『クリミア戦争』とナイチンゲール」なるメッセージを発表し、岸田政権がG7広島サミットを期して自衛隊病院にウクライナ負傷兵を受け入れると決めたことを、クリミア戦争時のナイチンゲールの従軍看護になぞらえて「人道的な支援」と賛美した。こんな戦争協力の連合本部を打倒し、戦争絶対反対を貫く労働運動の再生へ今こそ立ち上がる時だ。
 また日本共産党は、6月24日の第8回中央委員会総会を「革命政党として統一と団結を固めた」などと『赤旗』1面で報じているが、この「革命」とは「非暴力・平和的、議会の多数を得ての政権交代」(宮本徹中央委員)だと念押しした。フランスでは警察の少年殺害への抗議が数千人の逮捕・弾圧をのりこえて暴動的に爆発しているが、日本共産党は、戦争と生活破壊への積もり積もった怒りが内乱的に爆発し革命に向かうことを徹底的に抑え込み、議会制度の中に押しとどめようとしているのだ。
 労働者人民の現状変革の欲求は、資本主義の枠内には収まらない。いま最も必要なのは戦争を止める実力闘争だ。11・19労働者集会への大結集の道は8・6広島を先端とする夏秋の反戦闘争の大衆的爆発にある。8月6日午前7時、「『広島ビジョン』許すな! 核戦争阻止!」を掲げて原爆ドーム前を埋め尽くそう。

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